08/6/21 市議会代表質問ダイジェスト(1)
市議会本会議(18日)における高木たけし議員の代表質問と、それに対する羽田皓市長の答弁要旨をテーマ別に紹介します。
高木議員「鞆港埋め立て架橋計画は中止・撤回を」
羽田市長「後世に誇れるような建造物となるよう整備を図る」-----
(高木議員)市長は、5月27日に行われた鞆の浦ロータリークラブの例会で、架橋計画について「鞆と言えば橋と言えるくらいにしたい」「景観を壊すと言われた京都タワーもランドマークになった」と講演。埋め立て架橋が「ランドマーク」になるとの市長発言は、鞆の歴史的・文化的な価値に対する見識が問われるのではないか。
(羽田市長)景観については、背後の町並みなど周辺景観との調和に最大限配慮しつつ、後世に誇れるような建造物となるよう整備を図るものであり、鞆町が有する歴史的・文化的な価値を認識しているからこそのものである。
(高木議員)工事の影響が最も大きい江之浦元町一町内会に、市長は一度も足を運んで住民の意見を聞いてない。自ら足を運び、意見を聞くことを求める。
(羽田市長)一昨年前の意見交換会や出願前の事業説明会には私も自ら出席し、住民の皆さんに鞆への思いを述べ、この事業の必要性を訴えた。一部住民の方に理解いただけなかったことは残念に思うが、この計画は、五十年後、百年後、住民の皆さんが安心して暮らせ、多くの観光者が住民と触れ合いながら観光を満喫できるような、鞆町の将来を描いてのものであり、大多数の住民の悲願だ。
高木議員「福山道路など大型道路計画は中止を」
羽田市長「福山道路等の見直しは考えていない」-----
(高木議員)3月に、瀬戸町住民に対し、国交省河川国道事務所設計第2課長は、「四月からは緊急的な事業以外の事業はストップする」と述べたと聞いている。来年度からの「道路特定財源の一般財源化」閣議決定が背景にあるのでは。住民の多くが反対している大型道路建設は中止を。
(羽田市長)道路特定財源の一般財源化に伴う、道路計画の見直しについては、一般財源化が実施されても、真に必要な道路整備は維持される方針と伺っており、福山道路等の見直しは考えていない。
高木議員「福山城遺構の歴史的価値についての認識は」
羽田市長「築城当時の規模が判明すると共に、明治期以降、その時代の町づくりに応じた土地の利活用の変遷がわかる遺構」-----
(高木議員)昨年十二月の文化庁と県教委、市教委の協議内容を県が全面開示。それよると、文化庁は、「国指定追加も視野に入れている」と指摘している。福山城遺構の歴史的価値について、市長の認識は。
(羽田市長)舟入の南側と西側の石垣は当時の姿をほぼとどめていたが、北側の石垣は、明治期以降の構築である。東側の石垣も、基礎石から高さ1m付近までは築城当時の姿を残しているが、上部は明治期以降に積み替えられていた。御水門には、水面までの間に、船着場であった石段の一部が残っていたが、二重櫓跡では、建物遺構は検出されていない。外堀、舟入、御水門、二重櫓がいずれもほぼ古絵図どおりの位置に検出され、築城当時の規模が判明すると共に、明治期以降、その時代の町づくりに応じた土地の利活用の変遷がわかる遺構と考えている。
(高木議員)文化庁は、「文化財関係者抜きで話が進められてとは考えられない」と指摘。計画を白紙撤回し、市民や有識者なども含めた(仮称)「駅前整備計画策定委員会」を新たに設置することを求める。
(羽田市長)有識者や交通事業者、市民代表等からなる福山駅周辺整備推進協議会を設置し、意見を伺う中で、基本方針を策定し、取り組んでいる。遺構の保存・活用方法は、交通結節点として駅前広場に必要なターミナル機能を確保した上、福山城の歴史がしのばれるものとなるよう、可能な限り現状のまま見える形で残していく。