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想定外の岩盤で工事費43→60億
2日の文教経済委員会での説明で、9月末の完成を目指して工事が進んでいる福山北産業団地の造成工事にかかる費用が、当初の契約額約43億円から17億円余り増加し、60億4450万円となることが明らかになりました。
工事に着手する前の地盤調査では、掘削によって排出される岩は約3万㎥と想定されていましたが、実際には15万㎥も排出され、硬い岩盤を発破によって砕き、造成地に埋め戻す工程が必要となったためです。
想定外だったとはいえ、費用が当初より約40%も増加する事態となったことは、公費を投じて行われている事業である以上、事前の調査が適切に行われていたのか、大きく問われかねません。
多額の交付金・助成金での事業
今回の工事費用の増額により、最新の試算では事業全体の支出が当初より約5億3千万円増え、84億2千万円となりました。
これに対して、内定している全17区画の分譲による収入は75億7千万円ですが、県交付金8億8千万円を活用し、収支は3千万円の黒字を見込んでいます。
しかし、関連道路の整備に約6億円、企業立地奨励金として土地購入助成11億4千万円、固定資産税免除6億7千万円と合計18億1千万円が購入企業に還元されるため、実質約24億円の赤字です。
議会審議も市民への説明もなく工事を続行?
担当課は想定以上の岩盤が判明した以降、再度の地盤調査は行わず施工を続け、増額分は23年度当初予算に含まれていると説明します。
この間に常任委員会や予算審議等の機会に議会に対して特別の報告は行われないまま、この度の市議会定例会に議案が提出されます。
工期優先の進め方ではなく、議会での審議や市民への説明を行った上で公共事業は進められるべきです。

北産業団地イメージ図(市作成)
民生福祉委員会報告
6月2日、常任委員会が開催され、民生福祉委員会ではみよし剛史議員が質疑を行いました。
待機児童ゼロでも入所未決定は75人
4日の市長記者会見において、待機児童が5年ぶりにゼロであることが明らかにされ、4年間で常勤保育士が152人増えたと説明しましたが、一方で入所未決定者は依然として75人も生じています。
2日の委員会時点では今年度の待機児童数について正確な数には言及せず、「改善しつつある」との答弁で、改善の取り組みについては、公立保育所の職員を入所希望の多いエリアに重点的に配置したことを説明しましたが、公立保育所の保育士を増員はしていないと答えていました。
しかし、常勤保育士が増えたのは小規模保育所が増加したことによるもので、市として公立保育所の保育士の定数を増やす取組を行ったわけではありません。


保育士配置改善へ 今こそ取り組みを
みよし議員は、「配置の調整だけで対応すれば定員割れの保育所でも入所が困難となる。重要なのは保育士配置が安定化するよう、正規職員の増員が必要」と指摘しました。
年度当初は待機児童ゼロであっても、今後は入所ができない児童が増加する懸念があります。
国は1歳児と4・5歳児の保育士配置を75年ぶりに改善することを打ち出しました。しかし、基準自体を「改定」するのではなく、運営費の加算による「改善」であるため、公立保育所の保育士配置を改善するかどうかは自治体次第です。
福山市が改善に向けてどう取り組むのか質したところ、「国の定める基準による配置を行う」と、75年変わっていない基準を踏襲し続ける姿勢です。「改善の努力はする」とは言いますが、具体的な手立ては示されていません。
保育の広域入所 責任後退の恐れ
また、備後圏域内において広域入所の検討を行っていることが明らかになりました。
依然として希望入所ができない状況もある中で、他自治体の保育所への入所を可能にすることは市町村の責任後退につながります。「まずは全ての入所希望に応える整備が先」と指摘しました。