生活保護の「扶養照会」 福山市が説明文を修正
生活保護制度の扶養照会について、福山市のホームページの説明文が3月11日に修正されました。
扶養照会とは、生活保護を申請した人の親や子、兄弟などに、扶養できるかを自治体が確認することです。自民党の国会議員などによるバッシングの影響で生活保護への偏見がある中、親族に知られたくないと、申請をためらわせるハードルとなっています。
申請者の意思を尊重して
修正前の説明文では、「生活保護を受ける前に」として、扶養義務者からできる限り援助が受けられるよう事前に相談の努力をして初めて生活保護が利用できるとの記述がありました。
扶養が生活保護の要件や前提かのように誤解を招く、不適切な表現です。
調査を見合わせるのも、「家庭内暴力や虐待など特別な事情がある場合」という記述のみでした。
修正後は、扶養義務者についての説明が「保護を受ける前に」の項目から外れ、「扶養は保護の要件ではなく」と明記されました。
また、すべての扶養義務者に調査するわけではないとして、調査を見合わせる場合の事例が列挙され(下記参照)、例示に当てはまらなくても同じ程度の状況にある場合は相談するよう呼びかけています。
日本共産党の要求が実現
日本共産党市議団は3月4日の議会で、扶養照会は義務ではないことや、厚生労働省の通知をふまえ扶養照会をしなくて良い場合の事例を丁寧に知らせるよう市に求めていました。
今回の修正は、扶養照会のハードルを一定、引き下げるもので評価できます。
「生活保護は、憲法に定める国民の権利」と、福山市の市長も答弁しています。生活に困ったときは、ためらわず申請しましょう。
また、福山市のホームページにも記載されたように、扶養は保護の要件ではありません。
扶養義務者が扶養しなくても、申請者は生活保護を利用できます。
兄弟姉妹や親、成年の子どもとの間の扶養義務は、自分の生活に余力があれば、その範囲内で負えば良いものです。