安心の入所施設新設を!
深刻な障がい者と家族の高齢化
昨年7月、千葉県長生村で起きた高齢の父親による重度知的障害の息子への殺人事件では、施設への入所申請をしたものの、3年以上断られ続け、グループホーム入居や精神病院への入院もできず、家族が毎日寝ずに介護していた実態が明らかになっています。
NHKが行なった共同調査では、入所施設の待機状態にある障害者は全国で2万人を超えていることも明らかとなり、障がい者の高齢化、重度化が進む中、自宅で介護をする家族の負担も深刻化しています。
深刻な待機状況 施設の整備が必要
塩沢みつえ市議の一般質問で、福山市での重度障がい者の入所施設への待機状況は、実人数は264人、平均年齢は約43歳で、待機期間の平均は約9年ですが、中には20年以上も待機が続いているケースもありました。
市は、待機者の解消策として、入所施設から地域移行を推進していますが、そもそも施設入所者の高齢化・重度化によって地域移行はほとんど進んでおらず、空きが生じない状況です。そればかりか、国は逆に入所施設の定員を段階的に削減する方針です。
塩沢市議は、「何年も前に入所申請した」という実際の市民の声を紹介し、国への方針の見直しと、積極的に入所施設の新規整備を行うよう強く求めました。
地域の住まい確保 安心の共生社会に
障がいのある人が地域の中で豊かな暮らしを送るために、グループホームの必要性が高まっています。
市内にグループホームは124住居ありますが、定員731名に対し入居率は88%です。市は、重度の障がいのある人が入居できる「日中サービス支援型グループホーム」の整備を進める考えですが、現在の整備状況はまだ12住居です。
塩沢市議は、公営住宅の活用も含め、一層のグループホーム拡充を求めました。
現場の担い手不足 低い処遇の改善を
地域で必要なケアが求められる一方、担い手不足も深刻です。サービスを支える従事者の処遇改善にも積極的に取り組み、障害のある方や家族にとって安心の暮らしを作ることが行政に求められています。