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“隠れ待機児童”204人 保育士ふやして!(2022年12月議会一般質問)

保育所に入れない「待機児童」の定義を国が変えたため、全国的には待機児童ゼロの自治体が8割を超えました。

それでも、福山市では待機児童が今年度は3人おり、4年連続で解消できていません。希望した認可保育所に入れず認可外施設に入った場合や、家や職場に近いなど特定の保育所を希望した場合など、待機児童に定義されない「隠れ待機児童」も多数います。

みよし剛史市議の質問で、今年4月に入所を申し込んだ1万2046人のうち入所できなかったのは204人、特定の保育所を希望したのは105人、兄弟姉妹が別の保育所に通う世帯は158に上ることが分かりました。

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要因「保育士不足」

待機児童発生の要因について、市長は「主に保育士不足」と認めました。

みよし市議は、支援策を充実させて保育士を増やした神戸市が待機児童を解消したことを紹介。福山市でも抜本的な保育士確保策をとるよう求め、「検討する」と前向きな答弁を得ました。


以下は、一般質問の第一質問全文と市長の答弁です。再質問は、福山市議会ホームページの動画や会議録をご覧ください。https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/gikai/

保育行政について

みよし剛史市議:待機児童について伺います。

厚労省が公表した本年4月1日時点での全国の待機児童数は2944人で過去最少となり、1489自治体が待機児童ゼロでした。しかし、福山市では今年度も3人発生し、4年連続で解消には至っていません。3人はいずれも西部区域の1歳児であり、その内1人は現在でも解消されていませんが、2021年度「福山市ネウボラ事業計画」実施状況によると、2022年度の3号認定こどもにおける供給割合は、0歳児で107.4%、1・2歳児で109.2%としており、見込み量に対する確保策は充足しているはずです。待機児発生の要因と現在も解消していない要因、今後の対応についてお示し下さい。

本年5月時点での0歳児の入所児童数は前年度比で43人増加しており、当初の見込みを大きく上回っていることが考えられますが、この要因と年度途中の入所希望者への影響についてお答えください。また、この時点での6区域ごとの0歳児と1・2歳児の定員に対する充足率をそれぞれお答えください。

11月21日の民生福祉委員会において10月時点における待機児童について質問したところ、10月時点での待機児童数調査は地方分権改革の提案によって2021年度以降は調査を実施していないとのことでしたが、待機児童が解消していない中で調査を行わないことは保育実施責任を果たしているとは言えません。改めてお示し下さい。

本来待機児童は入所を申請したものの、希望の入所ができなかった件数であるべきですが、厚労省は認可外保育施設等の利用者や特定の保育園等を希望している者等は待機児童から除いており、この部分の合計が潜在的待機児童であり全国で約8万人存在します。

本市における4月時点での入所及び継続利用申請者数、そのうち入所・継続利用に至らなかった児童数、特定の保育施設を希望する等の理由で入所できなかった児童数、兄弟別々の保育所等に通っている世帯数についてお答えください。

市長(答弁)始めに、保育行政についてであります。

待機児童が発生する要因は、主に保育士不足によるものであります。

また、年によって、特定の地域に同じ年齢の児童が集中する場合があり、第一希望以外でも受入れ可能な施設がなくなることがあり、この度の残る1人が解消しないのは、そのためであります。

次に、5月時点での0歳児の入所児童数が増加した要因ですが、これは、4月1日の入所枠を拡充したためであり、その分、年度中途の入所に影響が生ずることとなります。

次に、市内6区域ごとの0歳児と1・2歳児の定員に対する充足率は、中部では0歳児が43%と1・2歳児が85%であります。

以下同様に、東部は38%と94%、北部41%と79%、神辺48%と95%、西南・南部32%と83%、そして、西部では39%と79%となっています。

なお、特に0歳児については、育休予約での入所内定者が多く、年度末に向けて充足率は高くなります。

次に、10月時点の待機児童数調査については、調査業務に対する効果が低いことから、国において廃止されたものであります。

次に、4月時点での継続利用者も含めた入所申込者数は12,046人であり、そのうち入所できなかった児童は、204人であります。

入所できなかった児童の中で特定の保育所等を希望している児童は、105人です。兄弟姉妹が別施設に入所している世帯は、158世帯であります。

みよし剛史市議:保育士確保策について伺います。

希望入所や年度途中の入所に応えるためには保育士確保と定着を促す施策が重要と考えますが認識をお示し下さい。2019年度より保育士確保のため3つの事業を行っていますが、これまでの主な実績と評価・課題、次年度に向けた保育士確保策の検討状況についてお示し下さい。定着しない要因は低い処遇と非正規雇用の割合が高いことによるものと考えます。公定価格が十分でない中で、市として正規職員雇用への補助や処遇改善を行うことを求めます。ご所見をお示し下さい。

市長(答弁)次に、保育士確保策についてであります。

保育士確保等に向けては、これまで、「保育補助者雇上強化事業」などに取り組んでおり、今年度新たに「保育士募集フェスタ」を開催しました。

その結果、本年10月末時点で、保育補助者115人、保育士6人の確保につながっています。

今後も、これまでの事業を検証する中で、保育士確保につながる施策について検討していきます。

保育士等の処遇改善については、これまでも本市独自に職員給与に加算措置を行っています。また、国の制度に基づく賃金改善も行っています。

 

みよし剛史市議:未就園児について伺います。

厚労省は保育所等施設に入所していない未就園児は全国で182万人であると公表しましたが、就学前児童が死亡するなどした過去15年間の虐待事案のうち60%以上が未就園児であったことが明らかとなり、保育所等施設は子育て支援とともに家庭の孤立を防ぎ、虐待の未然防止の役目も果たしています。

NPO法人フローレンスが行った調査では、乳児の未就園児を抱える親の半数以上が孤独を感じているとの結果が示され、この家庭への支援の重要性も指摘されていますが、未就園児のうち約97%を占める0~2歳児は、保育の必要性が認められなければ入所できません。

保育の必要性は親の就労状況を点数化して評価され、点数が高いほど入所の優先順位が高くなります。特に福山市は育休明けの予約制度もあるため正規雇用者の入所は優先度が高く、非正規雇用者や自営業者との入所条件には大きな壁が生じており、未就園児には親の就労条件によって入所を諦めているケースや、保護者自身の問題で就労できずに家庭で子どもを抱えているケースも考えられます。

本市における未就園児数と、そのうち3~5歳児の人数をお示し下さい。また、子ども家庭総合支援拠点設置以降に発生した児童虐待のうち未就園児であった件数、虐待・DVのおそれがある等の理由で入所した児童数についてお答えください。

来年4月に発足するこども家庭庁は、未就園の子や親の支援を重要政策に位置付け、「就学前の全ての子どもの育ちの保障を担う」ことを基本方針とし、保育園の空き定員の活用で未就園児を預かるモデル事業の実施を検討していますが、保育の必要性に関わりなく保育所利用することの意義について、本市の認識をお示し下さい。

全ての子どもの育ちの保障のためには、就労の状況に関わらず支援を必要とする全ての家庭の入所希望に応えることが必要です。本市の幼稚園は就労に関わらず入園でき、低廉な保育料で預かり保育も実施しているため高まる保育需要への対応が期待できますが、2024年度までに耐震性の無い3園を休園する方針です。施設の休止・廃止と集約化の方針を見直し、既存の施設を活かした施設整備を求めます。ご所見をお示し下さい。

市長(答弁)次に、未就園児についてであります。

認可外施設を含め、保育施設に入所していない児童は、本年4月時点で約5,700人であります。

そのうち、3歳児から5歳児までは約270人と推定していますが、その中には療育施設等を利用する児童も含まれています。

昨年度から今年8月末までの間、虐待を受けた児童のうち未就園であった児童は60人で、

そのうち入所した児童は50人です。

DVでの入所については、2人から相談があり、2人とも入所しました。

また、保育施設については、既に、地域における子育て支援の拠点として未就園児とその家庭が孤立しないよう、保育の必要性に関わらず子育て家庭に開放しています。

幼稚園整備については、2015年度(平成27年度)に策定した「福山市公立就学前教育・保育施設の再整備計画」に基づき、計画的に進めています。

以上

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