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2016年6月議会一般質問(介護・保育労働者の処遇改善について)

介護・保育労働者の処遇改善について

河村市議(質問) 安倍政権は「1億総活躍社会」「介護離職ゼロ」の目標を打ち立てましたが、社会保障費の大改悪に伴い、掲げた目標と実態は乖離の一途をたどっています。

 介護・保育など福祉労働者の賃金は、全労働者平均より月額10万円も低く、深刻な人材不足です。しかも、この分野は次世代を担う若者がとても多い職種です。

 仕事にやりがいと誇りを持ちつつも、低賃金・過密労働で生活そのものが厳しく、子どもを生み育てる事すら困難です。

 労働に見合った賃金や労働環境を整備することは喫緊の課題です。

 日本共産党を含む、当時の野党5党は、3月2日「介護労働者等の処遇改善法案」、同月8日「保育士の給与を月額5万円引き上げる保育士処遇改善法案」を衆議院に共同提出しました。しかし、自公政権により、否決・審議拒否となりました。改善を求める福祉現場の多くの声を踏みにじるもので断じて許されません。

 昨年4月、介護報酬がマイナス改定となり、介護事業所の倒産件数は介護保険法が施行された2000年以降、史上最高となりました。   

 本市でも職員不足や経営悪化により休・廃止した事業所が発生していますが、2015年度の休・廃止件数についてお答えください。  

 ある施設の理事長は「年間3000万円の報酬減で大打撃。職員を募集しても人が全く集まらない、施設をフルオープン出来ない。深刻な問題だ」と話していました。またある特養の施設長は「ほとんどの施設で人材が不足。福山市の介護存続の危機だ」と訴えられます。

 国は、処遇改善加算を実施していますが、2015年度の厚労省の調査によると、処遇改善加算Ⅰを取得した事業所では平成26年度と27年度比較で月額1万3170円増となりました。しかし、全職種より10万円も低い給与水準で抜本的な解消に至っていません。

 また、介護基本報酬の引き下げにより、施設の経営はますます厳しさに拍車をかけています。

 人材不足の一番の原因である低賃金を抜本的に解消するため、介護報酬をせめて元に戻すこと、また処遇改善交付金の再創設を国に求めるべきですが、ご所見をお示し下さい。

 これまで市独自の処遇改善策の検討を要望しましたが、どのように検討されたのか、また介護労働者の確保について本市の取り組みについてお示し下さい。

答弁(市長)

 まず、介護労働者の処遇改善についてであります。
 2015年度(平成27年度)において、介護事業所からの休止届は29件、廃止届は37件提出されており、一方、新規開設は37件でありました。
 次に、介護報酬の水準及び処遇改善につきましては、国において、介護事業所の経営状況や物価変動を勘案し、サービスの実態に見合った基本報酬を定めた上で、介護従業者の処遇改善を図るために加算措置を講じているものであります。
 本市といたしましても、適切な介護報酬の設定が引き続き行われるよう、全国市長会を通じて国に要望しているところであります。

 なお、国が設定した介護報酬に加え、市独自で財政措置を講じることは、制度上、困難であります。
 また、介護人材の確保につきましては、国、県、市、関係団体が連携して、総合的に取り組むことが必要であると考えております。
今年度は、新たな取組として、広島県社会福祉協議会と福山市社会福祉協議会が主体となって、地域の関係団体等で構成する人材確保推進組織の立ち上げを予定されていることから、
本市もこれに参画し、地域が一丸となった介護人材の確保に取り組んでまいります。


保育士の処遇改善について

河村市議(質問)

 「保育園落ちた日本死ね」という匿名のブログを機に、保育所の待機児童問題や、深刻な保育士不足の問題が改めて注目を浴びています。

 東京都内の保育士を対象とした調査では、保育士の18%が退職を考え、その理由のトップは「給料が安い」でした。保育士の低賃金と劣悪な労働条件は、国の認可保育所の運営費を算出する際の人件費が安すぎる事が大きな原因です。

 国は2017年度からの、保育士の処遇改善を打ち出しました。その内容は、月額6000円の引き上げと、ベテラン保育士の賃金を4万円程度引き上げるというものですが、全産業の給与水準には到底及びません。

 保育士はハードワークの上、子どもの命と直結するリスクは高く、専門性が問われる仕事です。

 市内のある保育士は「勤務時間は休む間もなく保育をしている。休憩時間を削り事務作業。翌日の準備や記録は子どもが帰ってから行うため毎日残業」、また、別の保育士は「人間の土台をつくる大切な時期。保育士の仕事に誇りを感じるが、給料は安く長く働き続けられない」と話します。

 保育士を安定的に確保するため、処遇改善予算を抜本的に増額することを国に要望することを求めますが、ご所見をお示し下さい。

 他市では、処遇改善に向けた独自の取り組みが進んでいます。

 船橋市では、2016年度から私立保育園、認定こども園に勤務する保育士に対し、給与上乗せ補助として年額で最大36万5900円を支給します。

 浦安市では、国の地方創生交付金を活用して、保育士に対する就学資金貸付制度が実施されています。

 本市も「職員給与等改善費」により処遇改善の取り組みは行われていますが、さらなる増額や独自の助成制度の創設が必要ではないでしょうか、ご所見をお示し下さい。

 市内の公立保育所の保育士の雇用形態は、2014年度は正規職員397人、非正規職員464人であり、非正規化が進んでいます。子どもの権利を保障するには、公私立・認可無認可の区別なく、保育施設で暮らすすべての乳幼児に等しく最善の保育をしなければなりません。

 まずは、保育士は正規雇用とすることを求めますが、ご所見をお示し下さい。

答弁(市長) 次に、保育士の処遇改善についてであります。

 保育士の処遇改善につきましては、2013年度(平成25年度)から国において継続し、取り組まれていろところです。

 しかしながら、その貸金水準は、全産業と比較して低く、今月、閣議決定された「ニッポン1億総活躍プラン」に、更なる処遇改善策が位置づけられたところであります。

 本市としては、これまでも独自の処遇改善に取り組んできたところでありますが、引き続き、
こうした国の動向にも注視してまいります。

 なお、公立保育所の職員の採用につきましては、中長期的視点に立って、計画的に実施してまいります。

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