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生徒指導のあり方について(2017年3月議会一般質問)

教育行政について

①   生徒指導の在り方について

村井あけみ市議:福山市は、中学生の生徒指導に「ゼロトレランス」や中学校区を基本とした「スタンダード」を取り入れ、小学校から中学校まで一貫した厳しい指導を行っています。

 そのため、「学校が息苦しい」「先生は、生徒の言うことを何も聞いてくれない」との声を聞くところです。中には、生徒指導の在り方を契機として不登校になる、反発し荒れてしまう、ひいては逮捕されてしまう事例も生まれています。

 2017年2月、広島県教育委員会は生徒指導資料No39「児童生徒の心に寄り添う指導の在り方について」を発しました。2015年12月に府中町内の中学生が自ら命を絶つという大変痛ましい事案を踏まえ、これまでの生徒指導の在り方を深く反省したものと言えます。

 まず、この通知をどのように受け止めとめたのかお示しください。

 

 通知によれば、生徒指導の意義で、自己指導能力について、「その時、その場で、どのような行動が適切か、自分で考えて、決めて、行動する能力」として、「自らの人格の完成を自ら希求する児童生徒を育てることは、教育にとって最も困難な課題であり、教育の方法として、与える、導く、型にはめるなどの方法をそのまま用いたのでは自発性や自主性を強要するということになりかねず、本来の意味で自発性や自主性を育むことができない」と述べています。

 「生徒指導においては、児童理解そのものが教育的関係の成立を左右すると言っても過言ではありません」「愛と信頼に基づく教育的関係が成立していなければ、その成果を上げることができません」とも示しています。

 問題行動が起きれば、なぜそのような行動となったのか、どのような気持なのか、その背景に何があるのか、児童生徒の心に寄り添う指導が貫かれるべきです。

 通知に示す内容を各教育現場で具体化するとともに、現在福山市の教育現場で展開されている「生徒指導規程」・ゼロトレランスに基づく指導を抜本的に転換する必要があります。

 通知の全教職員への内容周知と徹底は、どのように行うのかお示しください。

 また、各学校の「生徒指導規程」の改善について、取り組みの具体をお示しください。

 次に、広島県教育委員会は、2016年10月、生徒指導資料No38「性同一障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するきめ細かな対応等について」を発しています。

 そこには、児童生徒に対する相談体制の充実、教職員の姿勢、学校生活の各場面での支援などについて記されています。

 中でも具体的な配慮が急がれるものについて伺います。

 福山市の各学校の、男女別に事細かに定めた制服や髪形、トイレの使用や更衣、水泳などは、LGBTの児童生徒には苦痛を伴うものとなりかねません。

 この通達を踏まえて、どのような配慮を行うのか、具体的な方策をお示しください。

 以上について、お答えください。


答弁(教育長) 教育行政について、お答えいたします。

 はじめに、生徒指導の在り方についてであります。

 「生徒指導規程」は、児童生徒全員が、安心して安全に学校生活を送ることができるようにするとともに、一人一人の規範意識や自律心を高め、社会的自立を進めていくために、各学校において作成しているものであり、懲罰的な指導を目的としているものではありません。

 2017年(平成29年)2月、県教育委員会からの通知による生徒指導資料「児童生徒の心に寄り添う指導の在り方について」は、本市がこれまで取り組んできたことを、より丁寧に進めていく視点が明確に示されているものと受け止めております。

 通知および内容周知につきましては、2月10日に、全小中学校、福山高等学校へ、資料を活用して校内研修を実施するなど、教職員の指導力向上を図るとともに組織的な生徒指導体制や教育相談体制の充実を図るよう通知しております。

 また、同日に行った小中学校教頭研修において、資料を活用し、児童生徒一人一人の可能性を信じ、成長の過程などを多面的・多角的に理解しながら支援する視点を持って教育活動を行うよう指導したところであります。

 生徒指導規程の内容の見直しにつきましては、学校の実態や子どもを取り巻く社会環境を踏まえて行うよう、各学校に通知しております。

 次に、LGBTとされる児童生徒への配慮についてであります。

 LGBTとされる児童生徒については、戸別の状況に応じ、児童生徒の不安や悩みをしっかりと受け止めながら、保護者と連携することが大切であると考えており、生徒指導規程の内容にかかわらず、児童生徒のプライバシーに、十分、配慮する中で対応することが必要であると考えております。

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