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母子生活支援施設の改善を(2019年12月議会報告)

 母子生活支援施設は、シングルマザーや事情によって離婚ができない女性が、子ども(18歳未満)と一緒に入居し、自立に向けた支援を受けながら生活できる施設です。

 母子世帯の多くが経済的に困難な状況にあり、DV(配偶者などの暴力)被害も増えるなか、施設の役割は重要です。

 しかし、福山市の施設「久松寮」は建物が古く、部屋には浴室や備品もないなど、生活の場としては充分ではありません。

安心して生活できる場に

 建物の改築・改修や必要最低限の備品の貸し出し、24時間365日の専門職員体制の確保などの改善を求めました。

 市は「施設などのハード面は、今後の整備にあわせて検討する」「必要な修繕は行う」と答えました。

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本会議一般質問での質疑をお知らせします。

河村ひろ子市議:母子生活支援施設「久松寮」について伺います

 子ども・子育てをめぐる社会状況の変化や、近年の厳しい経済・雇用情勢が、弱い立場にある母子世帯をいっそう厳しい状況に追いやり、DV被害や児童虐待は増加の一途をたどっています。

 そうしたなかで、母子生活支援施設は、児童福祉法第38条に基づき、地域で自立した生活が営めない18歳未満の子どもを療育している母子家庭、または、何らかの事情で離婚ができない母子などが支援を受けながら自立に向けて生活をする所です。

 もともと、戦時中に住宅や夫を失った母子の救済などを目的に建てられ、1998年の児童福祉法改正により、「母子寮」から「母子生活支援施設」に名称が変わり、その目的も、「保護」から自立促進のための施設となりました。

 2004年の改正DV防止法にあわせて、配偶者からの暴力による一時保護施設としての役割も位置づけられました。2017年10月時点では、全国234カ所に設置されています。

 福山市母子生活支援施設久松寮は1947年に福山市立母子寮として開設され、1971年に現在の場所に新築移転しました。開設からこれまで、母子支援の重要な役割を果たしてきました。

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 久松寮は管理棟と生活棟の2つの建物があり、管理棟には、職員用の事務室や学習室、相談室、共同で使う浴室が2カ所あります。3階建ての生活棟には12世帯分の居室があり、一家庭分として3畳と6畳の和室、台所とトイレが設置されています。

 建物は3年に1回安全確認をしているとの事ですが、築48年をむかえ老朽化しています。母子の安定した「生活の場」としては極めて不十分です。建物の抜本的な改築・改修を求めます。ご所見をお示し下さい。

 12世帯分の入所ができるにも関わらず、現在は1世帯のみの入所との事ですが、入所が少ない原因をどのように分析しているのでしょうか。また利用拡大に向けた取組みについてお答え下さい。

 DV被害者の緊急避難施設にもなる同施設は、県外を含めた他市町からの広域的な利用にも応えることが重要ですが、DV被害者の受け入れは行えていません。

 全国の母子生活支援施設では、深刻なDV被害や、児童虐待、精神・知的障害など何らかの障害のある母子、外国籍の世帯の利用も増加しているとの事です。

 こうした多様な利用者が抱える、さまざまな課題や日々生じる問題に迅速に対応するには、24 時間365 日の職員体制を確保すること、総合的な家族支援を行う専門性の高い職員を配置することが求められます。

 全国社会福祉協議会の社会的擁護施設第三者評価では、次の点を指摘し改善を求めています。

  • 建物が古く、部屋には何も設置されていないため、必要最低限の備品の貸し出しをすること
  • 部屋に浴室がないため生活環境をより狭めて不便にしている
  • 精神的なストレスをもった母子に対するサポートを行うために心理専門職員が求められる
  • 休日・夜間の職員体制が整っておらず、ハード面も課題があるためDV被害者の受け入れができていない
  • 全職員が非常勤嘱託で6時間勤務のため、必要とする支援が十分にできておらず、入所者との信頼関係は結びにくい状況

などが、指摘されています。

 以上の点について、どのように改善するのかお答え下さい。

市長(答弁)次に、母子生活支援施設「久松寮」についてであります。

 まず、建物の改築・改修についてであります。久松寮は、築後、相当年数が経過しているところではありますが、建築基準法により定められた点検を行い、必要に応じ修繕を行っています。

 次に、入所が少ない原因の分析についてであります。

 この数年、問い合わせは、年間30件程度ありますが、入所は、年間3~8世帯となっています。

 母子生活支援施設は、共同生活の場であり、自立に向けた相談支援を行うこととなりますが、共同生活などを望まれない方もいるため、必ずしも入所には至っていないものと考えています。

 入所に至らなかったケースについては、福山ネウボラの取組において、アウトリーチ支援により自立に向けた支援を行っているところです。

 次に、第三者評価における指摘事項についてであります。

 ハード面の指摘については、今後の施設を整備する時期に併せて検討することになりますが、その間については、必要な修繕を行いながら運営してまいります。

 職員の体制や専門性等の指摘についてひとり親家庭自立支援員や生活保護部門のケースワーカーなど福山ネウボラ全体のなかで、様々な専門職による支援を行っているところであります。

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