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2022年度 福山市一般会計予算について

2022年度の一般会計予算について、日本共産党市議団は次のように問題点を指摘し、反対しました。

討論の全文を掲載します。


議第2号 令和4年度福山市一般会計予算について,日本共産党の討論を行います。

 新型コロナウイルス感染拡大は未だ収束が見通せず,大きな不安と困窮の状況が長期化しています。新自由主義から転換し,社会保障を充実させ,国民の暮らし,命最優先の政治の実現が求められます。

 ところが,国の当初予算は,コロナ禍での病床削減の推進と診療報酬削減,高齢者医療費負担の2倍化などで社会保障費の自然増を2200億円も削ります。富裕層への金融所得課税の是正は先送りし,大企業に大盤振る舞いを続ける一方,物価高騰や米価暴落で苦しむ事業者に対し,インボイスの導入,雇用保険料率の引き上げで負担をさらに増加させます。ウクライナ情勢の緊迫化の中,過去の過ちを繰り返させないために日本は国際平和をけん引する立場にあるにもかかわらず,軍事費は10年連続で過去最大です。コロナ無策,新自由主義継続,大軍拡で国民には冷たく危険な予算となっています。

 こうした下で,市民のいのちとくらしを守る地方自治体の役割の発揮が福山市にはますます求められており,地方自治法の本旨に基づき,福祉増進最優先の予算編成を行うべきです。しかし,本予算編成は,国の成長戦略に則り,マイナンバーカード普及,自治体システム標準化によって市民の個人情報を大企業の儲けへとつなげるデジタル化推進に多額の市税を投じる内容になっています。

 

 税収では,地方消費税交付金は約104億円を見込んでいますが,消費税の引下げと大企業に応分の負担を求めるよう国に要望するべきです。

 

 総務費では,自治体システム標準化に向けた開発と維持管理で17億円も投じられており,今後もシステム更新のたびに多額な費用がかかります。ベンダーロックインや情報漏洩の可能性も否定できず,公契約の公平性や市民情報の保護の担保が不安定なまま進めることは市民理解が得られません。まずは市民の権利・利益を守るため,国の法基準を上回る個人情報保護条例の制定が不可欠です。

 税の滞納者の口座情報を金融機関に照会する業務の効率化を図るシステム導入により,照会件数・差し押さえ件数が増加する懸念があります。市民の口座情報を必要以上に照会することはプライバシー・財産権の侵害であり,導入するべきではありません。

 デジタル専門人材活用は,公務の公平性の問題や官民癒着が懸念され容認できません。地方公務員法が適用される市職員の育成に努めるべきです。

 

 民生費では,コロナ禍による子育て世帯の貧困化が進む中,子ども医療費助成制度の対象を,高校卒業まで拡充するべきです。

生活保護の申請をためらわせ,市民の収入・財産・負債の情報まで求める扶養照会は行うべきではありません。

17年間支給額が見直されていない災害見舞金の額を早急に拡充するべきです。また,部落解放同盟福山市協議会への団体補助金は廃止するべきです。

 衛生費では,リサイクルプラザの民間委託費が計上されていますが,人件費や運営にかかる経費など委託費の積算根拠を明らかにするべきです。事業の民間委託は市職員数の削減や,公的サービスの産業化につながり,行政サービスが後退しかねません。

 

 農林水産業費では,森林環境譲与税を活用し,災害対策を目的とした里山林の面的整備を行いますが,急傾斜の山林での間伐が行われるため,近隣の民家への影響が懸念されます。事前の専門家との協議が必ず必要です。また,地域で問題となっている危険木の伐採補助事業も早急に実施するべきです。

 

 土木費では,立地適正化計画は,憲法に保障された居住の自由を侵害し,地域福祉の後退,周辺部の衰退を一層深刻にするものであり,中止するべきです。

福山道路・福山沼隈道路建設に多額の予算が投じられていますが,整備によって新たな渋滞が発生する懸念があります。市民生活を壊す大型道路建設は見直すべきです。

 

 教育費では,山野小中学校と加茂小中学校の閉校記念事業費補助が計上されています。強引な学校統廃合により子ども達は傷ついています。丁寧で柔軟な教育ができる小規模校を大切にし,大規模校の解消や少人数学級の実現こそ急ぐべきです。そもそも国がすすめる公共施設の削減を目的とした学校統廃合は認められません。

義務教育が無償であることは日本国憲法で謳われており,小中学校に導入されているタブレットの保険料やAIドリルなどに係る費用は自己負担させるべきではありません。

 水泳授業の民営化は,学校教育における水泳授業の意義を弱め,プール施設の減少を促進させます。プールの長寿命化を図り,自校での水泳授業を実施するべきです。

 

 ごみ処理施設建設,学校統廃合による学校建設等,大型建設工事を多額の市債で賄っており,臨時財政対策債を除く市債発行額は前年度比124%増の約206億円です。これに伴い,基金からの繰入額も46%増加しており,大型公共事業が財政をひっ迫化させていることは明らかです。

 

一方,新型コロナウイルスや物価・燃油高騰による経済への影響が深刻化する中で,中小業者支援や市民負担軽減を図らなければ足元の経済が弱体化し,税収低下,財政悪化が懸念されます。21年度末の財政調整基金は約164億円が見込まれており,まずは市民の暮らし,福祉,医療を支える施策を最優先に予算を組み替えるべきです。

 

 当然のことながら,計上された予算の大部分は市民生活全般を支える有用なものであり,賛成ですが,さきに述べた諸点における政治的比重から反対を表明して討論といたします。

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