2016年6月議会一般質問(中学校給食について)
中学校完全給食について
河村市議(質問) 厚労省調査では、全国の国公私立中学校の給食実施率は2014年度87.9%、そのうち完全給食の実施率は81.4%です。
本市では中学校35校中、わずか7校しか完全給食は実施されておらず、全国水準から大きく立ち遅れています。
今年9月から駅家中学校でセンター方式、加茂中学校では親子方式で給食を試行実施します。当校の保護者らは「やっと給食が始まり本当に嬉しい」と非常に喜ばれています。
しかし、それ以外の地域の保護者からは「同じ税金を払っているのに、なぜ我が子の中学校では給食をしないのか、不公平ではないか」「いつ頃、全市で実施するのか、早く明らかにして欲しい」など、切実な声が多く寄せられています。
6月3日、「中学校給食を実現する会」が完全給食を求める3974筆の署名を市長に提出しました。これまでの提出分を合わせると合計1万6898筆にもなります。
署名提出時にある女性は「食事は文化であり豊かさである。食育を大切にして欲しい」「全ての中学校で早く実施して」と訴えられました。署名に対してどのように受け止められたのか、ご所見をお示し下さい。
2014年8月8日の厚労省の「乳幼児栄養調査企画・評価研究会」の資料によると、小学生と同じく中学生も貧困層ほど、朝食の欠食率が多くなっています。また、同省2014年10月6日の「生活保護受給者の健康管理に関する研究会」の資料によると、低収入世帯では、家庭での野菜の摂取頻度が低く、インスタント麺などの摂取頻度が高いという結果が示されています。
こうした調査からも、栄養バランスのとれた食事は学校給食だけという子どもが少なくない事が推測されます。
温かく栄養バランスのとれた給食を提供することは、全ての子ども達、とりわけ貧困世帯の子ども達の心と体の成長に重要な意味を持つと思いますが、ご所見をお示し下さい。
我が党はこれまで、自校方式の完全給食実施を求めてきました。学校給食は単に食事を提供するだけでなく、教育の重要な一貫であり、食に関する正しい理解と判断力を養うことが出来ます。家庭や地域の食文化、食習慣、調理技術が失われ、食と農業や環境の関係性が失われつつある中で、教育としての学校給食には、それらを再構築し、関係を結びなおす力があります。
また、各学校に栄養士を配置し、アレルギー対策などきめ細やかな対応ができます。校内で調理をするため、給食の時間に近づくと美味しそうな匂いが漂い、仲間と一緒に食することで食欲が増します。自校方式は「食育」の観点から非常に優れています。
新潟県の五泉市は、センター方式から自校方式へ転換しました。その理由は、給食センターの老朽化と、O-157の事故を機に、食育や地産地消の推進を視野に自校方式による給食が最良であるという判断に至ったとのことです。自校方式になったことで、「子どもが好き嫌いをしなくなった」「給食がおいしくなって、残食が減った」と非常に好評とのことです。改めて自校方式を中心とした中学校給食の実施を求めますが、ご所見をお示し下さい。
自校方式の実施可能な学校は何校あり、いつまでに実施するのか計画の具体をお示し下さい。
答弁(教育長) 教育行政について、お答えいたします。
まず、「中学校完全給食の実施を求める署名」に対しての受け止めについては、中学校給食の実施を求める皆様からの、願いと受け止めております。
次に、給食の提供と子どもたちの心と体の成長についてであります。
成長期にある児童生徒の健全な食生活は、健康で豊かな人間形成を図る上で重要であると考えており、給食の提供により、児童生徒の健康の保持増進や、食生活の乱れの改善などにつながるものと考えております。
次に、白校方式を中心とした中学校給食の実施についてであります。
「福山市小中一貫教育と学校教育環境に関する基本方針」において、実施方法等については、モデル校による試行実施をする中で、成果と課題を検証しながら、研究することとしており、今年度においては、加茂中学校と駅家中学校をモデル校として、実施してまいります。