2009/2/7 「妊婦健診は14回無料に」。日本共産党市議団が羽田市長に緊急要望しました。
日本共産党市議団は4日、妊婦健診助成制度を拡充するよう羽田皓市長にたいし申し入れ書を提出しました。
妊娠・出産のリスクを軽減する上で、妊婦の健康診査がたいへん重要です。ところが、今日の経済・社会情勢により格差と貧困が広がり、妊娠した女性が経済的負担を理由に健康診査が受けられないケースが増えています。母子ともに命にかかわる大深刻な問題です。昨年の新日本婦人の会のアンケート調査では、妊婦健診を受診しなかった理由のトップが「経済的に大変」で57.3%、健診費用総額は平均147,110円との結果です。
申し入れ書は、広島県が妊婦健診の助成を拡充する県条例案を二月議会に提出する意向を表明したことをうけ、福山市として県条例制定後、すみやかに市の制度拡充を行うよう求めています。
県 助成拡充方針
広島県は、妊婦健康診査の助成について、国から受ける予定の交付税を充てて基金を作り、拡大を図る方向を打ち出しました。県の拡充案では、市町が5回を超して助成を実施する場合、6回目から14回目までの9回について、その費用の2分の1を県の基金から助成するとしています。県は、基金を設置するための条例案を2月県議会に提出し、成立後ただちに事業を始める意向です。
検診14回無料を
福山市の制度では現在、妊婦健診5回まで無料としています。日本共産党市議団はこれまでも、「最低14回は無料で健康診査ができるようにするべき」と提案してきました。羽田市長にたいする申し入れ書では、「県の条例制定を受け、速やかに無料妊婦健康診査を14回に拡充を」と求めています。
村井あけみ団長は、「国の予算措置は2年間ですが、実施して引き続き継続できるように」と求めました。
妊婦健診の大切なわけ
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毎回行う基本検査
○体重測定。
○血圧測定=妊娠高血圧症候群の検査。
○尿検査=尿たんぱくは腎機能のトラブルサイン。尿糖は糖尿病が疑われる症状。
○浮腫の検査=浮腫・むくみがあると腎臓への負担が大きくなり、妊娠後期以降にむくみがひどい場合は、妊娠高血圧症候群も疑われます。
○子宮底長測定=赤ちゃんの発育ぐあいや羊水の量を診断する目安。
○腹囲測定=急激に大きくなったり、ほとんど大きくならないときには超音波検査などを。
○おなかの触診=赤ちゃんの向きや頭の位置、子宮の大きさや張りぐあい、骨盤の位置などを調べます。
○内診=妊娠初期での主な目的は、子宮の形や大きさ、膣内や子宮口付近の炎症、感染症のチェック。中期以降では子宮口が閉じているか、早産の兆候はないか、出産予定日が近くなれば、子宮口のかたさや開き方で出産への準備状態をみます。
○超音波検査=妊娠全期間のサイズ計測による発育状態の把握のほか、妊娠初期では心拍の確認、子宮筋腫や〝卵巣のう腫〟などの合併がないかチェック。中期以降は胎盤や羊水量の異常、早産の兆候の発見。
初期・中期・後期に1回
○血液検査。血液型、貧血、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV、ALT(成人T細胞白血病)、風疹、トキソプラズマ症(ペットなどから感染)、血糖値、血液凝固(出産時の出血に備え、血小板の数や機能を検査)
後期に1回
○GBS。B群溶連菌は出産時に赤ちゃんに感染する心配があり検査。
○NST(ノンストレステスト)。赤ちゃんの元気ぐあいを調べる検査。子宮収縮と赤ちゃんの動きの関連をみます。