2008/5/10 笠岡バイパスを現地視察しました
10日、「福山バイパスと区画整理を考える会」主催の「笠岡バイパス現地視察」が行われ、23名がマイクロバスで現地を見て回りました。日本共産党市議団から高木たけし、土屋とものり議員が参加し、現地で日本共産党笠岡市議の樋之津倫子さんから説明を受けました。
笠岡バイパスの路線図。①、②の箇所を視察しました。(国交省資料より)
笠岡バイパスは、笠岡市西大島新田から笠岡湾干拓地内を通り笠岡市茂平(もびら)地区を結ぶ延長7.6kmの国道2号バイパスとして計画されている高規格道路です。しかし現在、本線はまったく未着工のままで、3.3㎞の一部区間(地図の①と②の2ヶ所)で側道のみが新設され、2008年3月15日に「開通」しました。
バスが笠岡湾干拓地を東西に走る「港町~カブト南町」区間の2.9㎞(地図①)に到着すると、本線部分はまったく建設されないまま、空地をはさんだ両側に側道だけが通っていました。その光景に参加者から「本道もできていないのに、側道だけ先に造って、おかしなことをしとるのう」と驚きの声があがりました。
樋之津倫子市議は、「側道は、一直線でしかも夜は真っ暗なため車が道路脇に転落するなどの事故が多発しています。片側一方通行のため、間違って逆走する車も少なくなくありません。タクシーの運転手さんから聞いた話では、お客さんから要望されない限りこのバイパスは通らないようにしようと仲間内で話し合っているそうです」と解説しました。
一行は、カブトガニ繁殖地の神島の入江を渡り、入江側道橋(地図②)に到着しました。
バスを降りて本線がない2本の側道橋(下写真)を目の前にして、参加者らは、「これこそ税金のムダ使いじゃ」「道路特定財源の一般財源化の問題もあって、行政が急いで造ったんじゃろうか」と、再び驚きの声をあげました。
「福山道路」計画はもともと、1994年に「倉敷福山道路」(総延長約55km)として国から地域高規格道路の計画路線に指定された路線の一部です。
福山市議会の推進派議員から、「笠岡バイパスへの接続が一層待たれる」(公明党・宮地徹三議員・2007年9月6日・市議会本会議)などと、笠岡バイパスとの早期接続を理由に「福山道路」東端からの着工を急がせようとする議論が活発化しています。今回はそうした情勢のもとで現地視察を実施したものです。
視察を終えて、「福山バイパスと区画整理を考える会」事務局の信野光伸さんは次のように語りました。
「百聞は一見に如かずで、『こんな道路が必要なのか? 必要ない!』ということが参加者一同の共通認識となったと思います。
道路特定財源の一般財源化という国民世論が高まるもとで、行政側も『今やらなければできなくなる』といったあせりが、今日見たような側道だけ先につくる愚策となってあらわれているのではないか、という疑念すらわいてきます。
福山市議会では、『開通』した笠岡バイパスとの早期接続を理由に福山道路の東側部分からの早期着工を迫る議論が活発になっていますが、その必要はまったくない、『福山道路』は税金のムダ使いだ、ということが今日の現地視察でいっそう実感できました。
“大型道路は税金のムダ”との世論が高まるなか、“ムダで有害な大型道路計画は撤回”という声を市民世論として広げていくために、ひきつづきがんばっていきたい」
樋之津倫子笠岡市議(中央)から説明を
受ける高木市議(右)と土屋市議(左)
日本共産党市議団は、「福山道路」「福山沼隈道路」「福山西環状線」建設計画(総工費(2,900億円)の中止・撤回のために住民運動と共同して全力をつくします。