なぜ市街地に大型道路を通すのか
11月30日、国道2号バイパス「福山道路」の建設について、「福山バイパスと区画整理を考える会」など3つの市民団体が市長に質問書を提出し、福山道路・幹線道路課と交渉しました。
福山道路の建設予定地とされている東川口町の川口東公民館で行われ、市民団体のメンバーや住民ら約30人が参加しました。
日本共産党から、みよし剛史市議も参加しました。
大型道路予算を防災対策に
質問は、芦田川の堤防整備が完了しない中で人命を守る対策こそ必要と指摘し、大型道路予算を避難場所設置にまわすことや道路の必要性の根拠を示すことを求めています。また、千代田町から東川口町までの住宅密集地をルートにした理由など全20項目です。
ところが、市から明確な回答はなく、参加者は「当事者にとっては命の次に大事な問題なのに、市の考えを説明して、市民の理解を求める努力もしない」と怒りの声を上げました。
市は「確認して文書で回答する」と答えました。
20年来、何の説明もない
約20年前の住民説明会以来、市から何の説明もないことに不信がつのっており、「道路がかかるものは移転を余儀なくされ、残ったものは騒音や振動、粉塵に永久に苦しめられる。影響を受ける範囲も分からず、蛇の生殺しだ」などの発言が相次ぎました。
「考える会」は「住民の理解は得られていない。住民説明会を改めて行うことを求めたい」と提起し、多くの参加者が拍手で応じました。同会は、引き続き力をあわせて運動を広げることを呼びかけました。
(福山民報№1491から転載)
取材後記
「決めてるんだからええ。そのうち黙るだろうと思っている」との住民の怒りの言葉。この市の姿勢は、住民説明会を2回で打ち切り、内海町から学校をなくすことにも通じるのではないか。行政は、住民の意思にもとづかなければならない。憲法が定める「住民自治」を取り戻す幅広い運動が求められると感じました。