福山道路は撤回を―”慢性的渋滞”の根拠は?
福山道路(国道2号=笠岡市~福山市赤坂町16・5㎞区間=費用試算1700億円)の建設問題について5月24日、「福山バイパスと区画整理を考える会」など3つの市民団体が計画の撤回を求め、国土交通省と交渉を行いました。
会のメンバー17人が参加し、日本共産党市議団から村井あけみ、土屋とものり両市議が同席。国交省側は、福山市幹線道路課を含む計9人が応対しました。
渋滞ワースト??
国交省は、道路建設の理由を国道2号の「慢性的渋滞」としています。
国交省が毎年発表する「渋滞損失時間」ランキングで、大阪市から北九州市までの国道2号全線のうち、ワースト2~4位に福山市内の区間がランクインしている(2017年)として、国交省福山河川事務所や福山市は渋滞の深刻さを喧伝するチラシやインターネット記事を作成しました。
しかし、それぞれの区間の距離が異なるため、1㎞あたりで比較すると順位は変わり、区間の設定も途中で変更されるなど、「慢性的渋滞」の客観的証拠として疑問があることを参加者が指摘。国交省福山河川事務所や福山市は「渋滞損失時間」の計算方法や区間の変更理由を知らずにチラシなどを作成していたことが分かりました。
土屋市議は元になった数値や計算式などをすべて開示するとともに、正確で分かりやすい資料を提供するよう求めました。
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福山道路は、多治米・川口町などの住宅密集地を通るため、「都市計画決定」された当時の調査でも立ち退き件数は約550件にのぼります。
地域や住民のくらしを壊す大型道路を強行することは許されません。
信号の調整や車線の改良など既存道路を改善して、朝夕ラッシュ時などの渋滞解消をすすめるべきです。