生活保護世帯と生活困窮者へのエアコン設置について(2024年9月議会一般質問)
2024年9月議会の日本共産党・塩沢みつえ市議の一般質問です。
第一質問と答弁を掲載します。
塩沢みつえ:生活保護世帯におけるエアコンの設置状況について伺います。
今年も各地で最高気温35度以上の猛暑日が続きました。東京監察医務院の調査によると、東京23区で6月から8月までの3カ月間に熱中症死亡者数は198人。昨年の6月から9月期の164人を上回るペースです。熱中症死亡者数198人のエアコンの利用状況は、「エアコン使用」が12%、「エアコンなし」は21%、「エアコンはあるが未使用」は67%です。何らかの理由でエアコンが利用されず熱中症となり死亡に至ったケースが88%と圧倒的に多いことが分かります。そこで伺います。本市の生活保護世帯でエアコン未設置の世帯数と未設置の理由についてお答えください。
エアコンの購入・設置費の補助について伺います。
2018年4月に厚労省がこれまではぜいたく品だとみなされていたエアコンを「健康で文化的な最低限度の生活」に必要な設備だとして、生活保護受給世帯にエアコン購入費の支給が認められました。しかし、それ以前に生活保護受給を開始した世帯は購入費支給の対象ではありません。2018年4月より前からの生活保護世帯でエアコン未設置の世帯数をお答えください。
エアコン購入のために社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度の利用は可能です。しかし、保証人を立てることや毎月の返済のために生活を切りつめるのは困難な場合が多く、諦めれば酷暑を耐え忍ぶしかありません。
酷暑から命を救うため、自治体が独自にエアコン購入・設置において補助制度を実施しています。奈良県生駒市はすべての生活保護世帯で、エアコン未設置あるいは使用不可の場合に上限10万円を支給しています。東京都墨田区は生活保護世帯等にエアコン購入・設置において上限10万円を支給しています。本市において、すべての生活保護世帯と生活困窮者に対して、エアコン購入・設置費の市独自の補助制度が必要と考えます。ご所見をお示し下さい。
夏場の電気料金の補助について伺います。
電気料金の値上げが続いているため、エアコンがあっても電気料金が不安でエアコン使用を控える可能性があります。生活保護世帯と生活困窮者に対して、エアコン使用分の電気料金を本市が独自に補助し、安心してエアコンが使えるようにしてください。ご所見をお示し下さい。
2013年から2015年にかけて生活保護費が最大10%も国によって引き下げられました。その一方で物価は高騰し続け、生活困窮が続いています。生活保護世帯には冬季加算はありますが、夏季加算はいまだにありません。これでは、憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているとは言えないのではないでしょうか。県と連携して、生活保護費の引き上げと電気料金相当分の夏季加算実施を国に働きかけてください。ご所見をお示し下さい。
市長答弁:
塩沢議員の御質問にお答えいたします。
始めに、被保護世帯のエアコン設置状況についてであります。
今年の8月末時点の未設置は243世帯、そのうち、2018年(平成30年)3月までの保護開始世帯は168世帯です。
また、未設置の理由は、
・必要性を感じていない
・エアコンが苦手又は体調が悪くなる
などです。
エアコンの購入・設置費については、すべての被保護世帯を支給対象とするよう全国市長会から国へ要望しています。なお、本市独自の助成制度は考えていません。
夏季の冷房器具使用に係る「夏季加算」の創設については、全国市長会から国へ要望しています。
電気料金については、国の家計支援の措置が行われております。
なお、生活保護基準は、毎年、国において適正に見直されています。