1- ②共謀罪法案(テロ等準備罪法案)について(2017年3月市議会)
1.市長の政治姿勢について
② 共謀罪法案(テロ等準備罪法案)について
土屋とものり:共謀罪法案(テロ等準備罪法案)についてお伺いします。
安倍内閣は憲法解釈変更による集団的自衛権の容認を始め、秘密保護法、安全保障関連法を強行するなど、戦争ができる国づくりへひた走っています。
さらに今国会には、「テロ等準備罪」と名前を改め「共謀罪」の法案提出と成立をもくろんでいます。
共謀罪は過去3回国会に提出されましたが、国民の反対世論と、国会の審議で問題性が厳しく問われ、3度とも廃案になりました。
今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を批准し、テロを防ぐために必要だ」と説明していますが、この説明は偽りであることが明らかになりました。
国連広報センターは、テロ防止のための条約として14本の条約を挙げていますが、この14本の条約にTOC条約は含まれておりません。
そもそもTOC条約は、外務省のホームページにも記載されているとおり、マフィアなどによるマネーロンダリングなどの経済犯罪を主眼としたものです。
一連の国際テロ防止条約とは区別され、普通犯罪に対処する条約に位置づけられています。
また、日本はテロ対策の国際条約をすべて批准し、国内法も全て整備されており、新たな法整備は必要ありません。
2月28日、「共謀罪」新法案が与党側に示されました。ところがこの法案には、テロの文字さえありません。
政府は、国民の反対世論を恐れて、対象犯罪件数を676件から277件に絞り込みましたが、名前を変え、対象犯罪数を絞っても、危険な内容に変わりはありません。
国民を欺いて共謀罪を押し通そうとすることは断じて許されません。
共謀罪は、現行刑法の原則を突き崩すものです。
現行では、犯罪は「人の行為が、明記された構成要件に該当し、有害な結果が発生し、当人に責任がある時に成立する」という、実行行為のみを処罰するのが原則です。
行為も結果もない準備行為を対象とすることは、思想信条の自由を保障した憲法を蹂躙するものです。
また、政府は「組織的犯罪集団」だけが対象だと言いますが、何の限定にもなりません。
犯罪集団という定義もなく、取り締まりの対象も際限なく拡大され、捜査当局が国民全体を監視し、多くの冤罪を生み出すことになりかねません。
このような治安維持法の再来と言われる悪法を、近代社会に蘇らせてはなりません。
福山市が、市民の自由と民主主義を守る立場から、政府に対して、共謀罪に反対の意思表示をすることを求めるものです。
ご所見をお示しください。
市長(答弁)次に、組織犯罪処罰法改正案、いわゆるテロ等準備罪法案についてであります。
この法案については、現在、国会への提出に向けて、政府与党内において議論を行っているところであり、今後法案が提出された際には、国会において十分に議論がなされるものと考えております。
以上