2005/10/8 美しい景観をまもるため、景観法の活用を
『福山の環境を守る会』と『鞆の自然と環境を守る会』は、7日、まちづくり講演会「景観法について~原風景の保全とまちづくり」を開きました。
広島大学の富井利保氏を招いての講演会で、三十人の参加者が、耳を傾けました。
概略をお知らせします。
富井氏は、「市民は景観に対して権利を持っている。日本はこれまでの高度成長を経て、物質的に豊かになってきたが、昨今では、貧富の差が急速に広がっている。カネやモノだけを追求するには、もう限界の時代だ」と指摘。
「心の豊かさに生きがいを求める人が増える中、美しい景観は、精神に潤いを与えるため、良好な景観は後世に残す必要がある。そのための景観法は有効だ」と切り出しました。
そして、2004年に制定された景観法の、理念や、運用のための課題を説明しました。
富井氏は「景観法は、国土交通省が主導して立案した法律。その背景には、昨今の地価の下落で、大都市部を中心に、『都市再生』『再開発』の政策が進められ、これまであった建物などの跡地が周辺の環境や景観と調和しない、巨大マンションが建設されている。そのため、全国で、景観を守るための「景観紛争」が数多く発生しています。」「罰則も盛り込まれている景観法が、環境破壊の大型事業に歯止めをかけられる可能性があります。」と説明しました。
そして、「景観法によれば、福山市は『景観行政団体』となり、景観計画を策定することができます。策定には、公益法人やNPOなどが参加できます。美しい景観の保護のためには、行政任せの街づくりではなく、住民が積極的に参加する運動が必要です」と呼びかけていました。
講演会には、日本共産党から辻恒つねお県議、村井あけみ、川崎誠、高木たけし、土屋とものり市議のほか、保守会派の市議の参加も見られました。