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平成21年度福山市一般会計歳入歳出決算認定について、日本共産党の討論

 当年度は、世界的な経済金融危機に端を発した景気低迷で企業収益は悪化し、法人市民税、個人市民税共に落ち込んでいます。また、評価替えの影響で固定資産税も減少しました。一方、地方交付税や臨時財政対策債などの市債や定額給付金交付事業等により、国庫支出金が大幅に増加したため、歳入決算額は、1724億6431万2千円、歳出1680億8269万5千円、歳入歳出差引額は43億8161万7000円で、繰越明許費繰越額を差し引いた実質収支は38億5324万3千円の黒字となっています。

大企業に社会的責任を
 各差と貧困がいっそう深刻になる中、大企業のリストラや派遣切りを許さないために、派遣労働法の抜本的改正と、大企業がため込んでいる内部留保金を労働者に還元し、賃金の引き上げや正規雇用を増やすよう、政府に強く働きかけるべきであります。

自治体リストラでサービス低下
 当年度も、集中改革プランに基づく市職員の削減が行われています。その一方で教育や保育、環境や社会教育など、市民生活を支える重要な部門で臨時職員1145人、嘱託職員1174人が雇用されていますが、本来、できうる限り正規職員を配置するべきであります。また、教育、福祉、医療、農林漁業振興分野などで、新たな雇用を創設する、積極的な施策展開が求められます。

就学前教育・保育は公的責任で
 幼稚園の統廃合や公立保育園の民間移管を行ない、就学前教育や保育における公的責任がいっそう後退していることは問題です。

高齢者福祉・医療の充実を
 高齢者への長寿祝い金77歳への支給を廃止し,優待交通助成費を削減するなど,冷たい高齢者福祉削りは許せません。また、後期高齢者医療制度の廃止を国に強く求めるべきであります。

小学卒業まで医療費無料に
 国に乳幼児医療費無料制度の創設を強く働きかけ、県の制度拡充を求めるとともに、福山市独自で、入院も通院も義務教育終了までの完全無料を実現するべきです。

RDF市財政圧迫
徹底分別・再資源化に転換を

ごみ固形燃料工場管理運営費は、ストーカー炉による焼却時の2倍以上の20億2568万7千円に達し、市財政を圧迫しています。福山市のRDF実質供給量は4万8905トンで、これに委託単価をかければ、4億9188万6490円であるにもかかわらず、RDF発電株式会社との委託契約に基づき、6万4821トン分の処理委託料6億5196万9610円を支払っています。今後、実質供給量がどうであれ、契約供給量に基づく処理委託料を払い続けることが明らかとなりました。今後、毎年20億円を超えるごみ処理費を支出するあり方は、到底市民理解を得られるものではありません。
 また、RDF工場のCO2排出量は福山市分年間1万5442トン、その他の市町分1万2612トン、RDF発電施設が年間3万4千トンを排出しており、これらが福山の環境を悪化させる一因となっていることも、明らかであります。
ごみの大量償却を前提としたRDF・RDF発電は、 市民のごみ減量化の努力や環境保全の願いに逆行するものです。ごみ処理については、分別収集をさらに細分化し、生ゴミの再資源化を具体化するなど、徹底した再資源化でごみの焼却量を最小限に抑える方向に転換するべきです。今後の在り方について、関係市町との協議を行うべきです。

都市農業を守れ
 都市農業を守るために、市街化地区内農地の固定資産税の大幅引き下げ政策の実行に踏み切るべきです。

公営住宅の縮減に反対
 市営住宅について、入居を希望する待機者がふえ続けているにもかかわらず、公営住宅管理戸数を縮減することは認められません。需要に応じ、供給戸数を抜本的に増やすべきです。雇用促進住宅の買い上げなども積極的に行うことが求められます。

福山港新バース建設は中止を
 福山港のコンテナ取扱数は、2007年度の8万6623TEU(1TEU=20フィートコンテナの1個分の容量)をピークに減少し続け、2009年度には7万4000TEU余となっています。今後のコンテナ取扱数の見通しは不透明であり、第3バースの建設は進めるべきではありません。

鞆港埋め立て架橋は中止
歴史・文化生かし住民参加で

 鞆港埋め立て架橋計画は白紙撤回し,住民主人公のまちづくりを進め、遅れている生活環境整備を進めるべきであります。また、重要伝統的建造物群の指定区域は鞆町全体を対象として範囲を拡大するなど,早期に指定を受けられるよう鋭意努力を行うべきであります。

住民反対の大型道路は中止を
 公害道路は要らないと住民の反対運動が粘り強く行われており,福山道路など6路線の建設計画は白紙撤回するべきであります。とりわけ、地権者全員の同意なしに共有地の境界確認を行うことや、事業説明を一方的に終了したり、事業賛成者の土地の測量や用地買収を行うなどのなし崩し的な事業推進の在り方は撤回するべきであります。また、山手赤坂線は、福山西環状線関連道路ですが、住民への説明が不十分であります。

駅前再開発 身の丈に合った計画に
 東桜町地区市街地再開発事業に12億1104万5千円を支出していますが、いま、商業床や事業床は埋まらず、マンションも売れ残っています。これまで融資した資金の償還や、過大な計画が今後、市の支出を強いるものとなる事が懸念されます。

少人数学級の実施、教員の多忙化解消を
 教育については、中学生の逮捕という遺憾な状況が続いています。今後、一人の逮捕者も出さないとの決意で、子どもたちを守り育てる条件整備が急がれます。また、習熟度別の少人数学習は,集団づくりに支障を生じること,子どもたちの心に傷をつけるなどの問題を内包しています。少人数学級の実施、教職員の多忙化解消、保健室の先生の複数配置など、一人ひとりの子ども達に寄り添うことができる教育条件の整備は急務です。

中学校完全給食の実施を
 朝食抜きの子どもがふえる中,全国の80%以上の自治体が実施している中学校の完全給食の実施を急ぐべきであります。

子どもの居場所づくりを
 放課後の子どもたちの実態調査を行い,放課後児童クラブ土曜日の午後開設や児童館の設置を計画的に行うことが強く求められます。

「解同」特別扱い止めよ
 部落解放同盟への団体補助金280万円が執行され,人権交流センターに部落解放同盟福山市協議会の事務所を無償で設置させていますが、同和対策の根拠法令がなくなった今日,一部運動団体の特別扱いは、きっぱりと止めるべきであります。

政治的比重から反対
 当年度も公的資金の繰り上げ償還が行われ、利子節減が行われていることは評価できます。危険箇所緊急整備や学校の校舎、体育館の耐震改修、放課後児童クラブの教室分離やプレハブ教室の建て替えなどの条件整備など、市民要求実現に努力がなされていること、当然のことながら市民生活全般に関わる大切な予算が執行されていることは評価するものですが、先に述べた諸点における政治的比重から、決算認定に反対を表明します。

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