2008/9/1 鞆港埋め立て免許差し止め訴訟
鞆港埋め立て架橋計画が景勝地「鞆の浦」を壊すとして、地元住民163人が県に埋め立て免許の差し止めを求めた訴訟の第8回弁論期日が28日、広島地裁でありました。
能勢顕男裁判長が前回期日(6月19日)で埋め立てが必要な理由が不十分として再度釈明するよう求めたのに対して、県側弁護団は東京の弁護士3人を追加し、204ページに及ぶ準備書面を提出しました。
原告でNPO法人鞆まちづくり工房理事の今川志津子さん(33)=静岡市=が「私たちが大事に守っていきたいと訴えている景観とは、江戸の町並みや豊かな海の景観だけではなく、その中で日々繰り広げられる素朴な人間らしい営みです」と意見陳述をしました。
原告側は弁論期日後、報告集会を開き、水野武夫弁護団長が「東京の弁護士を3人もつけて膨大な準備書面を提出したのは、被告が危機感を持っていることの表れだ。書面は、これまで述べてきたことをだらだら述べただけで、新鮮味も説得力もないと思う」と報告。大井幹雄原告団長は「一度進めたら後には引けないという行政は旧態依然で、鞆の価値を総合的に判断する人材が県にいないのが情けない」と述べました。
(「しんぶん赤旗」8月31日付より)