2008/6/8 行財政改革は住民サービスを守り改善することを目的・基本に
5日、行財政改革特別委員会が開催され、村井あけみ議員が、質疑を行いました。
福山市の「行財政改革」は、1998年に「市行財政改革推進本部」が設置され、現在、「第三次市行財政改革大綱」(2006年)にもとづき、2006年から2010年の「集中改革プラン」が実施されています。委員会では、市行財政改革推進本部から、「プランの成果(2007年度・2008年度当初)」が報告されました。
〝顧客主義の徹底〟― 地方自治体本来の姿を変質させるもの
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「集中改革プラン」は、その第一に、「顧客主義の徹底」が掲げられ、「市民が顧客であるという視点で、職場の使命をとらえ」としています。
村井議員は、市民は主権者であり、地方自治体は「住民の福祉の増進を図る」ことこそ第一の仕事であるとし、「顧客主義」という概念は、地方自治体本来の姿を変質させるもの、とただしました。
市当局は、「市民は主権者であり、顧客主義とは、市民サービスのにたった考え方」と答弁しました。村井議員は、「顧客主義」という概念の見直しを強く求めました。
個人住宅への耐震改修補助制度を
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「安心・安全の建築指導相談の推進」の項目について、市は「個人住宅の耐震相談」の実績を示したのに対し、村井議員は、耐震診断への助成とともに、個人住宅への耐震改修助成制度こそ最も効果を上げるものであり、市民から望まれているとし、市独自の制度創設を求めました。
学校給食は正規職員で。
全小学校へのスクールカウンセラー配置を
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職員の「定員管理」の項目で、村井議員は、学校教育部門の職員配置について質問しました。
市は、学校給食業務の正規職員を減らし、臨時職員を増やしてきました。「正規職員:臨時職員」の比率は、2007年度は78:22、2008年度は71:29となっています。
村井議員は、学校給食業務の現場はきわめて多忙・激務となっており、食の安全、労働条件の改善の観点から、原則として正規職員を配置するよう求めました。
また、学校栄養職員の配置について、「県費を活用できるため、市がやる気さえあればすぐにできる。全小学校への配置を」とせまりました。現在、栄養職員は市内8校にのみ配置されています。
学校栄養職員は、栄養管理、学校給食指導、衛生管理、学校給食の安全と食事内容の向上、物資管理、調査研究などを行う専門職員です。
村井議員は、保護者からの要望も強いスクールカウンセラーを全小学校に配置するよう求めました。また、福山市では、日本共産党市議団も長年要求してきた「800人以上の大規模小学校への養護教諭の複数配置」は完了しましたが、現在の子どもたちの現状に対応して、それ以下の小学校へも複数配置をするよう要望しました。
各種審議会への「解同」代表の特権的選任やめよ
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「審議会等の会議の活性化・透明性の確保」の項について、村井議員は、各種審議会委員にかねてから部落解放同盟の代表が特権的に選任されてきたことに対し、市が同和行政を基本的に終結させた現在、日本共産党市議団は、これを是正するよう求めてきたが、現状はどうなっているか、とただしました。
市当局は、「資料を持ち合わせていない」として回答しませんでしたが、村井議員の再度の質問に対し、現在、3審議会に「解同」代表が選任されていると答えました。
市職員が、住民サービス向上に努めることのできる
環境と労働条件の改善を
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「人事評価制度」について、村井議員は、部署により果たす役割は多様であり、その成果は短期間に現れるものばかりではないと指摘し、一律な業績評価は、職員の目が自分の評価向上に奪ばわれる懸念があり、本来あるべき自治体職員の育成にはつながらない、とただしました。
そのうえで、自治体職員が、全体の奉仕者の自覚のもとに、住民サービス向上に努めることのできる環境と、労働条件の改善を求めました。
行財政改革における日本共産党市議団の立場
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この間、国は、地方自治体に対する福祉・教育のための国庫補助負担金を縮小・廃止し、地方交付税を削減し、住民サービスの大幅な切り下げを押し付けてきました。
行財政の効率的な運営は、地方自治体が国民・住民の税金を財源としている以上、当然のことです。しかし、そのために、「住民の福祉の増進を図る」という自治体本来の使命を放棄するのでは本末転倒です。行政の「効率的運営」と「住民サービスの充実」を両立させてこそ、ほんとうの行政改革です。
日本共産党市議団は、国に対し、住民サービスにかかわる補助金や地方交付税の削減をやめることを強く求めます。
そのうえで、自治体行政の効率化は、住民サービスを守り改善することを目的・基本にすすめることを求めます。職員の知恵と提案を生かし、事務と組織のあり方や職員配置をふくめ、むだを省き、住民サービス部門の充実をはかることを要求します。