福山駅北口広場再整備、市民の声にこたえよ(2020年3月代表質問)
福山市は、市所有の福山駅北口広場を駅南側のJRの土地と交換し、北口広場にJRが6階建てのホテルなどを建設する計画を進めています。
福山城の景観や防災上の役割を阻害し、送迎場やバス乗降場がなくなることに懸念の声があがり、3471筆の反対署名が議会に提出されました。
計画を再考し、現状の空間を保持するよう求めました。
↑この目の前に6階建ての建造物が立つ計画です。
第一質問と答弁をお知らせします。
7、福山城周辺の景観保全と駅北口の整備について
質問: 福山市は、駅北口の土地とJRが所有する駅南口の土地を交換する予定です。JR 西日本は、この北口広場にホテルや商業誌施を建てようとしています。
我が党は、この計画は、貴重な駅北の空間を失うとともに、お城への眺望を阻害し、景観が台無しになると反対を表明してきました。
2月10日、「福山駅北口広場を守る会」が、計画を再考するよう議会請願を提出されました。その内容は、
1、現在福山市が所有している福山駅北口広場を等価交換の名のもとにJRに所有権を移さないこと
2、北口広場の土地を福山市所有のままとし、防災上の観点からも、福山城の景観を守る観点からも、建造物は作らず、広場のままとしていただきたい。
3、現在、市民が無料で利用している送迎場所、及び観光バスなどの乗降場を残していただきたい。
4、市民の憩いの場である福山城の東側、緑地公園を現状のまま保存していただきたい。
の4項目であります。
この請願には、3471人の署名が付されております。
市長はこの署名をどのように受け止めたのか、ご所見をお示しください。
福山市デザイン会議に示された北口広場の整備計画は、形状や使用を工夫することで圧迫感を低減するとしています。また、建物西側部分を切り欠き、視野を確保するとしています。
しかし、実際に幅員約12mの道路のみを残して、高さ約23mの建築物が建てば、現在、石垣の稜線や、伏見櫓、月見櫓、天守閣が見える空間は消滅し、両側にビルが迫るという、窮屈な状態となってしまいます。
少しばかりの切り欠きでは、ほとんど効果は望めません。
空間や景観は、市民、国民共通の財産であります。
お城を片隅に追いやり路地裏のようになる駅北口に、どのような魅力があるというのでしょうか。
次に、駅駐車場の計画について、短時間降車向けに、5台の玉突き型降車バスを設けるとのことですが、現在20台近い車が常に待機している状態です。
混雑時には、上階層を利用するとありますが、送迎のための待機に、わざわざ駐車場を利用することは煩雑であり、違法駐車の解消にもならず、今後、周辺道路にも車が待機し、渋滞が起こることが懸念されます。
また、お城の石垣の東側緑地帯に観光バス等の乗降場を作るとのことですが、お城の景観を阻害し、ゆとりある空間が失われます。また、バスへの送迎の車が少なくなるとは考えられず、利用客にとっては、歩く距離が長くなるなど、利便性が後退します。
計画が実行されれば、お城東側の空間は道路部分のみという狭いものとなり、そこに車、バス、人がひしめき合う状態となることが懸念され、決して居心地の良い空間とはなりえません。
市長は、お城についても観光資源として活用するとのことですが、景観が阻害された状態では、人を呼べる観光資源とはなりえません。
いったん、この計画は撤回して、観光客や文化人、都市防災建築家などの専門家の意見も聴取されてはいかでしょうか。
駅北口は、原則として、現状の空間を保持して再整備することを求めるものです。
以上それぞれについてのご所見をお示しください。
答弁:次に、福山駅北口広場の整備についてであります。
先日提出された請願は、駅北口広場を現状のまま保存することを求めるものと受け止めています。
しかしながら、駅北口広場の現状は、施設が老朽化し、玄関口としての魅力の低下や、交通問題が顕在化しています。この度の整備は、交通問題など様々な課題の解消を図ると共に、魅力あふれる備後圏域の玄関口となるよう行うものです。
引き続き、市民の皆様に理解していただけるよう、市民説明会を開催するなど、丁寧な説明に努めてまいります。
次に、福山城の景観保全についてであります。
現在の駅北口広場は、様々な交通上の課題を抱えており、施設の老朽化と相まって、機能としても、景観としても、魅力ある玄関口であるとは考えていません。
そのため、都市計画や建築、経済界や歴史の専門家などで構成する福山駅前デザイン会議や福山市都市再生協議会で意見を伺う中で、昨年度末、「福山駅北口広場整備基本方針」を取りまとめました。
これを撤回する考えはありません。引き続き、多くの市民の皆様に受け入れられる駅北口の新しい景観を、つくりあげていきます。