2009/2/21 鞆港埋め立て免許の差し止め訴訟が結審。「申請取り下げて」
鞆港埋め立て免許の差し止め訴訟が12日、広島地裁で結審しました。能勢顕男裁判長は判決の期日について、「資料の検討に時間がかかるので、1カ月くらい前に伝える」と述べました。
原告の1人で「鞆まちづくり工房」の松居秀子代表は、「2007年4月に提訴して、原告12人が鞆の浦を愛し、慈しみ、暮らしてきた姿を、それぞれ十分に陳述し、涙が出る思いがした。世界からも多くの支援をいただける鞆に住んでいることを誇りに思う」と最終意見陳述。金子一義国交相が広島県と福山市にたいして「国民同意が必要」との見解を示したことに触れ、「この発言を真摯に受け止め、速やかに申請を取り下げることを願う」と求めました。
結審後の報告集会で原告団の大井幹雄団長は「完全に潮目が変わってきた。鞆の浦は危機にひんして残される奇跡を何度も味わってきたが、その一つが今度の判決で出るような気がする」と表明しました。
日本イコモス国内委員会の前野まさる委員長は「計画推進派から日本イコモスに公開質問状が届いたので、十分な検討を加えて公開返答書を返した。その際、協議の場を設けるように申し入れたが何も返事がない」と報告しました。