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2016年6月議会一般質問(福山市学校規模・学校配置の適正化計画について)

福山市学校規模・学校配置の適正化計画について

河村市議(質問) 現在、福山市教育委員会は、統廃合の対象校の保護者との「意見交換」を開催しています。
 ところが、「意見交換」と言いながら、事実上は「教育委員会の方針の『伝達』となり、保護者らから、「意見の聞きっぱなし、言わせっぱなし」になっている、と批判の声が上がっています。
 出された意見や要望の特徴的なものはどのようなものか、それらに対し、どう対応しているのか、お答えください。

 報道によると、2016年2月時点では、山野、内浦、服部、広瀬、内海学区から、合計8764筆の学校存続を求める要望署名と、要望書が提出されました。
 その後、東村小学校の存続を求める要望が提出され、全学区で、この計画に対する反対要望が出されたことになります。
 このことは、住民合意が得られていない決定的な証拠です。

 合意の得られていない当計画は、撤回すべきですが、全対象校からの要望に対する、受け止めをお答え下さい。
 文科省は、昭和48年9月27日に、当時の文部省初等中等教育局長から「公立小・中学校の統合について」とする文書を通知しています。
 これには、「学校規模を重視する余り、無理な学校統合を行い、地域住民等との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない。」「小規模校には教職員と児童・生徒との人間的ふれあいや個別指導の面で小規模学校としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模校として存置し充実する方が好ましい場合もあることに留意すること」と、明記されています。
 これは、いわゆる「Uターン通知」と言われるものですが、文科相は、この通知内容を現在でも「引き継ぐ」として、通知内容を「地域事情に応じて対応するよう周知したい」と表明しました。
市教委としての通知に対する受け止めをお答えください。


 次に、小規模校の教育効果について伺います。
 多くの住民から、小規模校の存続を求める強い要望が出されるのは、これらの学校で行われてきた取り組みが、地域住民や保護者、子ども達から、支持されているからです。
 福山市教育委員会は、小規模校のメリットについて、●「子ども一人ひとりに教員の目が届きやすく、きめ細かな指導がしやすい」●「友達同士の人間関係が深まりやすい」●「個別に役割を与えて活躍する場面を作り易い」などの、説明をしつつ、「複式学級」を理由に、廃校しようとしています。
 全国での統廃合の理由も、「複式学級を解消」し「子どもを大人数の中で切磋琢磨させる」という、全く同じ論法です。
 市教委は、複式学級のデメリットばかりを強調していますが、わが党の調査では、デメリットを上回る教育効果が挙げられていることが分かりました。
 例えば、ある学校の算数の授業では、一人ひとりの子どもの習熟度に応じ、行き届いた少人数授業が展開されています。
 各自の進度に合わせ、生徒が分からないところやつまずきなどを逐一先生が把握していました。

 さらに、黒板の前で自らの考えを全員に発言させ、それを集団で検討するなど、論理的な思考を身につけさせる実践が行われていました。

 先生の話しでは「子どもの集中力が増し、学力向上が見られる」とのことです。
 小規模校を卒業した後、大集団の中に入っても「大勢の前で発言する、十分な経験が身につき、度胸が据わっている」「自分の意見をまとめて発言できる」「ひとの話しをゆっくり聞ける」「高1ギャップなど一切ない」とのことでした。
 本市も、毎年、広島県へき地小規模校教育研究大会で、複数の学年を同時授業するノウハウや経験が、豊かに交流され、検証されています。
 これらの取り組みを、市教委は、自ら否定するかのように、複式学級の解消を言いますが、へき地小規模教育の成果をどのように評価しているのか、お示し下さい。
 小規模校に、他校から転入した保護者は、「大規模校のように大きな声を張り上げる先生がおらず、丁寧に子どもの話しを聞いてくれる」「何かあった時でも、すぐに連絡があり、学校の様子が手にとるように分かり安心」「どの教科も学力を上手に伸ばしてくれ、塾の必要がない」「不登校だった子どもが自信を取り戻した」といった声が寄せられていました。
 また、保護者にとっても、これらの学校が「親育ちの場」となっています。
ある保護者は、「養護の先生を含め、子育てで、悩んだり迷ったりした時、学校ぐるみで相談に乗ってくれ、自分が成長できる」とのことです。
 さらに、「祭りなど、地域と連携した行事に積極的に参加するため、子どもが何でもできるようになり、親として経験値が上がった」との声も聞かれました。
 このような取り組みは、「教育の原点」とも言え、全市に広げる工夫が必要ではありませんか。ご所見をお示し下さい。
また、市教委として、小規模校が果たしている役割について、●子どもへの教育効果、●保護者への対応の在り方、●地域で果たしている役割、という3点についての認識を、それぞれお示し下さい。


 次に、学校統廃合が地域コミュニティに与える影響について市長にお伺いします。
2015年8月24日の文教経済委員会において市教委は、統廃合を行った結果の地域の変化について、全国の事例の「調査を検討する」旨の答弁でした。
 日本建築学会の「山間部における学校統廃合地域に与える影響に関する」研究では、統廃合が地域へ与える影響について、いくつかの共通する特徴を報告しています。

それによると、統廃合後の地域は「コミュニティを支えていた若年世帯の転出をはじめ、自治組織とその活動が縮小・消滅し、老人会による昔の遊びの指導や、運動場での地域住民を交えた花見、PTA活動など、学校と連携して行われる地域活動が廃校と共に消滅」した、とのことです。そして、「人とのつながりを分断」し、「人口や地域の活力、住民間の結束に影響を与える」と指摘。「廃校は、伝統文化、コミュニティ活動、人と人とのつながりの弱体化とともに、地域を分断し、地域活力の衰退を促している」とまとめています。

 このようなことが、今後、福山市内で起きると、現在、住民との共同で行われている町づくりの取り組みに、水を差すことになるのではありませんか。
以上についてお答えください。


【答弁】
(教育長) 
 現在、計画の対象となっている学区の保護者と、意見交換を行っているところであります。
 教育委員会からは、まず、「学校規模の適正化の取り組みは、子ども達が多くの友達とのコミュニケーションを通して、多様な意見を聴く中でより良い答えを導き出す能力など、たくましく生き抜く力を付けていくためのより良い環境へと整えようとするものであり、効果的な授業づくりを行うための学級規模に再構築していこうという取組」であることを丁寧に説明しております。

 また、「少子化が進み、子どもの数がピーク時から4割程度も減少し、その後も人口減少に歯止めが掛からない状況があるにも関わらず、学校数は当時とほとんど変わっていないこと」「老朽化した学校校舎の建て替えが、今後相次ぐことが見込まれる中、今の教育を、将来に亘って維持し、向上させていくためには、学校の再編は避けては通れないこと」などについて重ねて説明しております。

 保護者からは、「子どもも私も今の学校に満足しているので、このまま学校を残してほしい」
「教育委員会の説明は理解できるが、自分の学校だけは、再編を出来るだけ先延ばししてほしい」などといった意見が出されており、地域から出された署名・要望は、こうした意見をお持ちの保護者や地域住民の思いが、集約されたものと受け止めております。

 しかし、学校再編について、理解を示される保護者の声も多数あり、要望書の内容だけがすべてではないと捉えております。

 次に、1973年(昭和48年)に出された文部省通知についてでありますが、今日の状況は、その通知が出された時代とは大きく異なっております。
 少子化が著しく進むことで、学校の小規模化が急速に進んでいるという、社会廃棄の違いがあり、子どもたちに付けていくべき力を育むための教育内容が、大きく変わってきております。
 私たちは、今日のこの厳しい社会状況から目を逸らさず、児童生徒が適正な集団規模の中で、効果的な教育を受けることが出来、教育にかかる財源を集中的かつ効果的に投資することが出来るよう、今日の学校配置を、適正に見直していく責任があります。


 次に、へき地小規模校の成果についてであります。
 小規模校には、きめ細やかな指導が行いやすいといったことや、教職員が、他の小機尾校と指導方法の交流等を行い、教育の充実に努めている面もあります。
 しかしながら、これからの教育を考える時、小規模校にあっては、グループ学習やグループ間討議などの協働的な授業づくりや教員体制などに課題があると言わざるをえません。

 学校は、地域に見守られる中で、歴史を積み重ねてきたという経緯があり、学校と強く結びついた保護者・地域の取りくいは、再編後においても、大切に引き継がなければならないと考えており、再編後の学校・家庭・地域が一丸となった学校づくりに向け、取組を進めてまいりたいと考えております。

【答弁】(市長) 

 次に、福山市学校規模・学校配置の適正化計画が、地域コミュニティに与える影響についてであります。
 本市の協働のまちづくりの取組は、本年度で11年目を迎え、学区(町)まちづくり推進委員会を中心に、地域課題に応じた取組や、地域資源を活用した魅力あるまちづくりなどが進められる中、子どもたちを地域ぐるみではぐくむコミュニティも根付いているものと受け止めております。
 
 学校再編にあたっても、地域が連携して子どもを育てることの重要性は変わらないものと考えており、引き続き、長年培われてきた地域のつながりや伝統文化を大切にしながら、住民主体のまちづくりが推進できるよう、支援してまいりたいと考えております。

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