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加茂川上流域におけるPFOS・PFOAの検出について(2025年3月議会一般質問)

2025年3月議会の日本共産党・みよし剛史市議の一般質問です。

第一質問と答弁を掲載します。

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みよし剛史:環境行政について、加茂川上流域におけるPFOS・PFOAの検出について伺います。

 2022年6月から行われた国立保健医療科学院によるPFAS調査により、加茂川上流の深山川において指針値を大きく超えるPFOS・PFOAが検出されたことが明らかになりました。また、本市の調査で谷尻川においても検出されています。

 当面の対応として、井戸水を使用している可能性のある世帯に対して飲料水を配布していますが、今後、公費での水道管布設による水道水の提供が必要と考えます。ご所見をお示し下さい。また、農業用利水への影響と本市の対応についてお答えください。

 健康診断等による住民の健康状態の把握について、環境省による事務連絡では、特定健康診査等の既存統計の活用により、他地域の健康指標と比較する手法が挙げられていますが、血中のPFAS濃度との相関関係を明らかにする必要があると考えます。

 市が行う希望者への血液検査の目的、疫学調査としての血液検査と研究機関との連携の必要性についてお答え下さい。また継続的な健康状態の把握に係る費用は公費で負担すべきと考えますがご所見をお示し下さい。

 同事務連絡では、地域の健康把握の結果は「積極的に情報発信することが望まれる」としていますが、地域住民への情報公開についての方法・項目について考えをお示し下さい。

PFOS・PFOAを含むおそれのある廃棄物の処分について伺います。

 PFOS・PFOAは現在では化審法で規制されていますが、処分方法が規制されているPFOS・PFOAを含む廃棄物はごく一部であり、規制されていないPFOS・PFOA含むおそれのある廃棄物については把握する仕組みがありません。

 環境省の「PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」では、PFOS含有廃棄物は約850℃以上、PFOA含有廃棄物で約1,000℃以上での焼却等により、99.999%以上の分解効率での処理が原則とされ、仮にこの条件で処理する必要があるのであれば、規制と処分方法の確立が必要です。

 一般に規制外のPFOS・PFOAを含む廃棄物はどのように処分されている状況なのか、お答えください。

 加茂川上流域には複数の安定型最終処分場が存在しており、深山川や谷尻川のPFOS・PFOAが検出された地点はいずれも処分場の直下です。分解されにくく地下水に浸透しやすいPFASの性質上、特に遮水工や浸出水処理設備等を設置していない安定型最終処分場において、PFOS・PFOAを含む産業廃棄物が埋め立てられれば、地下への浸透や放出の可能性が生じます。加茂川上流域の安定型処分場ではPFAS対策が講じられているのか、現状をお答えください。

 この度の検出と周辺の条件を踏まえれば、最終処分場との因果関係は強いと言わざるを得ないと考えます。最終処分場の浸透水・周辺地下水・放流水の水質検査でPFAS調査を行い、公表するよう求めます。また、有識者による調査委員会を設置し、原因の特定調査を行うよう求めます。それぞれご所見をお示し下さい。

 人体に有害な影響を与えうる物質による水源の汚染を防ぎ、住民の健康を守るための手立てと根拠が必要です。PFOS・PFOAを含む有害な物質を排出し得る事業所の設置及び事業所からの排出に規制を設け、事業者に対して環境配慮を求めることができる水源保護条例の制定を求めます。ご所見をお示し下さい。

市長答弁

 次に、深山川で検出されたPFOS等についてであります。

 農業用水から検出された場合の農産物の影響に対する知見は国から示されていません。

 そのため、国に対し、速やかに知見を公表し、遅滞なく対策を検討するよう要望をしたところであります。

 次に、住民の健康状態の把握についてであります。

 現在の国の知見では、PFOS·PFOAの血中濃度と健康影響の相関関係は明らかになっていません。

 健康状態の調査については、公費負担により実施します。

 また、継続的な健康状態の把握や、地域住民への情報公開は、適切に実施します。

 次に、廃棄物については、PFASの含有が不明であり、通常の廃棄物として処理をされています。

 安定型最終処分場についても、廃棄物処理法においてPFASの規定はなく、法に基づき、適正に設置·管理をされています。

 PFASの調査については、今後、河川等の追加調査を行う中で影響範囲を特定し、排出源の特定調査を行うこととしています。

 また、必要に応じて、国や学識経験者などで構成する専門委員会の立ち上げについても検討していきます。

 なお、PFASについては、十分な知見が示されておらず、新たな条例の制定は考えていません。

上下水道事業管理者答弁

 上下水道事業についてお答えいたします。

 深山川周辺の水道整備についてであります。河川や井戸水等の検査結果を確認する中で、水道整備の必要性について検討することとしています。


再質問は、福山市議会の会議録や中継映像をご覧ください。

(議事録の更新は次回の定例会開催前になります。)

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/fukuyama/pg/index.html

https://fukuyama-city.stream.jfit.co.jp/

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