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水道料金の引上げについて(2025年12月議会一般質問)

2025年12月議会の日本共産党・みよし剛史市議の一般質問です。

第一質問と答弁を掲載します。

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みよし剛史:上下水道事業について、水道料金の引上げについて伺います。

 上下水道局は水道料金の検討を第5次福山市上下水道事業経営審議会に諮問し、同審議会は当局が示した約18%の引き上げ案が妥当であるとしました。第5回審議会では引き上げ率と第2次審議会答申に基づいた4つの料金表が示されました。

 そのうちの1案は日本水道協会の算定要領に基づき逓増度を現行の2.55から0.64へと大幅に緩和するもの、残りの3案は激変緩和のために逓増度を1.90~1.97の間で調整したもので、当局は4案のうち最も逓増度が高い1.97の案が適当であるとの考えを示しました。

 資産維持費を算入した5年間の総括原価は現行から63.6億円も引き上がりますが、その負担を逓増度を緩和した料金体系で徴収すれば、大部分は一般家庭の使用料金で賄うことになるのは明らかです。

 一般家庭が大部分を占める口径13㎜及び20㎜の給水収入について、現行から逓増度1.97案に改定した場合の影響額と、その際の給水収入総額に占める割合の変化について、推計をお示しください。

 日本の水道文化は憲法で定める生存権の実現のために制定された水道法を背景に形成されており、水道にかかる負担の在り方は最低限度の暮らしの水準との関係で検討することが求められます。

 審議会委員からも、生活困窮者や生活保護受給者への福祉減免の検討を求める意見が出ているところですが、デフレ時からほとんど見直されていない現行の生活保護基準をどのように評価し、水道料金の負担と生存権との関係をどのように整理されているか、料金引上げに際しての福祉減免の必要性についてそれぞれお答えください。

 直近の物価動向における実質賃金指数は2020年比で16.7%も低下しているところであり、すべての市民生活、あらゆる事業にかかる水道料金の負担が暮らしや営業を圧迫するものになってはならないと考えます。

 口径ごとの負担割合の妥当性については、市民の所得の状況や、市内中小企業等の経費における水道料金の割合などは鑑みられていませんが、理由についてお答えください。また、生活用、業務用、工場用など利用目的別の料金体系の必要性について認識をお答えください。

 公営企業法における水道事業は、独立採算制による事業運営が求められるものの、生活に必要不可欠なインフラであることから地方公共団体の一般会計からの繰入も行われていますが、課題となっている管路更新・耐震化にかかる費用などは十分に財政支援されていません。

 2020年度以降の5年間における事業収益総額に対する一般会計繰入金の割合は1.15%、建設改良費に対する補助金と一般会計繰入金の割合は8.6%とわずかです。一方で下水道事業においては、それぞれ30%と42%で大きな格差が生じています。

 下水道事業における財政推計では、今後10年間は資金残高が下水道使用料収入の6か月分を確保できる見通しで、使用料の引き上げは必要ないと判断されていますが、同じ水道にかかるインフラを担う公営企業でありながらこれほど公的負担に格差が生じていることは適切であるのか、現在迫られている水道料金の引き上げは、公的負担の割合が低すぎるためではないのか、それぞれ事業管理者の認識をお答えください。

 水道インフラの耐震化についても浸水対策と同様、市民の命を守り、福祉向上に資する施策であり、耐震化にかかる費用については一般会計から財政支援を大幅に行うべきと考えますが、市長の認識をお答えください。

 一般会計からの繰入基準を今後の管路の耐震化や施設更新に対しても適切に対応できるよう見直し、施設整備にかかる国庫補助の抜本的な引き上げを、国に強く要望することを求めます。ご所見をお示しください。

上下水道事業管理者答弁

上下水道事業についてお答えいたします。

始めに、水道料金を改定した場合の影響についてであります。

これまで、5回の会議を重ねてきた経営審議会では、現在、小口径・少量使用者に最も配慮した、逓増度1.97の料金表(案)を基本に、議論が進められています。

この案で改定した場合の影響額は、料金算定期間の5年間で約64億円、そのうち、口径13ミリメートルでは、約20億円、口径20ミリメートルでは、約23億円になると見込んでいます。

その際の料金収入総額に占める割合については、口径13ミリメートルでは、約32パーセント、口径20ミリメートルでは、約36パーセントで、現行と変わりありません。

 

次に、水道料金の負担の考え方についてであります。

国が推奨する料金体系では、「従量料金」を、単一とすることが望ましいとされていますが、現在、本市が採用している使用水量に応じて5段階で単価を設定した「通増型従量料金制」を継続していくことで、生活用への配慮を行ってまいります。

なお、生活保護は法定受託事務であり、国において適正に基準の見直しが行われていると考えています。

また、水道料金等の光熱水費については、生活扶助基準の算定に含まれていることから、減免制度の創設については、考えていません。

 

次に、用途別から口径別料金体系への移行についてであります。

現在、本市が採用している「用途別料金体系」では、一般家庭などの小口使用者と工場などの大口使用者の基本料金が同額となっており、負担の公平性の観点から課題があると国等からも示されています。

そのため、これまでの答申も踏まえ、適正な水道料金への見直しに当たっては、使用水量が概ねメーター等の口径に比例する点に着目し、負担の公平性と料金体系の明確性が確保され、多くの事業体が採用している「口径別料金体系」への移行を考えています。

 

次に、上下水道事業に対する一般会計からの繰入れについては、総務省の地方公営企業操出基準などに基づき、行っています。

なお、下水道事業では、「雨水公費・汚水私費」の原則に基づき、浸水対策等の雨水に係る必要な経費について、一般会計からの繰入れを行っていることから、水道事業と比べて、その割合が大きくなっています。

次に、国への要望についてであります。

国庫補助金は、施設の更新·耐震化に対する貴重な財源であり、本年10月にも、国に対して、財政支援の拡充を要望しています。

以上

再質問は、福山市議会の会議録や中継映像をご覧ください。

(議事録の更新は次回の定例会開催前になります。)

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/fukuyama/pg/index.html

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