2008/09/24 第12回福山バイパスと区画整理を考える会総会開かれる
「福山バイパスと区画整理を考える会」は21日、第12回総会を開きました。この日は、突然の豪雨にもかかわらず、多くの人が参加しました。
住んでみてわかる幹線道路公害のすさまじさ
総会では、兵庫県西宮市で、国道43号線の道路公害裁判の原告として34年間裁判闘争を続けてきた藤井隆幸氏の記念講演が行われました。
藤井氏は、「住んでみてわかる幹線道路公害のすさまじさ」と題して、国道43号線による沿線住民の被害の状況を、スライドなどを使って詳しく説明しました。
国道43号線は、大阪と神戸を結ぶ国道で、国道2号線のバイパスの役目をする路線として利用されています。国道は、片道4車線で、真上には阪神高速道路神戸線が走っており、膨大な交通量のために、排ガスや騒音公害が問題となり、公害裁判が起こされました(西淀川公害裁判)。この裁判は、自動車排気ガスの健康被害が初めて認められたものです。
藤井氏は、「平日夜間、大型トラックやトレーラーの振動と騒音で、沿線住民は不眠症になり、自殺した人もいる」「住宅の風呂場はタイルがすべて割れ、雨漏りは絶えない」など、大型道路により発生する騒音や振動の被害を生々しく報告。
「道路公害がひどいため、資力のある若い人が次々と町から離れていき、街はスラム化した。行政も町づくりの政策を打ち出せない」と、幹線道路がコミュニティーを分断するだけでなく、「街を完全に破壊する」と警鐘を鳴らしました。
住民合意のない大型道路計画は白紙撤回を
総会は、住民無視の事業強行の即刻中止と、国、県、市は、住民・地権者への説明責任を果たすこと、合意の得られない事業は白紙撤回することを求め、運動を広げることを確認しました。