保育行政充実求め 5715筆の願い
3月26日、福山保育団体連絡会は、「保育予算を増やし保育行政の充実を求める要請書」を5715筆の署名とともに市へ提出しました。
保育施設担当部長、保育施設課長が対応し、みよし、塩沢両市議が同席しました。
要請書は、①保育予算の拡充、②保育士の賃金・処遇・労働条件の改善、③子育て支援の充実、④保育料・給食費の無償化を求めています。

保育施設担当部長に署名を提出

要請書の提出後、保育士や保護者14名と、担当課との懇談が行われました。
参加者からは、「子育て中の保育士も急きょ休めるような配置改善が必要」、「新卒保育士の確保が困難」との現場の声や、「5つの保育所希望を出しても入所できなかった」、「4人の子育ての費用負担が重い」などの保護者の声が寄せられ、保育・子育ての条件改善や負担軽減が求められました。
市は、潜在保育士の復職支援強化や、保育士資格取得の支援、高い保育料の見直しに次年度取り組む方針を説明しました。
より良い保育の実現のため、現場の声を活かした施策こそが求められます。

長年の保育運動を力に、保育料の軽減や保育士確保策が大きく前進
市民の願い続々実現へ!
物価高や人口減少などの対応が急務となる中、暮らし・経済への支援や、子育て・教育環境の整備、公共交通の充実など、市民が安心の暮らしを構築していくことが何よりも必要です。
福山市議団は、昨年12月、市の新年度予算について、6つのテーマ、52分野、508項目の多岐にわたる要望を提出しましたが、新年度予算に一部反映されました。

企画政策部長に市議団の要望を提出(昨年12月)
2026年度の福山市予算について要望提出(2025.12.24付)
子ども医療費助成 高校生年代まで拡充
来年1月から一部負担金(500円)で受診できる子ども医療費助成制度の対象年齢を高校生年代まで拡充する予算が計上されました。
福山市の子ども医療費助成の対象は長らく就学前まででしたが、市議団は拡充を求めて市民との要望署名や議会論戦に繰り返し取り組み、2019年に対象が中学生までに、2024年には所得制限が撤廃されました。
しかし、県東部では2024年時点で対象が中学生までにとどまっていたのは福山市のみとなっていたため、市議団はさらなる拡充を求めていました。
高すぎる保育料 大幅引き下げを検討
昨年2月、福山保育団体連絡会は市議団が同席のもと、6423筆の署名を添えて、「保育予算を増やし保育行政の充実を求める要請書」を提出し、保育料や給食費の無償化を含む要望を行いました。
要望懇談では、参加者から「第2子以降の保育料は無償になったけれど、一人目の子どもの保育料も高くて大変」との意見が出される中、市は「第2子以降無償化に7億円が必要となった」と慎重姿勢でしたが、独自に軽減を行う方針へ大きく転換しました。
保育の充実求める要請書提出 現場にもっと保育士を!(2025.2.12付)

おでかけ乗車券拡充 全ての75歳以上に
福山市は75歳以上の市民税非課税者に年間5000円のバス・タクシー共通券を配布していましたが、新年度予算では、所得制限を撤廃して全ての75歳以上の市民を対象とし、2000円分のバス専用乗車券を上乗せして配布することとしました。
市議団は議会質問や要望書で、所得制限を設けず、金額を抜本的に増額することを求めていました。

一方で負担増も次々… 貧困拡大の懸念材料に
新年度予算には、子育てにかかる経済的負担の軽減や交通費への支援を行う一方、負担増も含まれます。
保育料の引き下げ検討とともに、放課後児童クラブの利用料の引上げをセットで検討する方針です。
また、国保税や後期医療保険料など、高齢者や自営業者などが支払う社会保険料の大幅引き上げを行い、市民・事業者が使用する水道料金の平均18%の引上げを、来年1月の使用分から行う見込みです。
かつてないインフレの中での負担増は貧困拡大を起こしかねません。
市議団は予算案に反対しました。
兼業・副業の人材に月額38万円の報酬
市は、次年度からの新たな総合計画「福山みらい創造ビジョン」の推進のため、「広報・戦略・デジタル・人事、組織」の4分野の政策推進に民間企業等の外部からの人材を登用することとし、次年度予算には外部人材4人分の報酬や旅費などの費用約2200万円を計上しました。
外部専門人材の雇用形態は非常勤特別職に位置付け、月5~6日程度の勤務で市が定める報酬の上限にあたる月額38万円と、非常勤でありながら高額な報酬です。
それぞれの外部専門人材が一つのチームを形成し、他市での事例の紹介やアドバイス、施策の分析を行うと説明しており、他の行政組織での実績がある人物が選定される可能性は十分あります。
影響力強い民間人材 情報漏洩・利益供与のリスクは
市は2018年から地方では初めて兼業・副業限定の外部専門人材を導入し、2021年からはデジタル化を推進するCDO(デジタル最高責任者)を民間から登用しました。CDOは副市長と並ぶ責任者に位置付けられましたが、今後は4分野の施策に発言力のある外部人材が関与します。
みよし市議は市の情報セキュリティリスクや利益相反の可能性を指摘し、過度な外部人材活用の見直しを求めました。

(2025.1.28付 総務省資料より)
昨年6月、安倍政権により2013年から行われた史上最大の生活保護費引き下げについて、最高裁は違法性を認め、減額処分を取り消す判決を言い渡しました。
「いのちのとりで裁判」は広島県内においても各市町で訴訟が起こり、本市においても市内受給者が福山市に対して引き下げの取り消しを求めており、昨年4月に広島高裁は原告勝利の判決を言い渡しましたが、市は判決内容を不服とし、最高裁へ上告したため現在も係争中です。
2月12日の民生福祉委員会では、2013年8月以降に受給していた市内全ての世帯を対象に、保護費等の追加給付を行う手続きを進める方針が報告されていましたが、3月定例会の補正予算において、追加の扶助費や事務費などあわせて約4億3000万円が計上されました。
追加給付約4億円 7400世帯が対象
給付対象は現在の受給世帯に加え、過去に受給していた世帯も対象とし、市内約7400世帯の見込みで、追加給付額は厚労省によると、60代単身世帯で最高8万5000円、30代夫婦と子ども一人の世帯で最高16万1000円としています。
また、訴訟の原告には特別給付金を支給することとしていますが、係争中の広島裁判については結審しなければ市内の原告へ特別給付を行うことができません。
みよし市議は、すでに違法減額への一部補償についての予算措置を行いながら、原告に対する補償が講じられないことは深刻な矛盾であり、市は上告を取り下げ、一刻も早い補償を行うよう求めました。


市の歳入は増加も生活は厳しさ続く
3月定例会での補正予算では、市税や消費税交付金、地方交付税が合計で約45億円も増収の見込みとなりました。要因は物価高騰や賃金の上昇など、現在のインフレ経済の影響によるものです。
労働者の賃金は上昇傾向ですが、円高による物価高に追い付いておらず、エンゲル係数(生活費に占める食料費の割合)は44年ぶりの高水準となっています。
市債管理に44億円、大型整備事業想定の基金に10億円積み立て
市民の収入や支出の増加による市の増収分は、厳しい家計への応援策に活用されるべき局面ですが、市は増収分のほぼ全額に相当する約44億円を市債(市の借入金)の返済や対策に使いました。
また、市のため込み金である財政調整基金は物価高対策等で取り崩したものの、後に交付された国費で充当されましたが、今後整備予定の(仮称)こども未来館の整備費に使われる基金へ10億円を積み替えた結果、財政調整基金の残高は約188億円の見込みとなりました。
借入金の管理や大型公共事業より、暮らしや家計の支援を早急に講じるべきです。

5年で49億円の少子化対策
福山市でも少子化の傾向が顕著であり、歯止めのかからない人口減少にどう向き合うかが問われています。
市は、今後の少子化対策の具体化として、5年間で49億円規模の「希望の子育て5か年プラン」を打ち出し、官民一体で取り組む方針を明らかにしました。
今後の少子化対策の在り方は、昨年から少子化対策専門家会議で議論され、若者や女性が選択する多様な生き方を応援し、支える社会の実現が、少子化の抑制につながるとの考えを提言にまとめて示しました。

望む生き方の支援 ジェンダー平等の取り組みとともに
市長も「自身が望む生き方を実現できる環境を整えていくことが重要」との認識を示しており、若者や女性の自己実現を阻んでいるジェンダーギャップの解消に向けた取り組みがますます重要です。
みよし市議は、24年度の福山市職員における男女の給与の差異が、男性に対して女性は約74%であることを示し、市として格差の是正に取り組むよう求めました。
市長は、給与差が生じている要因は、「相対的に給与水準の低い非常勤職員に占める女性の割合が男性より高いこと」としつつも、「国や民間の給与水準との均衡の原則」に基づいていると、妥当との認識です。低い給与水準を改善しなければ男女格差は埋まりません。
SRHRの理解は女性の権利擁護と一体で
5か年プランでは、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の理解推進などは位置付けられているものの、DV被害など、多くの女性に対する人権侵害に対する支援策については言及がありませんでした。
みよし市議は、女性の自己決定への理解と権利擁護の機能は不可分ではないのかと、認識を質しましたが、市長は「SRHRも踏まえた女性の権利擁護につなげていく」と答えるのみです。
不安に寄り添う温かい施策充実を
働き方の改善による家族時間の確保や、子育てにかかる負担の軽減、若者がすごす環境の充実は重要ですが、それ自体を少子化対策と捉えることは誤りです。
誰もが今の暮らしや将来への不安なく生きられる社会の構築こそが必要です。
昨年3月に市が行った小中学生アンケート調査では、「友達と気軽に立ち寄れるところがほしい」「中学生が遊べるところ、勉強やスポーツをするところが少ない」などの子どもたちの声や、市議会主催の報告会などを通じ、猛暑で外遊びができない状況の改善を求める保護者の声が上がっており、安全で自由に過ごせる居場所の整備が課題となっています。
塩沢みつえ市議は幾度も市議会で居場所の問題を取り上げてきました。次年度、市は天満屋のネウボラセンターに若者が自由に利用できる「ユースセンター」設置や、交流館へのキッズスペースの拡充など、多様な居場所の整備に取り組むことを明らかにました。

安心の夏の居場所 既存の施設活用で確保を
しかし、酷暑から健康を守る居場所の確保は急務であり、塩沢市議は当面の手立てとして、空調設備のある学校の教室や体育館、コミュニティセンター等、既存施設を活用するよう求めました。
市長は、交流館や支所の市民サロン、放課後の教室が活用されていると説明しましたが、既存施設の活用を「検討する」と応じました。
ただの居場所でなく専門員の配置を
市は、ネウボラセンターには保健師、社会福祉士、公認心理士などを配置して相談機能を充実させる考えですが、交流館のキッズスペースは場所の提供のみです。
塩沢市議は、子育てを巡る不安は複雑化しており、それぞれの居場所にも専門員を配置し、地域の子育て支援の機能充実を求めましたが、市長は、「悩みの事相談があった場合、相談窓口につなぐ」と述べるにとどまりました。
地域の子育て支援の点 児童館の設置でこそ
塩沢市議は、「居場所」に求められている機能のすべてを有しているのが児童館であり、福山市でも児童館設置に踏み出すよう求めましたが、市長は、「児童館が担うべき機能は、既に市内に展開されている」との認識です。他の市町では当たり前の児童館の意義を再考すべきです。