2016年6月議会一般質問(川南土地区画整理事業について)
建設・都市行政 川南土地区画整理事業について
河村市議(質問) 川南土地区画整理事業は、1969年に都市計画決定されました。
2012年1月の審議会委員選挙後、審議会は3回、協議会は6回開催されていますが、平均3割の減歩や清算金の支払い、行政主導で住民の意見を反映させてこなかった経過もあり、地権者らの理解は得られず事業はまったく進んでいません。
本年6月2日、「住みよい郷土を造る会」と市が懇談をしました。
郷土の会の方々らは、幹線道路と区画道路の高低差や、減歩や清算金の問題など、何一つ理解しあえることはなかったと話しています。
5年間の経緯を踏まえ、2017年1月の審議会委員選挙の実施は行わず、区画整理事業は白紙撤回し、住民と共につくる新しい街づくりに足を踏み出すべきではありませんか。ご所見をお示し下さい。
全国では未着手となっている区画整理事業を住民と行政の協議で継続的な整備へ転換している事例が多くあります。
都市計画決定された区画整理区域を解除するには、行政と住民の合意が必須であり、解除の方針を公定化するガイドラインが各自治体で策定されています。埼玉県ではガイドラインとして「長期未着手土地区画整理事業区域に係る市街地整備指針」が策定されました。
それによると、区域の現状把握や課題整理のあと、基盤整備の必要性を評価する「地域整備構想」を策定し、区画整理の必要性を判断します。区画整理以外の手法に転換する際は、「地域整備計画」を策定するよう具体的な手法を示しています。
埼玉県川口市の芝地区は昭和30年代からスプロール化が進み、その対策として区画整理事業が導入されましたが、駅周辺では権利関係も錯綜し事業は未着手となりました。市は2009年から「まちづくり勉強会」を行い、2010年には、まちづくり協議会を設立。住民との協議による整備を検討、埼玉県のガイドラインにも即して、2013年3月には「芝地域整備構想」を策定しました。区画整理事業に代わる計画と事業をセットで検討し、現在は主要区画道路の整備が住民の合意のもと進められています。
川南地区も生活道路や下水道整備など、整備するべきです。
本市もガイドランを策定し、区画整理事業の計画について再評価し、新たな整備計画に転換するべきではありませんか、ご所見をお示し下さい。
質問(市長) 次に、川南土地区画整理事業についてであります。
これまで、地権者の方々に、事業への理解を深めて頂くため、小規模な事業説明会の開催・戸別訪問の実施・情報誌による情報提供・他地区の視察などを実施してまいりました。
また、説明会などで頂いた意見などについて事業計画に反映出来るかを検討しているところであります。
来年1月には、土地区画整理法に基づき、審議会委員の任期満了に伴う選挙を行うこととしております。
この事業は、1969年(昭和44年)に、都市計画決定され2001年(平成13年)には、
地域住民、学識経験者、各種団体等で構成する「神辺地区まちづくり事業計画策定委員会」を設置し、事業の見直しについて、住民参加による協議を重ね、2006年(平成18年)に、
「神辺地区まちづくり事業計画」を策定したものであります。
この事業は、地域の活性化を図るため、日常生活や防災面、土地利用等の課題解決に必要な事業であり、地権者の一層の理解が得られますよう、引き続き取り組んで参ります。