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プライバシー侵害、国民監視を招くデジタル法案は廃案に!

菅政権が進めるデジタル化と、それに追随する福山市政の問題点について、お知らせします。

菅政権はデジタル庁創設などデジタル改革関連6法案の今国会での成立を狙っていますが、日本共産党など野党の追及により、プライバシーの侵害や国民監視を招く危険性が次々と明らかになっています。

個人情報の保護はないがしろ

法案は、デジタル化を利用して、行政が集めた様々な情報を企業などが「利活用」しやすくするためのもので、個人情報の保護はないがしろになっています。

個人情報保護条例が「リセット」に 

現在、地方自治体はそれぞれ個人情報保護条例を定めています。

福山市の条例でも、個人情報は本人から集めて目的外には利用しないことや、思想、信条、病歴、差別や偏見につながるような情報は収集しないことなどを原則にしています。これらは、国よりもきびしい規制です。

ところが、法案によって、自治体の条例は国に統一され、「リセット」(平井卓也デジタル改革担当相答弁)されてしまうのです。

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個人情報保護制度の概要(福山市ホームページ)

福山市個人情報保護条例(福山市ホームページ)

国民監視や企業の儲けの手段に

法案は、自治体が集めた個人情報を匿名加工して企業などに提供することを義務づけています。

国はすでに、この情報提供の公募を行なっていますが、日本共産党の田村智子参院議員の質問で、米軍横田基地の騒音被害を訴えた住民らの情報も対象にしていたことが明らかになりました。

田村議員は「国を訴訟すればこんな風に扱われるのかと、国民の行動を規制、萎縮させる情報の使い方をしており、国民監視につながる」と批判しています。

また、独立行政法人の住宅金融支援機構は、融資を申し込んだ約118万人の情報を銀行に提供していました。

匿名とはいえ、年収、職業、年齢、性別、家族構成、居住地の郵便番号などの詳細な情報が本人の知らない間に第三者に提供されたのです。

↑2021.4.14田村智子議員の代表質問 参院本会議

自分の情報が知らないところで

自治体は、住民に最も身近な存在であり、より多くの個人情報を持っています。

本人同意のない利活用を大規模に進めれば、個人情報やプライバシー権の保護は大きく後退します。

情報漏えいのリスクも高まり、行政への住民の信頼も失われかねません。

福山市はすでに「オープンデータ」として、所有する情報を二次利用が可能なデータ形式で公開し、民間企業などの利用を促進しています。

今年度の重点政策では、さらに拡大するとしていますが、何をどのように公開するかは慎重な議論が必要です。

マイナンバーで大量の情報集積

マイナンバーの利用拡大も狙い、預貯金口座などをひも付けようとしています。

マイナンバーは、国民の資産や社会保障給付を把握し、徴収強化と社会保障費の削減を進めるためのものです。

福山市は市民病院でマイナンバーカードを健康保険証として利用するシステムを早々に導入しましたが、マイナンバー普及のためになりふりかまわぬ国に同調するべきではありません。

(システムは2021年3月から運用の予定でしたが、コロナ禍で医療機関の作業の遅れやミスもあり、10月に延期されています)

官民の癒着を招きかねない

菅政権が狙うデジタル庁は強力な権限をもちますが、職員の100人以上を民間から登用し、企業に在籍したまま働くことも認めます。

この体制は福山市も同様で、民間から兼業・副業の「最高デジタル責任者」を募集し、ICT(情報通信技術)戦略の司令塔として推進計画策定から施策の実施まで関わらせます。

特定の企業に都合のよい政策や予算執行など、官民の癒着を招く恐れがあります。

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↑福山市の資料

↓「最高デジタル責任者」募集条件

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誰のためのデジタル化なのか

個人情報は、個人の尊厳や基本的人権にかかわります。

デジタル技術を生かした利便性の向上は大切ですが、私たちの個人情報がどう管理・利用されるのかを知り、利用されたくない場合は拒否する権利やプライバシー権が保障されることが前提であり、丁寧に議論すべきです。

個人情報保護の理念を欠くデジタル関連法案は、市民と野党の共闘で廃案に追い込みましょう。

また、福山市も菅政権に足並みをそろえ、AIやチャットボットの活用、国や県とのシステムの共通化、ビッグデータを利用するスーパーシティ構想など、デジタル化に前のめりですが、行政サービスの縮小や職員の削減、地方自治の後退を許さない運動が必要です。

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