南海トラフ地震が起きた場合、福山市では津波による浸水深が1メートル以上になる地域が最大2326ヘクタールに及ぶと想定されています。
津波から一定の安全性が確保される「防護達成人口率」は、2020年度末時点で64.9%、2025年度末目標が65.5%という状況です。
事業所や住民組織の合同避難訓練、「調整が必要な場合は適切に支援する」
日本共産党市議団は、各学区や地区で作成した防災計画について、「地域ごとの津波の到達時間や浸水深をふまえた訓練を実施し、課題があれば計画の見直しも必要」と指摘し、市として支援するよう求めました。
また、「地域の事業所や住民組織が合同で避難訓練を行えるよう支援を」と求め、「調整が必要な場合は適切に支援する」と前向きな答弁がありました。
地域ごとの課題をふまえた避難方針を
福山市は「南海トラフ地震防災対策推進計画」を作成していますが、地域別の特性と課題をふまえた具体的な方針はありません。
静岡市の計画では、地域別の被害想定、浸水域人口、高齢者や要配慮者人口などを示し、課題や避難方針を明らかにしています。
福山市も地域別の課題・避難方針を盛り込んだ計画をつくるよう求めました。

福山市の津波ハザードマップ、ぜひご覧ください↓
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/bosai/10792.html
2022年度の一般会計予算について、日本共産党市議団は次のように問題点を指摘し、反対しました。
討論の全文を掲載します。
議第2号 令和4年度福山市一般会計予算について,日本共産党の討論を行います。
新型コロナウイルス感染拡大は未だ収束が見通せず,大きな不安と困窮の状況が長期化しています。新自由主義から転換し,社会保障を充実させ,国民の暮らし,命最優先の政治の実現が求められます。
ところが,国の当初予算は,コロナ禍での病床削減の推進と診療報酬削減,高齢者医療費負担の2倍化などで社会保障費の自然増を2200億円も削ります。富裕層への金融所得課税の是正は先送りし,大企業に大盤振る舞いを続ける一方,物価高騰や米価暴落で苦しむ事業者に対し,インボイスの導入,雇用保険料率の引き上げで負担をさらに増加させます。ウクライナ情勢の緊迫化の中,過去の過ちを繰り返させないために日本は国際平和をけん引する立場にあるにもかかわらず,軍事費は10年連続で過去最大です。コロナ無策,新自由主義継続,大軍拡で国民には冷たく危険な予算となっています。
こうした下で,市民のいのちとくらしを守る地方自治体の役割の発揮が福山市にはますます求められており,地方自治法の本旨に基づき,福祉増進最優先の予算編成を行うべきです。しかし,本予算編成は,国の成長戦略に則り,マイナンバーカード普及,自治体システム標準化によって市民の個人情報を大企業の儲けへとつなげるデジタル化推進に多額の市税を投じる内容になっています。
税収では,地方消費税交付金は約104億円を見込んでいますが,消費税の引下げと大企業に応分の負担を求めるよう国に要望するべきです。
総務費では,自治体システム標準化に向けた開発と維持管理で17億円も投じられており,今後もシステム更新のたびに多額な費用がかかります。ベンダーロックインや情報漏洩の可能性も否定できず,公契約の公平性や市民情報の保護の担保が不安定なまま進めることは市民理解が得られません。まずは市民の権利・利益を守るため,国の法基準を上回る個人情報保護条例の制定が不可欠です。
税の滞納者の口座情報を金融機関に照会する業務の効率化を図るシステム導入により,照会件数・差し押さえ件数が増加する懸念があります。市民の口座情報を必要以上に照会することはプライバシー・財産権の侵害であり,導入するべきではありません。
デジタル専門人材活用は,公務の公平性の問題や官民癒着が懸念され容認できません。地方公務員法が適用される市職員の育成に努めるべきです。
民生費では,コロナ禍による子育て世帯の貧困化が進む中,子ども医療費助成制度の対象を,高校卒業まで拡充するべきです。
生活保護の申請をためらわせ,市民の収入・財産・負債の情報まで求める扶養照会は行うべきではありません。
17年間支給額が見直されていない災害見舞金の額を早急に拡充するべきです。また,部落解放同盟福山市協議会への団体補助金は廃止するべきです。
衛生費では,リサイクルプラザの民間委託費が計上されていますが,人件費や運営にかかる経費など委託費の積算根拠を明らかにするべきです。事業の民間委託は市職員数の削減や,公的サービスの産業化につながり,行政サービスが後退しかねません。
農林水産業費では,森林環境譲与税を活用し,災害対策を目的とした里山林の面的整備を行いますが,急傾斜の山林での間伐が行われるため,近隣の民家への影響が懸念されます。事前の専門家との協議が必ず必要です。また,地域で問題となっている危険木の伐採補助事業も早急に実施するべきです。
土木費では,立地適正化計画は,憲法に保障された居住の自由を侵害し,地域福祉の後退,周辺部の衰退を一層深刻にするものであり,中止するべきです。
福山道路・福山沼隈道路建設に多額の予算が投じられていますが,整備によって新たな渋滞が発生する懸念があります。市民生活を壊す大型道路建設は見直すべきです。
教育費では,山野小中学校と加茂小中学校の閉校記念事業費補助が計上されています。強引な学校統廃合により子ども達は傷ついています。丁寧で柔軟な教育ができる小規模校を大切にし,大規模校の解消や少人数学級の実現こそ急ぐべきです。そもそも国がすすめる公共施設の削減を目的とした学校統廃合は認められません。
義務教育が無償であることは日本国憲法で謳われており,小中学校に導入されているタブレットの保険料やAIドリルなどに係る費用は自己負担させるべきではありません。
水泳授業の民営化は,学校教育における水泳授業の意義を弱め,プール施設の減少を促進させます。プールの長寿命化を図り,自校での水泳授業を実施するべきです。
ごみ処理施設建設,学校統廃合による学校建設等,大型建設工事を多額の市債で賄っており,臨時財政対策債を除く市債発行額は前年度比124%増の約206億円です。これに伴い,基金からの繰入額も46%増加しており,大型公共事業が財政をひっ迫化させていることは明らかです。
一方,新型コロナウイルスや物価・燃油高騰による経済への影響が深刻化する中で,中小業者支援や市民負担軽減を図らなければ足元の経済が弱体化し,税収低下,財政悪化が懸念されます。21年度末の財政調整基金は約164億円が見込まれており,まずは市民の暮らし,福祉,医療を支える施策を最優先に予算を組み替えるべきです。
当然のことながら,計上された予算の大部分は市民生活全般を支える有用なものであり,賛成ですが,さきに述べた諸点における政治的比重から反対を表明して討論といたします。
中国地方の日本共産党は3月16、17の両日、様々な政治課題について政府に要請しました。
にひそうへい前参院議員・参院比例候補が上京し、国会と各地の議員などをオンラインで結び、交渉の先頭に立ちました。
福山市議団は、芦田川の氾濫を防ぐ整備計画が30年もかかることについて、早期の完了を要請。
地域住民の反対が根強い福山道路は、着工した3.3㎞区間の費用が当初より100億円も増え456億円に上ることを指摘し、「大型道路より命を守る河川整備に予算をまわせ」と求めました。
国土交通省の河川担当者は「できるだけ前倒しできるよう予算確保に努めたい」と答えましたが、河川改修を後回しにしてきた自民・公明政権のもと予算確保が容易でない実情も伺えます。
にひ氏は「政治を変えなければ」と決意を述べました。

↑左から、にひそうへい、中村たかえ、大平よしのぶの3氏。

生活保護制度の扶養照会について、福山市のホームページの説明文が3月11日に修正されました。
扶養照会とは、生活保護を申請した人の親や子、兄弟などに、扶養できるかを自治体が確認することです。自民党の国会議員などによるバッシングの影響で生活保護への偏見がある中、親族に知られたくないと、申請をためらわせるハードルとなっています。
申請者の意思を尊重して
修正前の説明文では、「生活保護を受ける前に」として、扶養義務者からできる限り援助が受けられるよう事前に相談の努力をして初めて生活保護が利用できるとの記述がありました。
扶養が生活保護の要件や前提かのように誤解を招く、不適切な表現です。
調査を見合わせるのも、「家庭内暴力や虐待など特別な事情がある場合」という記述のみでした。
修正後は、扶養義務者についての説明が「保護を受ける前に」の項目から外れ、「扶養は保護の要件ではなく」と明記されました。
また、すべての扶養義務者に調査するわけではないとして、調査を見合わせる場合の事例が列挙され(下記参照)、例示に当てはまらなくても同じ程度の状況にある場合は相談するよう呼びかけています。
日本共産党の要求が実現
日本共産党市議団は3月4日の議会で、扶養照会は義務ではないことや、厚生労働省の通知をふまえ扶養照会をしなくて良い場合の事例を丁寧に知らせるよう市に求めていました。
今回の修正は、扶養照会のハードルを一定、引き下げるもので評価できます。
「生活保護は、憲法に定める国民の権利」と、福山市の市長も答弁しています。生活に困ったときは、ためらわず申請しましょう。
また、福山市のホームページにも記載されたように、扶養は保護の要件ではありません。
扶養義務者が扶養しなくても、申請者は生活保護を利用できます。
兄弟姉妹や親、成年の子どもとの間の扶養義務は、自分の生活に余力があれば、その範囲内で負えば良いものです。
広島県は、新型コロナの後遺症についてアンケート調査結果を公表しました↓
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcdc/coronakouishou.html 広島県HP
後遺症がある人は34%、そのうち38%は社会生活にも影響があると答えています。
最も多い症状は倦怠感で、息切れやせき、嗅覚障害、集中力低下など様々な症状がみられます。
県は、日常生活に支障が生じ始める程度の症状が4週間以上ある場合は、かかりつけ医を受診するよう案内。必要に応じて後遺症連携病院で、より詳しい診療が受けられるとのことです。
コールセンターでも相談を受け付け、受診の流れが案内されます(福山積極ガードダイヤル 084-928-1350)。
仕事中の感染は、後遺症も労災に
仕事に関連して感染した場合、後遺症も労災の対象になります。
労働基準監督署に相談しましょう。
(福山総合労働相談コーナー 084-916-3186)
(福山労働基準監督署 労災第1課、労災第2課 084-923-0214)
岸田政権はケア労働者の処遇改善を看板政策としており、保育士は月9000円の賃上げと言われています。
ところが対象は、公定価格の配置基準にもとづく保育士のみです。
国の保育士配置基準では安全な保育ができず、多くの施設が独自に保育士を増やしています。
公定価格に応じた支給額を実際に働く保育士で分け合えば、一人あたりの賃上げ額は少なくなります。

実際の保育士数は基準の1.6倍
日本共産党市議団の質問で、福山市の保育施設で働く保育士は1596人、公定価格上の保育士は1021人と、配置基準の1.6倍の保育士が働いている実態が明らかになりました(※法人立保育施設等2021年4月時点)。
保育士の低賃金や男女の賃金格差の是正について、党市議団は「配置基準や公定価格の抜本的な見直しがなくては問題の根本的な解決とはならない」と指摘し、国への改善要望や市独自の処遇改善策を求めました。
◇ ◇
日本共産党市議団は、公立保育所などの職員にも賃上げを行うよう求めました。補正予算で、子どもに接する職員の賃上げが実現しました。
2022年3月議会の日本共産党代表質問の、高木たけし市議の第1質問と市の答弁を掲載します。
2022年3月議会代表質問と答弁(高木たけし市議)pdfファイルをダウンロード←クリック!
第1質問の後、一問一答形式で再質問を行います。
再質問は、福山市議会ホームページに動画と議事録が掲載されるので、そちらをご覧ください↓
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/gikai/

高木たけし市議 3月4日(金)午前10時~
1 市長の政治姿勢について
①日米地位協定について
②政党助成金について
③消費税の減税について
2 2022年度予算編成について
①国の2022年度当初予算について
②本市の2022年度予算について
③困窮世帯・中小業者支援について
④保健所の体制強化について
3 国民健康保険事業について
①新年度予算編成について
②子どもの均等割について
③一部負担金について
4 個人情報保護法改正とデジタル化推進について
①福山市個人情報保護条例の意義について
②本市の個人情報保護制度への影響について
③行政のデジタル化推進について
5 災害対策について
①津波浸水対策について
②津波避難計画について
③地域の避難計画の周知について
④緊急避難場所への避難方法について
⑤南海トラフ地震防災対策推進計画について
6 生活福祉行政について
①扶養照会について
7 保育士,障害福祉・介護職員,医療従事者の処遇改善策について
①保育士等の処遇改善について
②公立保育所・放課後児童クラブ職員の処遇改善について
③障害福祉・介護職員の処遇改善について
④医療従事者の処遇改善について
8 上下水道事業について
①災害対策について
②事業経営の健全化と職員確保について
③民間委託(PPP/PFI)手法の活用と広域化について
④市民サービスの向上について