2008/06/27 福山城遺構保存、駅前整備計画で全員協議会
6月23日、「福山駅前整備」についての経過説明をするとして、議員全員協議会が招集されました。
羽田市長が出席のもと、市当局が、福山駅周辺整備計画の経過説明をし、これまで市民団体と4回の協議を行い5回目の協議をする意向を示しました。
質疑のなかで、市当局は、市民団体が提案している計画案については、実現は難しい旨の意見を述べ、市の計画が最良で見直しは考えていないと述べました。
川崎卓志議員 「各会派の意見表明を」と突然提案
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その後も質疑が続き、他に質問を求め挙手する議員がいるなか、突然、市民連合の川崎卓志議員が、「それぞれの会派の意見を表明してもらったらどうか」と発言。そこで協議会は一時休憩となりました。
オール与党 「市の計画促進」を主張
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再開後、質疑が続行された後、それぞれの会派からの意見表明がおこなわれました。日本共産党と無所属議員以外の各会派は、市の駅前整備計画の支持・早期実現を求める旨の意見を表明。
日本共産党 「市民の意見をよく聞き、計画は白紙にもどし、市民・学識経験者参加で計画策定を」
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日本共産党市議団は村井あけみ団長が、福山駅前整備は、市民団体から10万筆の署名が提出されており、駅前整備は、市民の意見を尊重し、福山城石垣を保存・活用した整備とすることを求めました。
また、昨年の12月11日、文化庁と福山市教委、広島県教委で協議が行わた際、文化庁が、福山城遺構の保存に関し、福山市のこれまでのやり方を厳しく批判し、遺構の保存、駅前広場整備計画の再考を求めた事実を指摘。
市長は「可能な限り残す」と述べているが、市の計画は、文化庁が指摘する城跡遺構の歴史的価値にふさわしい保存方法ではない、と批判しました。
そのうえで、「文化庁や専門家の意見を考慮して、計画の練り直しを求める」と主張しました。
市民世論を無視し、市とオール与党がなれあい
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このたびの流れを見たとき、市民団体との協議を脇に置き、現在の駅前整備計画を促進していく場に全員協議会をしたいという、市とオール与党の思惑が見えてきます。
「全員協議会」は、地方自治法の定めによらない法的根拠の無い会議であり、公式な議事録も残らず、ましてや議会としての意思を決定するような場ではありません。
定例市議会開会中に、法的根拠の無い全員協議会で、「各会派の意見表明」を求め、オール与党が「市の計画推進」を市長出席の場で表明し、事実上、議会が市の計画を容認したかのような形式を整えようとするやり方は、市民不在の姑息なやり方です。
遺構保存・計画の見直しを求める市民の世論が高まるなか、それを無視して計画促進をはかろうとする市とオール与党の馴れ合い政治は、断じて許せません。