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国保税引き下げの請願が否決に―日本共産党以外のオール与党が反対(2021年3月議会報告)

 国民健康保険税の引き下げを求めて、市民から議会に提出された請願が、日本共産党以外の議員の反対によって否決されました。

 福山市社会保障推進協議会が877筆の署名を提出し、「高すぎる国保税を基金などを活用して引き下げを」と求めたものです。

基金・剰余金19億円を国保税引き下げに活用せよ

 請願に反対した他会派の議員は、その理由を「基金は今後の安定的な財政運営の観点から(中略)慎重に活用すべき」「2024年度には県が示す保険税額としなければならず、保険税を必要以上に引き下げれば、翌年度以降の保険税の急激な上昇を招きかねない」などと述べました。

 「安定的な財政運営」とは市当局もよく言う台詞ですが、福山市の国保会計は毎年黒字で、非常に安定的な財政運営を続けています。

 今年度は決算剰余金が6億8千万円となる見込みで、基金12億7千万円とあわせると19億円を超えます。

 市は新年度予算案で、国保税を引き下げるために基金や剰余金を1円も使っていません。

 剰余金から6億2千万円余を活用するだけでも、国保税を一人あたり1万円引き下げることができます。

市民の負担軽減こそ議員の役割

 コロナ禍で苦しむ市民の経済状況をかんがみれば、議員は市民の切実な願いに応え、国保税の引き下げを市に求めるべきです。

 また、県の国保会計でも46億6千万円もの剰余金が発生しており、これらを活用させて「県が示す保険税額」が上昇しないよう求めることこそ必要です。

 だれもが払える国保税で必要な医療が提供される制度を実現するため、日本共産党は引き続き、みなさんと力をあわせて取り組みます。 

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 市内の国保加入世帯6万9450世帯のうち7740世帯が、国保税を払えず滞納しています(2020年5月時点)。

 国保税を1年以上滞納すると、特別な理由がない限り、保険証を取り上げられ「資格証明書」が交付され、医療費の窓口負担が10割となります。

 全日本民医連の調査では、「資格証明書」の人が医療費が払えないために受診できず、手遅れとなって命を落とす事例も報告されています。 民医連の広報・調査資料

 請願は、この「資格証明書」の発行をやめることも要望されていましたが、請願に反対した他会派の議員は「負担能力があるにもかかわらず納税に誠意が見られない世帯に交付されていると聞いている」と述べました。

 しかし、2019年度に資格証明書を発行された549世帯のうち、最も多い所得段階は100万円超200万円以下の世帯で149世帯に上ります(未申告292世帯を除く)。

 上記のモデル世帯も、この所得段階に当てはまります(所得でいえば157万円)。

 収入の1割以上もとられ、さらに所得税や住民税、年金保険料、消費税、自動車税などなどかかるのですから、払いたくても払えない状況になるのではないでしょうか。

 命と健康にかかわる問題であり、医療を受ける機会を制限する保険証の取り上げはやめるべきです。

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