国民健康保険税の引き下げを―請願が継続審査に(2019年3月議会報告)
福山市は、2019年度の国民健康保険(国保)税を1人あたり3101円増税し、年額10万8856円とする方針です。今年度の1907円の増税に続く大幅な負担増です。
2017年度、国保税の未納世帯は8676世帯(12%)に達し、未納世帯の20%は年間所得200万円以下の世帯でした。
今でも重い負担に多くの市民が苦しむ中、増税が続けば、国保税を払えず、病院を受診できない人がさらに増える恐れがあります。
市は「急激な負担増とならないよう基金を活用して対応している」と言いますが、国保税の引き下げこそ必要です。今年度、全国では77%の自治体が引き下げや据え置きとしています。
高木たけし市議は「国が消費税も増税しようとする中、国保税を引き上げられる状況にあると思うのか」と追及しましたが、市は「相互扶助の制度であり、一定の負担が必要」と冷たい答弁でした。
国保は国民皆保険を支える社会保障制度
「国保法」は、法の目的を「社会保障及び国民保健の向上」と定めており、「相互扶助」の文言はありません。
1兆円の公費負担増で国保税の引き下げを
日本共産党は、国庫負担を1兆円に増やして、子どもにも課税される「均等割」を廃止し、国保税を「協会けんぽ」並みに引き下げることを提案しています。
※会社員などが加入する「協会けんぽ」は、子どもなど扶養家族が増えても保険料は変わらず、所得に応じた保険料となっています。しかし国保は、所得にかかわらず「均等割」と「平等割」が課税されます。「均等割」は世帯人数に応じて課税されるために子どもが増えるほどに負担も増え、子育て支援に逆行する制度です。
「引き下げを求める請願」が継続審査に
市が冷たい姿勢を見せる一方、議会では、市民が提出した「国保税の引き下げを求める請願」が委員会で継続審査になりました。
議会が請願を採択すれば、市政を動かす大きな力となります。これまでは、日本共産党市議団以外の全議員が反対して否決されてきましたが、一歩前進です。
日本共産党市議団は引き続き、市民のみなさんと力をあわせて「払える国保税」の実現にがんばります。
市民サービスの利用制限やめよ
国保税を滞納した場合に利用を制限される行政サービスは62もあり、「母子父子寡婦福祉資金貸付」や「ひとり親家庭自立支援」などの福祉制度も多く、「ひとり親家庭子どもの生活・学習支援」など子どもの教育に関する制度すら対象になっています。
見直しを強く求めました。