補聴器購入費助成について(2022年12月議会一般質問)

12月議会一般質問の第一質問と答弁を掲載します。


河村ひろ子市議:補聴器購入費助成について質問します

 加齢性難聴は50歳頃から始まり、60歳代後半では3人に1人、75歳以上になると7割以上が発症すると言われています。国立長寿医療研究センターによると、日常生活に支障をきたす難聴者の割合は、70歳代以上では男性5人に1人、女性10人に1人との事です。本市の人口に当てはめると、男性約9000人、女性約6000人で、男女合せると人口比3.2%にもなりますが、この数字の受け止めについてお答え下さい。

昨年6月本会議で市長は「加齢性難聴は認知症の危険因子の一つであり、その予防に取り組むことは重要」との認識を示されましたが、補聴器を装用する重要性をどのように考えているのかお答え下さい。

国の補聴器購入助成対象は、両耳の平均聴力が70㏈以上の聴覚障害者のみで助成対象が狭く、また補聴器は高額なため簡単に購入できません。そのため日本の補聴器の普及率はわずか13.5%で欧米諸国30~40%に比べ非常に低い水準です。補聴器にアクセスしにくい現状を一刻も早く解消するべきと考えますが、市長のご所見をお示し下さい。

11月25日、「補聴器の公的助成を求める会」が「難聴者の補聴器購入に公的助成を求める要望署名」1195筆を添えて市長に提出しました。年齢制限や所得制限を設けず、両耳の聴力が30㏈以上の身体障害者手帳の交付対象とならない人への購入助成を求めています。

参加者からは「40歳代に聴力が落ちたが仕事をするため片耳25万円もする補聴器を購入せざるをえなかった」「補聴器は体の一部」「話しが聞き取りにくいため職場や地域で差別的な事を言われ、それが一番辛かった」と訴えられました。

難聴になると、仕事が困難になったり、差別的な扱いを受けたり、交通事故や転倒のリスクが高まるなど、単に「聞こえ」の問題だけでなく、生活のあらゆる面に影響するとの事です。参加者の訴えを市長はどのように受け止められたでしょうか、お答え下さい。

 

全日本年金者組合大阪本部の調査によると、自治体による補聴器購入助成制度の実施は、本年10月末時点で114市区町村となり、前年から約3倍と急速に広がっていることが分かりました。

東京都港区では4月から、上限13万7000円、住民税課税の人にはその2分1の6万8500円を助成し、予想以上の申し込みで補正予算を組みながら対応しているとの事です。東京都江東区では耳かけ型と箱形から選べる現物支給を購入助成と合せて行っています。新潟県上越市、福岡県田川市では全年齢を助成対象としています。このように自治体の取組みが全国で展開されていますが、市長の感想をお聞かせ下さい。

本市は、国の補装具費支給制度の拡充を政府に要望する取組みに留まっていますが、聴力に障がいのある人のみに補聴器購入の負担を強いるのではなく、聞こえる人、聞こえない人同士がコミュニケーションとりやすい環境にするために社会全体が支える仕組として公的助成を行う社会的意義があるのではないでしょうか。

本市独自の購入助成制度の創設を求めます。ご所見をお示し下さい。

市長答弁:次に、補聴器購入費助成についてであります。

今後、高齢者人口の増加に伴い、難聴で悩む方も増えていくものと予想されます。

補聴器は生活の質の維持だけでなく、認知症予防にも効果があるといわれています。このため、現段階では、身体障がい者手帳交付者や手帳交付者以外の18歳未満の軽度・中等度の難聴児に対して助成が行われています。

更に、補聴器購入の補助制度拡充について現在、国に要望しています。

なお、市独自の新たな制度の創設は考えておりません。

以上