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2016年福山市長選挙について

 日本共産党は、8月21日告示・28日投票で行われる福山市長選挙について、候補者擁立を断念し、以下の見解を発表しました。

3期12年の羽田市政への評価 

 3期12年の羽田市政は、住民福祉の増進を本来の役割とする自治体の責任を投げ捨て、「自助・共助」を押し付ける一方、大企業・大型公共事業優先の市政運営を進めてきました。

 「財政の健全化」を名目に、子ども、青年、高齢者、障害者、中小業者などあらゆる年代・各層に負担増、給付減の痛みを押し付け、福祉・医療制度の削減、教育行政の改悪、中山間地域の衰退など、深刻なくらしの困難と危機をもたらす冷たい政治を行ってきました。

 主な分野の問題点を、以下に示します。

◇  ◇

 近隣市町が乳幼児医療費助成制度を拡充する中、福山市はいまだに通院は就学前、入院は小学校卒業までで、県内で最も遅れた水準です。

 公立保育所・幼稚園の民営化や統廃合、規制緩和の導入などで公的保育を後退させました。市長選公約の35人学級は実施せず、厳罰主義と管理主義を教育現場に押し付け、6小学校3中学校を統廃合し、過疎地や島嶼部から学校をなくそうとしています。

 スケボーパークや、科学館・児童館は建設されず、小学校高学年から青年期まで安心できる居場所がありません。

 長寿祝金や介護施設利用者の食費負担軽減制度など、わずかに残っていた市独自の補助制度を次々と削減し、介護保険料・後期高齢者保険料を引き上げ続けてきました。

 国保税は県内で5番目に高く、中学校給食実施率は22・2%です。

 全事業所の90%を占める中小業者は、長引く不況や下請単価の切り下げで厳しい経営が強いられているにもかかわらず、地域経済活性化に有効な「住宅リフォーム助成制度」や「小規模工事希望者登録制度」の創設に背を向け続けています。

 学校校舎の耐震化率は全国最低水準です。今年6月22日の大雨では、市内広範囲に浸水被害が起こり、河川改修や拡幅などの遅れが明らかとなりました。南海トラフ地震に対する防災対策も遅延しています。

 大型開発優先・高次都市機能の集積として、鞆港埋め立て架橋計画や伏見町再開発を推進しようとしてきましたが、断念に追い込まれました。「平成の大合併」を推進し、市職員を大幅に削減し、沼隈・新市・内海・神辺町の衰退を引き起こしました。さらに、道州制につながる連携中枢都市構想も強行しています。この12年間で、「行財政改革」を積極的に推進し、支所の縮小、加茂市民病院の廃止、上下水道事業の統合を進め、上下水道料金の引き上げを強行しました。さらに、公民館やふれあいプラザ等も統廃合しようとしています。

 上に述べた諸点から、日本共産党は、今回の市長選を、市政を転換する一大政治戦と位置づけ、取り組みを進めてきました。

市長選挙を巡る立候補状況について

 自民・公明・民進党と連合の推薦を受ける元財務官僚の枝広直幹氏と、村上栄二氏が立候補を表明しています。

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 枝広直幹氏は、羽田市政の継承を掲げて、立候補するものです。枝広氏の福山市長選にあたる公約は中心市街地活性化・都市の魅力アップとして、「にぎわいのある少子高齢化社会のモデル地域」を進めるとしています。これは、国からの補助を受けた新たな形の、大規模再開発・大型公共事業を進めるもので、国の連携中枢都市計画に追従するものです。

 「国際競争力のある元気な農林水産業を育てる」と言いますが、地元農林水産業を壊滅させるTPPの阻止については触れていません。「市独自の留学制度を創設するなど外国語教育を強化」「将来のオリンピック選手の育成」「小中一貫教育」など、「選別と競争」の教育の推進を、露骨に主張しています。

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 村上栄二氏は、大阪市議時代に、「大阪維新の会」に所属し、大阪都構想を推進してきました。

 日本共産党は、この構想は、①大阪市をつぶす ②くらしをこわす ③「1人の指揮官」でやりたい放題できる体制(独裁体制)をつくる として正面からその政治手法を分析・批判してきました。同氏の政策は、例えば、市役所職員の給与と退職金を、不当に高額であるかのように描き、再任用(非正規化)や賞与の切り下げ、業務の民間委託で、安上がりの業務に切り替えることを示しています。これは、「大阪維新の会」の価値観と路線(極端な新自由主義政策、「競争と福祉切り捨て策」)を福山市に持ちこむものです。

 同氏は、「大胆な改革を行う」と主張していますが、3期の羽田市政そのものについては、「財政の堅調さを評価」するなど、正面から批判していません。これでは、福山市の政治の流れは変わりません。

候補者擁立の経緯と見解

 日本共産党は、「清潔であたたかいふくやま市政をつくるみんなの会」の構成団体と共に協議を行い、候補者擁立に向け努力を行ってきましたが、実現できませんでした。その後、党独自の候補者擁立に、あらゆる努力をしてきましたが、擁立には至りませんでした。

 今の福山を民主的に変えてほしいと願われるみなさまの期待に応えられないことに、心からお詫びを申し上げます。今後、市民が主役の市政を実現するために、日本共産党を大きくするとともに、市民・住民運動団体との連携を強め、切実な願いが一歩でも二歩でも前進するよう、取り組みを強化します。

 日本共産党は、福山市議選で掲げた公約の実現に、市民の皆さんと力を合わせて奮闘する決意です。

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