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PFASへの対応について(2025年12月議会一般質問)

2025年12月議会の日本共産党・みよし剛史市議の一般質問です。

第一質問と答弁を掲載します。

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みよし剛史環境行政について、PFASへの対応について伺います。

 11月28日に「PFAS問題を考える福山連絡会」より、加茂川上流域におけるPFAS汚染の原因究明のための要望書が2256人分の署名とともに提出されたことが報じられました。要望項目では、北山地区における産業廃棄物処分場の浸透水及び浸出水のPFAS検査、及び河川のモニタリング地点の拡充、公費によるPFASの血中濃度検査、出原浄水場までの地域における井戸水のPFAS検査、原因の特定と原因物質の除去、産廃処分場の設置を許可しないことが求められています。要望項目から見る住民の願いをどの様に理解しているか、市長の認識をお示しください。

 水道法で定められるPFOS・PFOAの水質基準は内閣府食品安全委員会が示した耐容一日摂取量(TDI)を根拠としていますが、同委員会による評価とりまとめ以降に明らかとなったエコチル調査では、母体の血中PFAS 濃度と子の染色体異常や脂質異常との相関が指摘されています。現状では人体への悪影響を否定するだけの知見は集積されていないと考えますが、認識をお答えください。

 血中濃度検査は自身の摂取状況を把握する「健康状態を知る権利」の保障であり、疫学調査の遅れている日本においては知見の集積の観点からも重要だと考えます。吉備中央町は独自の判断で血中PFAS 濃度検査を行い、健康影響評価のため有識者会合を設置する方針ですが、この判断の評価についてお示しください。加茂川流域周辺の住民に対して希望者には血中濃度を公費で検査すべきと考えますが、ご所見をお示しください。また、飲用井戸水等の再調査は必要ないと判断しているようですが、理由についてお答えください。

 「PFOS 及び PFOAに関する対応の手引き(第2版)」では、PFOS 及び PFOAの排出源となり得る施設として廃棄物処分場を挙げています。過去に廃棄物処分場における浸出水中PFASの調査が大阪府、兵庫県、千葉県、岩手県などで行われ、調査結果から一廃処分場より産廃処分場における浸出水から高濃度のPFASが検出される傾向にあることが判っています。PFASが廃棄物処分場で検出され、かつ産廃処分場では高濃度に検出される傾向にある理由について、本市の認識をご説明ください。

 福岡大学名誉教授の樋口壯太郎氏による産廃振興財団WEB JOURNALへの寄稿文によると、管理型の産廃処分場において生じたPFASは、浸出水処理施設や活性炭吸着設備の活用と、電気化学処理によってPFASを完全分解することが可能であるとしました。一方で安定型処分場においては浸出水処理施設がないため管理型と同様の分解方法は不可能であり、仮にPFASが規制された場合、遮水工設置の義務化、もしくは安定型の廃止を含めた議論が必要になると指摘しています。安定型処分場で埋立てられる安定5品目にPFASが合有・付着している事実、展開検査でPFAS の搬入を防ぐことは可能か否か、安定型処分場からPFASが流出している可能性について、それぞれ認識をお答えください。

 かねてから加茂川上流域におけるPFASの検出と北山地区に所在する安定型処分場との因果関係を指摘してきましたが、その可能性を否定できるものではないと考えます。ご所見をお示しください。

市長答弁

三好議員の御質問にお答えいたします。

始めに、PFASに関する要望については、河川のモニタリング調査において、指針値を超えるPFOS及びPFOAが検出される地点があるため、一日も早く不安を解消して欲しいとの思いから、提出されたものと思っています。

次に、人体への影響についてであります。

昨年度発表された母体のPFASばく露に関するエコチル調査の研究論文では、PFASの血中濃度と染色体異常との関連性をすぐに結論づけることはできないとされています。

また、脂質異常であっても疾病の発症やこどもの成長への影響を示すものではないとされています。

 

次に、血中濃度の検査についてであります。

本市が行った飲用井戸水等の水質検査結果は、暫定目標値を下回っており、環境省の見解に基づき、飲用しても健康に悪影響は生じません。

このことから、血中濃度検査に対して公費で負担する考えありません。

引き続き、保健師、管理栄養士が健康相談に応じ、住民の皆さんの健康不安の解消に取切組んでまいります。

なお、他自治体の対応については、実情に応じて適切に判断をされているものと思っています。

 

次に、飲用井戸水等の再調査については、国との協議により、これまでの河川のモニタリング調査結果で数値の増減はあるものの、季節変動の範囲内での変化とみること可能であること.「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き(第2版)」に沿って飲用による健康への影響を考慮した対応を既に行っていることから、現時点では再調査を行わないことにしています。

 

次に、廃棄物処分場からのPFOS及びPFOAの検出についてであります。

「対応の手引き」では、水環境中への排出源となり得る施設として、泡消火剤を保有する施設や、フッ素樹脂類などの製造施設、紙・ゴム・プラスチック関連施設等が考えられ、これらの製品を処理した実績のある廃棄物処理施設についても排出源になり得るとされています。

 

次に、安定型最終処分場におけるPFOS及びPFOAの搬入制限については、現行の廃棄物処理法に規定はありません。

国からは、「安定型最終処分場に搬入される廃棄物について、展開検査の有用性などの実態把握や知見の収集を進めていく。」と聞いています。

なお、他都市では安定型最終処分場からの流出が確認されていることは承知をしています。

 

次に、排出源については、本市の場合、周辺の飲用井戸水等で暫定目標値の超過がないため、「現時点では、排出源特定のための調査は必要ない。」との国の見解を得ています。

再質問は、福山市議会の会議録や中継映像をご覧ください。

(議事録の更新は次回の定例会開催前になります。)

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/fukuyama/pg/index.html

https://fukuyama-city.stream.jfit.co.jp/

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