「本当にうれしい」「たくさんの人の協力を実感」 コロナ禍の学生に食料支援
11月23日、コロナ禍で厳しい経済状況にある学生を支援しようと、食材や日用品を無料で提供する「学生応援!あおぞら0円(オーエン)市場」が、福山平成大学近くの公園で開かれました。
「福山北部学生食料支援プロジェクト・チーム」が主催し、約20人のボランティア・スタッフが参加。午前10時から11時30分までの間に、学生ら35人が訪れました。
他県出身の学生も多く、自炊しているという男子学生は「いろいろある」とうれしそうに食材を袋につめ、「お米もあるよ」などの声かけに「すごい」と笑顔で応えていました。
一人で訪れ、支援チームのスタッフと話しこむ女子学生の姿も見られました。
「バイトができない」「生活費が不安」
支援チームは、今後の支援に役立てるため、アンケートを実施し、ほぼすべての学生から回答を得ました。
コロナ禍の影響について、「バイトができない」「親の仕事が減った」などの回答が多く、「オンライン授業で内容がよく分からなくなる」との記述もありました。
困っていることや不安なことについて、1年生の男子学生は「バイトがあまりできず、学費や生活費が払えるか不安」と答えました。奨学金を借りて、あとはアルバイトでまかなっていると言います。
多くの学生が、「親への負担が一番心配」「食費が足りていない」「節約が大変」などと答え、経済的な不安を抱えています。
食料支援については、「一人暮らしの人に本当に助かるプロジェクトで本当にうれしい」「たくさんの方の協力で行われていることを実感して、ありがたかった」など感謝の声がつづられました。
仲間と一緒に「やってみよう」と決意
支援プロジェクトの発足は、福山平成大学がある御幸町に住む男性(75歳)の提案がきっかけです。
男性は、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事で、日本民主青年同盟(民青)などが全国各地で学生に食料支援をしていることを知り、「うちの地域の学生も困っているのではないか。何か支援をしたい」と地域の仲間に相談し、自分たちもやってみようと決意しました。
民青広島の協力も受け、支援物資を募ると、多くの人から食料品や日用品、野菜や軽トラの荷台いっぱいの米などが寄せられました。
大学周辺のアパートなどにチラシを配布し、門前宣伝も行い、周知に努めました。
お金の心配なく学べる社会に
多くの学生が訪れたことに、男性は「手探りで始め、心配もしたが、喜んでもらえて、こちらも元気が出た。2回、3回と続けたい」と顔をほころばす一方、「学生さんが、お金や生活の心配をせずに勉強を一生懸命できる社会になってほしい。深刻な状況がいまだに改善されないのは、政治に足りないところがあるからだ」と憤ります。
実態を届け、政治を変えよう
「あおぞら0円市場」には、日本共産党の辻つねお県議や福山市議団(高木たけし、河村ひろ子、みよし剛史)も訪問し、学生から生活状況などを聞き取りました。
辻県議や市議団は、「多くの学生が困窮しており、コロナの影響は深刻です。実態を議会で取り上げ、学費の引き下げや生活支援制度を実現するために、がんばりたい」と決意を述べています。
(福山民報記事より掲載)