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2008/12/17 2008年12月議会報告 道理のなさが浮き彫りに

 12月11日、12月議会で土屋とものり市議が本会議代表質疑に立ちました。
今回の代表質疑は、派遣社員の大量首切り、鞆港埋め立て架橋計画や、介護保険、障害者自立支援法、保育制度を取り巻く情勢など町づくりや福祉制度など、7分野16項目について取り上げました。今回は、鞆埋め立て架橋計画についてお知らせします。
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40年で90憶円VS年額109憶円

 鞆の浦の貴重な景観を破壊し港を埋め立てどれだけの利益が得られるのか。これまで県・市は貴重な景観を破壊してまで事業を進める理由として、「景観を壊しても得られる利益がある」と強弁してきました。そこで埋め立てによって得られる利益の試算を質しました。答弁では、得られる利益は40年間で90億円。(年額2.25憶円)また、建設事業費53億円に対し、得られる効果である費用対効果は1.7で、この値は今後変更されることが明かされました。(約1.2まで下がる見込み。この値が1に近づくほど、事業の必要性がない)
対して、いまの鞆の景観を見に来るなど、観光で生み出される利益は年間、109億円。観光客数は171万2千人であることが示されました。
 議会を傍聴していた市民は「今でも観光で100億円以上も利益があるのに、道路を造っても年間2億円ちょっとしか得られる利益がないのは、おかしい。事業の大義名分が立たないではないか」と話していました。
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世界遺産級と評される鞆港。景観を破壊する道理はありません。

工事期間中の観光への影響は?
 「数値化、検討していない」
 埋立て架橋工事期間は、計画では約10年です。鞆の観光による影響を質しました。しかし、市は「バロメーターがなく検討できず、観光事業効果については数値化、検討していない」とのことでした。

国が不認可にしたら?
 「埋め立て免許は下りない」
現在、国土交通省が審査している埋め立て免許の願書が、不認可となった場合、市は「県は免許を下せない」と答弁しました。申請書類が国に認められない場合、架橋計画が中止されることを示唆しています。

破壊される文化財は?
 「亀甲状石積み」と「たで場」が2割消滅
 架橋計画で破壊される文化財を質すと、「亀甲状石積」と「たで場」の2割が埋め立てられる、との答弁でした。
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たで場地区にある「亀甲状石積み」。高い文化財の価値がありますが詳細は未調査のため、未だ不明です。早急に学術調査が求められています。

道路建設で少子化を解消した地域があるのか?
 -答弁なし
 広島県と福山市は計画を進める理由の一つに、少子高齢化の進行があり、人口減少に対処すると説明しています。そして、鞆町における少子化が伝統文化の継承に影響を与えるとして、架橋建設を進めようとしています。市内の高齢化率の高い山野学区は、02年に県道が建設され、便利になったと言われていますが、高齢化率は年々高くなり、5歳未満人口は、04年の15人から5人まで減りました。道路建設で、少子化の解消に寄与した地域の例がどこにあるのか、質問しました。市は、「埋め立て架橋計画だけでなく、これを核にして鞆の再生、活性化を図りたい」と答え、具体例は示しませんでした。

 ―道理のない計画に固執するな―根拠のないこれだけの理由―
土屋とものり市議の話し
 これまでの議会の論戦で、明らかになったことは、あまりにも埋め立て架橋計画には、説得力も道理もないといういことです。
鞆港架橋計画を巡る情勢は、①権利者の完全同意がとれていない②景観破壊により失われる利益が、計画で得られる利益を上回る証明ができていない。そのため、国から認可が下りていない④裁判所が景観利益を認めている⑤渋滞解消のためとしながら渋滞はなく、橋ができても3分しか走行短縮できない⑥バイパス道路では、少子化を解消できない⑦架橋以外の代替案がある⑧世界中から景観を守れと、強い非難がある⑨10万人分超の、反対署名が集められている⑩「亀甲状石積み」「石敷、石列、加工している岩盤」などの文化財が破壊される⑪国から「住民投票を」との進言がある、というものです。
これらをみるともはや計画に執着する理由はありません。県・と福山市は、いつまでも埋め立て架橋計画に固執せず、文化人や心ある多くの世論の声を聞き入れ、今すぐ埋め立て架橋計画は撤回するべきです。

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