2005/2/4 広島県福山市鞆の浦埋め立て・架橋計画
排水権者の同意が得られないことから、県が事業凍結している福山市鞆の浦の埋め立て・架橋計画で、2月3日、仁比聡平参院議員は、辻つねお県議、土屋とものり福山市議とともに、国土交通省の鬼頭平三港湾局長を訪ね、「同意なき埋め立ては許されない」とあらためて見解を問いました。
左から仁比参院議員、辻県議、土屋市議
1月26日、羽田皓福山市長が、今までの法の解釈を変えて、完全同意がなくても事業を推進できるよう国に要望したことで、地元住民は大きな不安を持っています。さらに広島県は埋立てに同意をしていない権利者がいる場合の、埋立出願に際する審査基準を国に照会しています。
これまで国は、公有水面埋立法に基づく埋め立てについて、「法文には完全同意がなくても出願できる規定が存在しているが、トラブルを避けるため、出願にあたっては、権利を持つ者全ての同意が必要だ」と強調してきました。
仁比議員らの訪問に対し、鬼頭局長は、「同意なき出願についての規定が存在することは市長にも示した。しかし、権利者の完全同意が望ましいことに変わりなく、このことは、市長に対しても口を酸っぱくして言った」と、見解を示しました。
また、広島県の照会への回答が、権利者の同意なき事業推進の後押しをするものではないこと、国として県に何らかの判断基準を示す段階にはないこと、が確認されました。
仁比議員は、「同意なき埋め立ての規定は、適正な手続きなく行政の判断で権利を奪うもので、憲法上の疑義があり、適用は許されない」と語っています。