性的マイノリティに関する取組について(2025年9月議会一般質問)
2025年9月議会の日本共産党・塩沢みつえ市議の一般質問です。
第一質問と答弁を掲載します。
塩沢みつえ:性的マイノリティに関する取組について
にじいろ電話相談について伺います。
LGBTQについて学ぶ機会が増え、性的マイノリティに対する啓発や取組が進んできている反面、当事者一人ひとりの抱えている悩みは表面化しにくく、理解することの困難さがうかがえます。
本市においては性的マイノリティへの取組として相談窓口が開設されていますが、市民への周知方法をお示し下さい。開設後の相談件数の推移、この活動から見えてきた課題をお示しください。
今後の展開として、にじいろ相談の利用者が当事者とつながれるような取組の必要性について、どう考えているのかお示しください。
「性的マイノリティサポートハンドブック」について質問します。
本市は性的マイノリティの理解を深めるため、2020年に「性的マイノリティサポートハンドブック」を作成しました。他自治体の発行しているガイドラインや指針等を参考に、職員として心得ておくべきこと、具体的な配慮の例、当事者の抱える不安等が記載されています。ハンドブックを活用した職員への啓発や研修の取組状況をお示しください。
「市職員、なかでも行政窓口において、性的マイノリティの方が抱えている問題について、職員が十分に理解し、適切に対応することが大切です」と記載されています。窓口対応において、ハンドブックがどのように活用されているのかお答えください。
ハンドブックには、市民への対応として「性別欄の取り扱い」と「多目的トイレの利用について」等の項目が挙げられていますが、この2項目について本市の現状と課題をお答えください。
事業者等への理解、促進に向けた連携について質問します。
2021年10月に、性的マイノリティの当事者団体が「障がい福祉サービス事業所における性的マイノリティ利用者の対応についての要望書」を市長に提出し、「障がい福祉サービス事業所と連携し、職員へのLGBTQの理解促進に取り組む」「職員全員が理解を深め、他課と連携を図る中で適切な対応ができるよう努める」等、回答が出されました。その後、4年間の取組と課題をお答えください。
認定NPO法人ReBitによる2023年の「LGBTQ医療福祉調査」で、LGBTQ当事者が障害等に関する行政・福祉サービスを利用した際に、78.6%がセクシュアリティに関する困難を経験し、この経験によって、52.8%が困難が深刻化、3人に1人が病状悪化、5人に1人が自殺を考えた、自殺未遂をしたと回答しており、安全に行政・福祉サービスが利用できていないことがわかりました。
本市として、福祉サービスの利用者に対して、セクシュアリティに関する困難さについての調査を行い、各福祉計画において、調査結果を反映させた取組を位置付けるべきです。ご所見をお示し下さい。
市長答弁:
次に、性的マイノリティに関する取組についてであります。
にじいろ相談窓口については、「広報ふくやま」や市のホームページのほか、本庁や支所の窓口へのチラシの配置、巡回バネル展、講演会などを通じて周知しています。
電話とメールを合わせた相談件数は、2021年度(令和3年度)から昨年度まで、順に、10件、20件、21件、25件であります。
相談者からは、職場など身近な環境での無理解や、孤立感を訴える声もあり、引き続き、性的マイノリティへの理解促進に取り組む必要があると考えています。
また、同じ悩みや経験を持つ人同士の交流につなげるため、相談者に対しては、イベントや学習会などを紹介しています。
職員の研修については、「性的マイノリティサポートハンドブック」を活用し、全職員を対象とした職場研修をはじめ、新採用職員や新任管理者向けの研修などにおいて、性的マイノリティに関する配慮や対応について理解を深めています。
窓口対応では、ハンドブックを参考に、パートナーが異性であるとは限らないため、先入観を持たず対応することを徹底しています。
性別記載欄については、2020年(令和2年)に全庁調査を行い、全288件の帳票のうち、法律で義務付けられているものなどを除き、43件の不要な性別欄を削除しています。
また、今年度、再調査を行い、性別欄が必要な場合でも「男性」「女性」以外に「その他」「答えたくない」といった選択肢の設定が可能か検討することとしています。
多目的トイレについては、障がいのある方だけでなく、誰もが利用できるトイレであることの理解が進んできています。
引き続き、性的マイノリティを含む、全ての市民が利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。
次に、事業者等への理解、促進に向けた取組についてです。
障がい福祉サービス事業者を対象として、当事者の方による講義や本市職員による制度説明などを行い、性的マイノリティの理解促進に努めています。
また、一度の研修で十分な理解を得ることは難しく、さらに事業所の職員の異動等もあることから、継続的に取り組んでいるところです。
なお、各福祉計画の策定に当たっては、アンケート調査や当事者団体との意見交換会等を通じ、サービス利用に関する障壁を明らかにするとともに、解決のための方策を示してまいります。
以上
再質問は、福山市議会の会議録や中継映像をご覧ください。
(議事録の更新は次回の定例会開催前になります。)