放課後児童クラブについて(2025年9月議会一般質問)
2025年9月議会の日本共産党・塩沢みつえ市議の一般質問です。
第一質問と答弁を掲載します。
塩沢みつえ:放課後児童クラブについて
こども集団の規模について質問します。
放課後児童クラブ運営指針では、こども集団の規模は「おおむね40人以下」とされており、その根拠として「こどもが相互に関係性を構築したり、一つの集団としてのまとまりをもって共に生活したり、支援員等が個々のこどもとの信頼関係を築いたりできる規模」と説明されています。この規定の意義について認識をお答えください。
本市の放課後児童クラブの在籍児童数は、昨年度5月時点で6606人、夏休みは7742人、一日当たりの最高利用児童数は63人でした。今年度の在籍児童数は5月時点で6850人です。今年度の夏休みの在籍児童数、一日当たりの最高利用児童数をお答えください。
夏休みの過密状態でのリスクについて、昨年度一般質問を行いました。こどもの健全な育成において、適切な集団規模を保つことは重要です。子どもを分散させる、教室を増やす等の対応が早急に必要と考えます。ご所見をお示し下さい。
こどもの健全育成に向けた豊かな遊びを保障する環境の在り方について質問します。
運営指針によると、「こどもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整え」ることが必要とされています。トイレ、手洗い場、室内の遊び場、静養室等の設置及び利用の現状と課題をお示しください。
さらに、運営指針では「こどもの遊びを豊かにするため、屋外遊び・運動遊びを行う場所」を確保することを求めています。国連子どもの権利委員会は、「子どもの権利条約」第31条「余暇・遊び・文化権」の中で、「遊びの権利」とりわけ外遊びの権利の保障が大切であると提言しています。しかし、近年の酷暑によって外遊びは困難で、室内で過ごすことが強いられています。酷暑における運動遊びの保障のための取組についてお答えください。また、屋内遊びを充実させるための環境保障も非常に重要です。どのような取組がなされているのか、具体をお示しください。
昨年の質問で「学校と連携し、通常時であれば放課後の空き教室を開放」していただいていると答弁されました。夏休みの豊かな遊びを保障するため、学校連携に取り組んだ事例の具体をお示しください。
職場環境の充実、改善について質問します。
社会的・文化的背景を持つこども等、特に配慮を必要とするこどもへの対応が運営指針に追加されました。本市で特に配慮を必要とするこどもは増えているのか、お答えください。
本市は待機児童を出さない方針であり、保護者の長時間労働もあいまって利用児童が増加し続けています。多様なこどもの状態に合わせた適切な対応が求められており、受け入れる支援員等の負担は大きく、日々の支援に対する悩みも切実なのではないでしょうか。
無記名のアンケート調査等行い、現場の意見を集め、職場環境の充実、改善につなげる等、現場に寄り添った対策を求めます。ご所見をお示しください。
民間委託について質問します。
昨年10月から2クラブで、今年度から新たに5クラブで民間委託が開始されました。人手不足の解消を進めるという課題は解消されたのかお答えください。竹原市では委託後のチェックや評価を、市職員による現場確認や巡回に加え、保護者アンケートの実施により行う予定です。本市の委託後の評価の取組について、お答えください。こどもや保護者にも評価を求めるべきと考えます。お考えをお示しください。
昨年の質問時に市長は、「公が設置する目的は、地域の全ての児童に対して平等にサービスを提供するためであり、その運営を民間に委託しても、その目的を損なうことはありません」と答弁しており、公営、民営にかかわらず、その最終責任は福山市にあると考えます。現在の既定の委託費は、在籍児童数や配慮の必要な児童に応じた委託費となっていないため、加算の仕組みを設けるべきです。その上で、事業者が行なっている運営が適正であるか、継続的な現地調査が必要と考えますが、それぞれご所見をお示し下さい。
市長答弁:
塩沢議員の御質問にお答えします。
始めに、放課後児童クラプについでであります。
こども集団の規模に関する規定は、児童の安心·安全を守り、発達に応じた支援を行うためのものと認識しています。
次に、今年度の夏季休業期間の在籍児童数は、8月1日時点で8,119人でした。
教室内が過密となる状況が想定される場合は、学校と連携する中で空き教室などを利用していますが、児童の利用状況が日々異なる中で、1教室の最高利用児童数が61人となる日がありました。
このため、今後は、空調設備のある利用可能な特別教室なども含め、対応してまいります。
児童が心地良く過ごせるよう、全ての教室で空調設備の整備や静養のためのスペースを確保しています。
トイレについても、基本的には室内に備えでいますが、一部は近くの外トイレを使用しています。
また、外遊びについては、暑さ指数(WBGT)を確認し、数値に応じて活動時間の短縮や中止を判断しています。
時には、学校の体育館を使用する場合もありました。
室内遊びでは、図書館の団体貸出を利用するなど、支援員が児童のニーズに応じて、様々な工夫をしています。
特別支援学級に在籍しているクラブ利用児童は、2025年(令和7年)5月1日時点で、683人であり、昨年同時期と比較して15人増加しています。
支援員の負担感を軽減するため、学校で管理職の経験がある放課後児童クラブ学校連携推進員が、各クラブを巡回する中で、現場の困りごとを聞き、日々の支援について助言等を行っています。
また、民間委託導入後、公設公営のクラブでは、支援員を2人配置とした教室が増加するなど、人材確保において、一定の効果がありました。
民間委託後の評価については、クラブごとに設置している運営委員会において、児童や保護者の声を聴き、運営に反映させています。
なお、障がい等を有する児童を受け入れるため、加配職員が必要な場合は、委託金額を変更できることとしています。
再質問は、福山市議会の会議録や中継映像をご覧ください。
(議事録の更新は次回の定例会開催前になります。)