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水は命。水道は市直営を貫け(2020年3月代表質問)

 広島県は、県内市町の水道事業を一元化し、広域化する計画をすすめようとしています。

 水道の広域化は、水源の廃止にもつながりますが、災害が相次ぐいま、身近な水源の確保、地域分散型の水道こそ重要です。

 また、県の計画では、広域連携すれば各市町の議会で論議することはできなくなり、水道の安全性や水道料金について市民の意見を反映することができにくくなります。

 福山市の水道事業は黒字で、連携した方が水道料金も高くなると試算されています。

 市直営を貫き、広域連携に参加しないよう求めました。

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第一質問と答弁をお知らせします。

6、水道広域連携の問題について

質問:広島県企業局は、平成30年4月から、広島県水道広域協議会を設置して、市町と議論を重ね、今年1月、「広島県における水道広域連携の進め方について」広域連携協議会の取りまとめを公表しました。

 その概要は、県内水道事業の経営組織を一元化して、全体最適を図りながら事業運営ができる「統合」が望ましいとの考えであります。

 広域連携協議会の設置は、「水道事業民営化法」とも言われた2018年の水道法改定によるものであり、わが党は、福山市が協議会に参加することについて、反対を表明してきました。

 水道事業は憲法が保障する生存権を具現化するものとして、「公共の福祉の増進」が目的とされてきました。しかし、過剰な水需要を見込んだダム建設など過大な投資が、事業の経営を大きく圧迫し、必要な老朽管の更新や耐震化も進まない実態が広がりました。

 また、行財政改革と称しての人員削減が、技術者などの不足も引き起しています。水道法の改定は、こうした深刻な現状を解決するどころか、清浄、豊富、低廉な水の供給を図り、生活環境の改善に寄与すると定めた水道法1条の目的を損なう危険が極めて高い内容です。

 世界では水道民営化の失敗から再公営化の動きが加速しています。

 直近の2000年からの15年間を見ると、水道事業を再公営化した水道事業は、37か国、235事業にものぼります。英国でも、現在では、水道再公営化の方針が国民に支持され、PFI法による新規事業は行わないことを決めています。

 政府は、水道施設の所有は自治体であり、厚生労働相が実施方針や契約を確認するため、監視は可能だとしていますが、海外の事例では、水道料金が数倍に跳ね上がったこと、「企業秘密」が情報公開の壁となり、利益や株主配当など経営の詳細を公的機関がつかめなかったことも民営化破たんの要因となっています。

 すでに、多大なリスクが生じることが、諸外国の潮流からもうかがわれる中、広域化や民営化は断じて行うべきではありません。

 

 福山市は広島県水道広域協議会に参加する際、「協議をするだけであり、広域化に参加ありきではない」旨を表明しました。

 この協議会の中で、福山市はどのような論議をしたのか、また、今後の、福山市水道事業についての運営方針をどうするのかお示しください。

 水道広域化は、水源の廃止につながる危険があります。

 広島県の広域化計画では、県内を5つのエリアに分け、エリアごとに40年後の必要水量を見据え、施設を再編整備・水源を集約するとともに、配水池や管路の休廃止、又はダウンサイジングの方向を打ち出しています。

 福山市は、福山市・府中市の2市、世羅町、神石高原町の2町で構成する芦田川エリアに属しています。そして、エリア内の施設の最適化として、福山市内の水源集約と共に、世羅町においては2浄水場の休廃止、神石高原町においては9浄水場の休廃止の取り組み方向が示されています。

 大災害時代を迎えたと言われる今日、身近な水源の確保、地域分散型水道の構築こそ、重要です。現在の水道が抱える問題の解決には、貴重な財産である水道インフラは、市町村主体で健全な運営が可能となる道こそ目指すべきであります。

 使途を限定した補助金の交付で統廃合を誘導するのではなく、人員確保、老朽施設の更新に必要な財政支援こそ、国に求めるべきであります。

 国や県に対し、老朽施設の更新補助金の増額を強く求め、福山市が、「身近な水源を住民参加で守っていくこと」「災害に対応できる安全な水道事業の発展のために責任を果たす」ことができるよう、強く求めるべきであります。

 

 県は、広域連携へ枠組みについては、県全域を範囲とし、経営組織を一元化する「統合」が適当とし、市町、県で企業団を設立し、国交付金の活用による施設の最適化が概ね完了する10年後に1事業に統合するとともに会計一本化、料金統一を図る方向を示しています。

 現在、福山市水道事業は、一部の業務は民間に委託していますが、重要な部門については直営を貫いています。

 経営も黒字であり、一定の人員確保が出来ていることを踏まえ、直営を貫くべきであります。将来に禍根を残す広域連携への参加をしないことを強く求めます。

 

 次に、広島県は、広域連携は、一部事務組合の方法によるとしています。一部事務組合が成立すれば、共同処理するものとされた事務は、組合を構成する地方公共団体の権能から除外されます。

 したがって、福山市議会の審査の対象とならず、一部事務組合議会の議員は、参加自治体議会の代表のみとなり、水道の安全性や水道料金に対する市民意見の反映もできにくくなくます。

 この様な重大な問題については、まず、局内、庁内、及び議会での慎重審議を行うことを強く求めるものであります。

 以上それぞれについて、ご所見をお示しください。

答弁:上下水道事業についてお答えいたします。水道事業の広域連携についてであります。まず、これまでの議論の状況についてであります。

 2018年(平成30年)4月から、本市を含む県内21市町と広島県で構成する「広島県水道広域連携協議会」において、検討を進めてきたところであります。

 これまで、協議会の中では、経済性や効率性だけではなく、市民サービスの維持・向上の視点から本市の意見を申し述べて参りました。県が本年1月にとりまとめた「広島県における水道広域連携の進め方について」は、事業統合が望ましいとした上で、今後、市町で検討・議論をしていくために、あくまでも県の考え方を示したものであります。

 この案については、現時点において、水道料金の格差をはじめ、様々な課題が残されていると考えています。

 本市といたしましては、基本的には、広域的に連携することは、経営基盤の強化のために重要であると考えており、将来にわたり、市民の皆さまに、安心・安全な水を安定的に供給し続けられるよう、より一層の経営健全化に努めて参ります。

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