2021年12月議会の議案について

2012年12月議会では、下記の予算や条例改正が提出されました。

日本共産党市議団は、4つの反対討論、2つの賛成討論をしました。

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議第143号 令和3年度福山市下水道事業会計補正予算(第1号)について日本共産党の討論を行います。

本補正予算は、新浜ポンプ場の改築事業についてPPP、PFI手法の導入可能性調査の結果を踏まえ、設計・建設・運転・維持管理を一括発注、一括契約するDBO方式により改築事業に取り組むものです。その費用内訳は、施設改築に76億7000万円余、来年度から28年間の維持管理として18億円余を見込んでいます。

手法導入段階の調査でBTO方式との比較しか行われていませんが、災害が頻発化している下で、ポンプの維持管理業務は市民の暮らしを守るために下水道事業の重要な公的責任となっており、その点が考慮されなかったことは住民の福祉増進を図ることを目的とする公営企業の姿勢に反します。

DBO方式による事業費は従来の方式と比較して5億円の縮減としていますが、負担削減率は約30年間の長期委託契約でも5%と効果は大きくありません。また、削減分の多くは維持管理に係る人件費であり、今後、防災・減災対策、老朽化対策を行う必要性が高まる中にあって、インフラを維持管理できる技術者を採用、育成に注力しなければならないにもかかわらず、業務の長期委託契約によって自治体の技術者が削減されれば、専門性と技術力が低下しかねません。

安全な水の給排水は、それ自体が市民の暮らしの維持・向上に直結するため、政治が最も優先するべき課題のひとつであり、また給排水の専門性と科学性は公共が保有するべきものです。採算性や収益性を追求する民営方式はその両方の役割を後退させるものであり、新浜ポンプ場は市が直接、運営・維持管理に関わるべきです。

よって、本補正予算に反対を表明して討論と致します。


議第150号 福山市空き缶等の散乱防止及び環境美化に関する条例の一部改正について、日本共産党の討論を行います 

本案は、たばこの吸い殻の散乱や受動喫煙、火傷の被害を防止するため、路上喫煙を防止し、特に人通りの多い福山駅周辺部の路上喫煙を制限する区域を設定することについて、所要の改正を行うものです。

新たに路上喫煙制限区域を設け、その地域内での路上喫煙を禁止します。またその区域の一部又は全部を路上喫煙特別制限区域・美化推進特別重点区域と指定した場合、当該区域において、路上喫煙および空き缶やたばこの吸い殻等を散乱した者に2万円以下の過料を科すことができる内容が盛り込まれています。

受動喫煙から守るための一定の規制は必要であり、以下の要望を付して賛成と致します。

一、罰則を伴う規制ではなく、喫煙の害やマナーについて啓発をしっかり行い、意識醸成をはかりながら受動喫煙や喫煙を減らす取組を強化すること。

一、新型コロナ感染防止の観点から、喫煙所の開設については当分の間中止すること。


ただいまの委員長報告に対しまして、日本共産党の討論を行います。

議第151号 福山市屋外広告物条例の一部改正は、国の屋外広告物条例ガイドラインに基づき、地域活性化などの取組に対する規制を緩和するものです。

①公共の掲示板や公共施設等に屋外広告物を設置し、その広告料で当該施設や物件管理の費用に充てる場合②法人やその他の団体が、屋外広告物の広告料を地域づくりなどのエリアマネジメントの費用に充てる場合に、福山市屋外広告条例による禁止地域に広告物を設置することができます。

本条例における禁止地域は、風致地区・伝統的建築物群保存地区・公園・道路・河川・官公署や公共施設など多岐にわたりますが、必要な規制を行うことで、良好な景観を形成し、風致・公衆に対する危害の防止が保たれています。

しかし条例改正後は、禁止地域への広告物設置について、福山市屋外広告物審議会で審議するよう条例や規則に定められておらず、適切かどうか第三者が判断する仕組みが明確に位置づけられていません。そのため、景観の保持や安全性が損なわれる事が懸念されます。

また、市長の判断次第では、公共施設の壁などにも民間企業が広告物を掲示できる可能性があり、行政の中立性・公平性を歪めかねません。

市内の景観に関わる問題にも関わらず、パブリックコメントを行うなど、市民意見を反映さていない事も問題であり、本条例改正は認められません。

以上、述べた理由により反対を表明して討論と致します。


議第156号過疎地域持続的発展計画を定めることについて日本共産党の討論を行います。

本計画は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の施行に伴い、経過措置により2021年4月1日から2026年度までの間内海町が新法の適用となるため定めるものです。

特別措置法は、「過疎地域の持続的発展」を目的としています。この目的を達成するためには、子育て世代が住み続けられるまちづくりが必要です。

これまで内海町では、地域住民が人口減少に歯止めをかけたいとの思いで,集落内の空き家を有効活用して、移住者を呼び込む取り組みが進められてきました。

当計画では、「福山市公共施設等サービス再構築基本方針」との整合性を図りながら、過疎対策に必要な事業を適切に実施することを基本とし、学校や保育所など公共施設の統廃合が前提となっており、認められません

学校や保育所を残してこそ、住民の努力を生かすことができ、内海町の「持続的発展」を図ることができます。 

以上のことから、本議案に反対を表明して討論といたします。


議第157号 令和3年度福山市一般会計補正予算(第8号)について日本共産党の討論を行います。

本補正予算は、歳入歳出にそれぞれ75億5400万円を追加し、補正後の予算を1980億4625万3000円とするものです。その内容は、子育て世帯へ児童一人あたり10万円の給付金を支給するもので、対象は児童手当受給者及び来年3月31日までに出生した児童、高校生相当の児童とし、7万5200人を見込んでいます。

新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、子育て世帯の生活を支援するものであり、以下の要望を付して賛成の討論といたします。

1.どの家庭でも子育てに困難な状況が生じているため、世帯の年収にかかわらず、等しく全ての児童を対象に給付することが必要です。所得制限によって対象とならない約3900人分については市独自に給付をすること。

1.福山市の出産育児特別応援金と同様に、2022年4月1日生まれの新生児も給付対象に含めること。

1.10月1日以降に離婚した場合など、実際に子どもを養育している親が受給できないケースが生じています。児童手当制度の問題点でもあるため、当事者からの問い合わせ等により現況が確認できれば、同居している親に給付できるよう、国に対して改善を求めること。

安全で豊かな保育を(2021年12月議会報告)

 保育所の待機児童や保育士不足が深刻ですが、政府は認可保育所の増設や保育士の処遇改善ではなく、基準緩和や詰め込みで安上がりな保育を進めてきました。

認可保育所は半減

 福山市では現在、2015年時点と比べて公立保育所は55所から46所に、認可保育所は55所から27所に減っています。一方、認可保育所より基準が低い地域型保育事業所は4施設から36施設に、認可外保育施設は5施設増えました。

 保育に対する公的責任の後退や規制緩和は保育の質を低下させ、重大事故の発生も増え続けています。

 市内の公立保育所では2016年度からの5年間に、けがなどで医療機関の治療を受け、災害共済給付が適用された事故は合計2725件ありました。2018年には1歳の男児が食事中に窒息状態となる事故が起き、いまだに意識が戻っていないと報道されています。

悲惨な事故を繰り返さぬために、配置基準の改善を

 みよし剛史市議は12月議会一般質問で「悲惨な事故を繰り返さない施策が必要」と強調。

 1、2歳児の突然死の発生率は、社会全体より保育施設の方が最大2.45倍も高いことを指摘し、まずは1歳児の保育士配置基準を市が独自に改善し、保育士の配置を手厚くするよう求めました。

 しかし、枝広市長は「国の基準をふまえ、適切に配置されている」と答えました。

 国の基準は、1歳児の場合、子ども6人に対し保育士1人です。

 みよし市議は再質問で、「2018年の事故は、1歳になったばかりの男児を含む4人に1人の保育士の配置だったが、それでも発生した。新潟県は1歳児の配置基準を3人に1人にしており、日本保育協会は6対1との比較検証で『すべての子どもを視野の中に置き、子どもの働きかけにそのつど応えるという観点から考えると3対1が必要』と結論づけている」と紹介。

 「安全に保育するために、事業者も運営費が限られる中で持ち出しで配置を増やしているが限界がある。この実態を改善するのは自治体の責務だ」と配置基準の改善を重ねて求めました。

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2021年12月議会の傍聴にお越しください

12月議会は、河村ひろ子市議と、みよし剛史市議が一般質問を行います。ぜひ傍聴にお越しください。

市役所議会棟5階の受付にお越しください。

202112gikaibocho 河村ひろ子市議 12月9日(木)13時から

1、市長の政治姿勢について

①平和憲法9条と核兵器禁止条約について

2、予算について

①国の補正予算について

②福山市の予算編成方針について

3、パートナーシップ制度について

4、LGBT支援について

5、デジタル化に伴う個人情報保護の在り方について

6、(仮称)福山市地域戦略(素案)について

7、教職員の多忙化解消について

みよし剛史市議 12月9日(木)14時5分

1 保育行政について

①保育中の事故防止について

②児童福祉施設等への指導監査について

③園バスに関わる安全管理標準指針の策定について

2 環境行政について

①地球温暖化防止の施策について

②本市におけるCO2削減の取り組みについて

③降下ばいじんの低減について

④太陽光発電施設の乱開発規制について

3 福山道路について

①一般国道2号福山道路整備促進期成同盟会について

②都市計画道路多治米川口線について

③(仮称)引野IC~(仮称)笠岡西IC区間について

なぜ市街地に大型道路を通すのか

11月30日、国道2号バイパス「福山道路」の建設について、「福山バイパスと区画整理を考える会」など3つの市民団体が市長に質問書を提出し、福山道路・幹線道路課と交渉しました。

福山道路の建設予定地とされている東川口町の川口東公民館で行われ、市民団体のメンバーや住民ら約30人が参加しました。

日本共産党から、みよし剛史市議も参加しました。

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大型道路予算を防災対策に 

質問は、芦田川の堤防整備が完了しない中で人命を守る対策こそ必要と指摘し、大型道路予算を避難場所設置にまわすことや道路の必要性の根拠を示すことを求めています。また、千代田町から東川口町までの住宅密集地をルートにした理由など全20項目です。

ところが、市から明確な回答はなく、参加者は「当事者にとっては命の次に大事な問題なのに、市の考えを説明して、市民の理解を求める努力もしない」と怒りの声を上げました。

市は「確認して文書で回答する」と答えました。

20年来、何の説明もない

約20年前の住民説明会以来、市から何の説明もないことに不信がつのっており、「道路がかかるものは移転を余儀なくされ、残ったものは騒音や振動、粉塵に永久に苦しめられる。影響を受ける範囲も分からず、蛇の生殺しだ」などの発言が相次ぎました。

「考える会」は「住民の理解は得られていない。住民説明会を改めて行うことを求めたい」と提起し、多くの参加者が拍手で応じました。同会は、引き続き力をあわせて運動を広げることを呼びかけました。

(福山民報№1491から転載)

取材後記

「決めてるんだからええ。そのうち黙るだろうと思っている」との住民の怒りの言葉。この市の姿勢は、住民説明会を2回で打ち切り、内海町から学校をなくすことにも通じるのではないか。行政は、住民の意思にもとづかなければならない。憲法が定める「住民自治」を取り戻す幅広い運動が求められると感じました。 

保育制度の拡充を―福祉保育労が市に要望

11月24日、保育所など福祉施設の職員でつくる「全国福祉保育労働組合」広島支部の福山市内の二つの分会が、保育制度の拡充を求める要望書を枝廣直幹市長あてに提出しました。

日本共産党のみよし剛史市議が同席し、市保育施設課長らが応対しました。

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要望事項は、▽保育労働者の処遇改善の国への働きかけと市の処遇改善費の抜本的増額、▽職場での定期PCR検査実施、▽児童福祉施設職員への慰労金支給、▽職員配置基準の改善―など9項目です。

いずみ会分会の執行委員長は「保育士はコロナ禍で感染の不安を抱えながらも責任を持って保育を担ってきたが、人手が足りずに大変で、労働にみあった報酬にもなっていない。処遇を引き上げ、慰労金の対象にしてほしい」と求めました。

保育施設課長は「時間外勤務が大変なことは十分分かる。保育士が足りないという声は聞いている」と認めながらも「国の状況を注視しながら考えたい」との答えにとどまりました。

職員の配置については「国の基準に準じている」と述べましたが、両分会の執行委員長とも「国の基準より施設が独自に増やしても現場はギリギリ。施設の努力の域を超えており、基準を改善してほしい」と切実な実態を訴えました。

国基準より職員を増やしている施設が多いことは市も把握しています。実態にあわせて改善するべきです。

保育士として13年の勤務経験を持つみよし市議は「独自で上乗せしている自治体もある。福山市でも実施すべき」と強調。行政が保育士から直接話を聞く場を継続し、保育施策を改善するよう求めました。

全校をコミュニティ・スクールに!?(文教経済委員会報告)

一方的な押しつけやめよ

 市教育委員会は「第三次教育振興基本計画」素案で、コミュニティ・スクールを2026年度までに市立の小・中・高等学校すべてに導入するとの目標を示しました。

 来年度は、内海町と沼隈町の7校を統合する「想青学園」と、鞆の浦学園に導入する方針です。

 コミュニティ・スクールとは学校運営協議会を設置して保護者や地域住民が学校運営に参画する仕組みですが、市教委の計画は学校や保護者、住民の要望によるものではありません。

 河村ひろ子市議は、教職員がさらに負担増となる恐れもあることを指摘し、「それぞれの学校や地域の実情をよく聞いて考えるべきで、計画ありきの押しつけはやめよ」と求めました。

◆    ◆

 日本共産党市議団は以前、コミュニティ・スクールで学校と住民が連携して小規模校を存続させている自治体の事例を議会で紹介したことがあります。

 しかし市教委は、内海町のすべての学校を廃止しました。地域の声を無視して統廃合を強行しておきながら、今度はコミュニティ・スクールを一方的に進める姿勢は許されません。

パブリックコメント募集中

 現在、第三次福山市教育振興基本計画(案)のパブリックコメントを募集中です。(12月24日まで)

 上記のコミュニティ・スクールなどの学校教育や就学前教育、社会教育・生涯教育、文化財保護など福山市の教育施策を推進するための基本計画です。

 ぜひ、みなさんの意見を反映させましょう。

 下記リンクの市WEBサイトで計画案を見て、メールで意見を送ることもできます。

https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/kyoiku/82208.html

住民のプライバシーを守る デジタル政策を(総務委員会報告)

福山市は「行政版デジタル化実行計画」を定めました。

市民が市役所に申請手続をするときのオンライン化や職員の事務作業の自動化、行政が使う情報システムの標準化などを進める計画です。

枝広市長は国にも先駆けてデジタル政策を推進すると前のめりですが、国のデジタル戦略はデジタル化した膨大な個人情報が企業の利益追求や国家による国民監視に利用される危険をはらんでいます。国がシステムを統一することによって地方自治体の自主性が奪われ、AI(人工知能)が住民に対応する自治体職員になりかわる事態も生じかねません。

日本共産党の高木たけし市議が、11月19日の総務委員会で「実行計画」について質疑しました。

個人情報保護を後退させないで

同計画は「市町村官民データ活用推進計画」としても位置づけられています。

自治体がもつ住民の個人情報を民間企業などが活用できるようにするもので、どういう目的で誰に使われるのか本人が知らないまま提供されることになります。

高木市議が「プライバシーをどう守るのか」と質すと、市は「個人情報保護条例などにのっとって適切に進める」と答えました。

しかし、菅政権が強行した「デジタル改革関連法」によって自治体の条例は2023年までに国の法律にあわせて「リセット」されることになっています。福山市の条例は、本人からの情報取得を原則に、目的外利用や外部提供を禁止し、先進的な保護の仕組みを持っています。これを後退させないための運動を広げることが求められます。

地方自治を守れ 

来年度、国民健康保険システムの標準化が計画されています。国が定めた標準仕様のシステムを導入すれば「市独自の保険税の減免ができなくなるのではないか」との高木市議の追及に対し、市は「システムの外付けでできると考えている」と答えました。

今後、社会保障や税など17業務のシステムの標準化が狙われています。独自の住民サービスを守り、発展させる取り組みが必要です。

オンライン手続の拡大については計画に「職員数減少を見据えた」と記述されており、高木市議は「デジタル化を口実に職員を減らしてはならない」と強く求めました。

公正な政策を

福山市がデジタル化推進体制に任用した大手IT企業の社員4人について、当初は市職員に「指示」する立場となっていましたが、高木市議が「官民癒着を招き、行政の公正性を損なう」と追及した結果、同計画では「助言・支援」に訂正されました。

福山社保協が市長に申し入れ―社会保障の充実を

「福山市社会保障推進協議会」は11月4日、福山市の来年度予算編成に向けて社会保障の改善を求める要望書を市長に提出しました。みよし剛史市議が同席しました。

応対した福祉部長は「関係する担当課で要望内容を共有して精査する」と答えました。

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コロナ禍でも自民・公明政権は、高齢者の医療費2倍化や介護保険の補足給付の対象縮小など、次々と社会保障制度を改悪しました。国民健康保険財政への国の負担割合も大きく減らしたままです。

花岡利明・社保協事務局長は「制度の改悪に対し、反対の声を国にあげてほしい。高すぎる国保税を引き下げるために、国庫負担を増やすことも要望してほしい」と求めました。

福祉部長は「持続可能な制度とするためだが、困っている人もいると思う」との認識を示しました。

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制度を持続するためと言っても、国保に加入する子育て世帯の3割超が保険税を払えずに滞納しているなど、市民の生活が持続できない状態になっています。

命と暮らしを守るために、国に制度の改善を求めるとともに、市として市民の負担軽減に最大限の努力をすべきです。

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↑福山市の決算要求資料です。

軽減世帯とは、一定の所得より下回る場合に国保税の均等割などが2割から7割軽減される世帯です。

自分らしく生きられる社会に―要望提出に同席

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10月19日、LGBTなど性的マイノリティの啓発活動を行う「れいんぼーはーと福山」代表の朝霧カオルさんが、市の職員研修と障がい福祉サービス事業所についての二つの要望書を市長に提出しました。

河村ひろ子市議が同席し、人権・生涯学習課長や障がい福祉課長ら5人が応対しました。

人権・生涯学習課は、市職員向けの「性的マイノリティサポートハンドブック」を当事者の監修も受けて作成し、啓発を進めています。

しかし、朝霧さんによると、職員にハンドブックが十分に周知・活用されておらず、全庁的に連携して取り組む姿勢になっていないとのことです。

すべての課で研修を行い、支援の専門性を高めることが要望されました。

また、朝霧さんは心と体の性別に差があるトランスジェンダーとして、障がい福祉サービス事業所を利用する上で常に不安があるといいます。心の性と異なる性別の服装で作業所に通う苦しさや職員にトランスジェンダーであることを打ち明けて距離を取られた経験、理解を得るために当事者が努力しなければならない心労などを訴え、障がい福祉課が事業所に啓発や研修を行うよう求めました。

人権・生涯学習課長は「職員が自らの問題として捉えることが重要。研修のあり方を改めて考える」と、障がい福祉課長は「課として事業所の研修の企画を考えたい」と、どちらも前向きに答えました。

河村市議は「障がい福祉や介護、医療、教育など、あらゆる場面で性的マイノリティの権利が保障されるよう、議会でも引き続き求めたい」と話しています。

Lgbt福山市の「性的マイノリティサポートハンドブック」は、職員以外にも参考になる内容となっています。ぜひ、ご覧ください↓

福山市性的マイノリティサポートハンドブックpdfファイル

専門の電話相談などの案内があります↓

性的マイノリティに関する取組について(福山市ホームページ)

2020年度の福山市一般会計決算についての討論

2020年度の福山市の一般会計について、日本共産党市議団は下記のとおり問題点を指摘し、決算認定に反対の討論をしました。


議第124号 令和2年度 福山市一般会計歳入歳出決算認定について、日本共産党の討論を行います

本会計歳入総額は2299億5026万3千円、歳出総額は2241億7369万7千円で、歳入歳出差引額57億7656万6千円で、翌年度繰り越すべき財源23億282万1千円を差し引いた実質収支は、34億7374万5千円です。

歳入における税収では、法人市民税が50億4234万円で対前年度比12億1385万円の減となりました。これは地方市民税の一部を国税化し、交付税の財源にする税制改正によるもので、自主財源の構成比が下がっています。また、地方交付税のまち・ひと・しごと創生事業費の算定では、行革努力分の指標を立て、成果主義の仕組みが取り入れられました。国の政策に地方自治体を誘導するために、地方交付税や地方税の性格が歪められています。地方交付税の法定率を抜本的に引き上げ、地方財源確保に対する国の責任を果たすよう強く求めるべきです。

地方消費税交付金は、101億4470万7千円交付されましたが、消費税率10%への引上げの影響で対前年度比18億1783万6千円増加し、歳入総額の4.4%を占めています。そもそも所得の低い人ほど負担が重い消費税頼みの財政のあり方は問題です。

市債の当年度末現在高は1430億1668万8千円で、市民一人当たりの市債現在高は30万7000円余で、前年度比7000円の減となりました。しかし、2021年度以降の債務負担行為支出予定額は、1108億8564万6千円で、前年度の4倍以上にもなりますが、債務負担行為額の増高は将来的な財政負担を招きます。

実質赤字比率と連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4指標は健全化基準に至っておらず、健全な財政運営をしているにも関わらず、財政調整基金をさらに18億39万4千円積立てます。当年度末現在高は217億7309万4千円に達し、その他の基金を含めると総額は463億円を超えます。

当年度は財政調整基金を20億円取り崩しコロナ対策に充てましたが、地方創生臨時交付金等が交付されたため、実際の基金の使用はわずか2億円に過ぎません。

コロナ禍の下、売り上げや賃金の減少が市民生活を直撃しています。倒産や廃業の危機にある事業者や、逼迫する医療・福祉・保育などケア労働従事者に手厚い支援を何よりも優先するためには基金をさらに活用するべきです。

総務費では、当年度から会計年度任用職員制度が導入されました。人手不足である保育や放課後児童クラブなどの職種は雇用期間が不安定である会計年度任用職員ではなく正規職員として雇用をするべきです。また、デジタル技術の活用にあたっては、職員自ら検証でき、住民に行政責任を果たすことのできる体制を確保しなければなりません。利益相反が生じかねない民間企業社員などの外部人材ではなく、任期の定めのある常勤職員として雇用し、資格取得などの支援もしながらデジタル推進体制を構築するべきです。

民生費では、保育中の事故防止には十分な保育士の配置が重要であり、1歳児クラスにおける「おおむね1歳から」の入所のような配置基準の切り下げは撤回し、国の基準以上の手厚い配置を行うべきです。

コロナ禍の下、子ども医療費助成制度の所得制限や一部負担金はなくし、安心して医療にかかれる体制にすることが求められます。

部落解放同盟福山市協議会への補助金は、2015年度以降、200万円を継続して支出しています。法的根拠を失った同和行政はすでに終了していること、また他の民主団体と比較しても高額であり、この支出は認められません。

衛生費では、保健部職員の一月の最高時間外労働時間が169時間30分、過労死ラインを超える月80時間は17人にもなります。他課からの1ヶ月以上応援職員37人の合計時間外労働時間は年2900時間にも及びました。今後も保健所の体制強化は、全庁体制で対応するとの事ですが、国は保健師の増員の財政措置をするとの事であり、早急に保健師増員など保健所の体制強化をはかるべきです。

労働費では、コロナ禍の下で業績の悪化している企業に対し、障がい者の雇用継続と雇用法定率を上げるために奨励金は拡充すべきです。

農林水産業費の森林環境譲与税活用事業は、本来里山林の整備保全が目的であり、山林の維持管理と人材育成に資する事業となるよう検討すべきです。

土木費の小規模崩壊地復旧事業は、当年度45件は完了しましたが、118件がいまだ復旧されていません。工事費にかかる個人負担率を下げ、復旧を促進させるべきです。

教育費では、図書館整備費は多額の委託料を払って整備の監修を依頼するのではなく、児童生徒と学校の主体的な取り組みで進められるべきです。

児童用学習端末整備は健康、法整備、企業への規制、更新費用の負担などの課題が解決されていません。使用基準を定め、更新については費用便益に見合った方法を検討すべきです。

当年度も、学校統廃合をすすめるため校舎建設費等が執行されましたが、十分な住民合意もはかられる事なく、コロナ禍においても統廃合ありきですすめることは断じて許されません。

一方当年度、新型コロナ感染拡大防止策の強化として衛生用品の提供や、入院加療が必要な患者受入後方医療機関に対する補助の実施、出生時特別定額給付金やひとり親家庭緊急応援金など市独自の支給を行ったことは評価できるものです。また、浸水対策として河川の土砂撤去、排水機や雨水貯留施設整備等に取り組んだ事も評価できます。中学校給食の全校での実施も実現しました。

その他、当然のことながら、市民生活向上、子育て支援、福祉充実、災害対応など諸施策が展開されておりますが、先に述べた政治的比重から、決算認定に反対を表明して討論と致します。

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