7月27日から29日まで行政視察に行ってきました 土屋とものり市議
福山市議会民生福祉委員会は、七月二七日から二十九日まで、二泊三日で、千葉県市川市、東京都調布市、札幌市を訪問し、「小学校余裕教室の福祉施設への転用」(市川市)「生活支援(見守り)ネットワーク」(調布市)、「家庭ごみ(有料化施策)個別収集について」などの調査を行いました。調査の概要を報告します。
千葉県市川市
市川市は、人口約45万人。都心へのベッドタウン化が進んでいます。
市川人権ネットワーク
「市川子ども人権ネットワーク」は、九九年に市川市が策定したエンゼルプランに基づき、地域子育て支援や、子どもとその家族への援助、人権や生命を守る観点から、子どもに接する機会のある関係機関が連携して、虐待やいじめが起きた時に、問題に対処しようという、事業です。
主な事業内容として、
① 子どもがいじめや虐待などについて、相談したい時に、電話で相談できる子どもほっとライン。
② 連絡先カードの配布。子どもほっとラインの電話番号の入った連絡先カードを、小・中学生に無料で配布。
③ 子どもSOSミニレター。いじめや虐待などに対応するために無料の便箋封筒を配布し、相談があれば投函する。職員が相談内容に回答する。
④ 生活アンケート 学校を含めた、生活全般の実態調査。
「今後は継続を検討する」事業です。
市川市の説明では、「ミニレターなどの子どもからの相談は、詳細な背景が分からず、的確な回答になっているか疑問」だと話していました。また、市には、窓口連絡会もあり、実質的に、相談業務が二重構造になっているので、今後、事業継続の検討をする、と話していました。
学校の空き教室の福祉施設への転用
市川市は、南北に細長い形の市で、北部は高齢化がすすみ、公立小・中学校の空き教室が増えているそうです。この空き教室(余剰教室)を利用して、デイサービスセンターを、運営していました。運営主体は、民間の福祉法人で、公設民営の手法をとっていました。
学校をデイサービスセンターに改修
市川市国府台という地域の、国府台小学校の三階建て公舎を改修し、一階をデイサービス、二、三階を特別教室として利用。市内で唯一、公共施設を利用しての福祉施設でした。施設では、小学六年生のボランティア体験が行われ、入所のお年よりと交流していました。
参加した男子生徒は、「やってみて楽しい」と話していました。また、九十歳の男性利用者は、「戦争の話など、子供たちはよく聞いてくれる」と話していました。
市川共産党市議団に問い合わせたところ、「現在は子どもが増え、余裕教室は不足ぎみ」とのことでした。
↑ 視察する土屋市議=7月27日、千葉県市川市
東京都調布市
調布市の六十五歳以上の人口は、約三万三千人、高齢化率は、十六%超で、一人暮らし高齢者は、三千七百人余です。「生活支援(見守り)ネットワーク」は、一人暮らしのお年よりや生活困窮者、障害をもつ人に、周りの人が「ちょっと心配」「最近姿が見えないようだ」とか、「体の具合が悪いみたいだ」という時に、相談・連絡がスムーズに出来る体制です。一元的で、多機能なネットワークを構成することで、地域住民と、様々な福祉団体、行政が、お年寄りなど、社会的に弱い立場の人が安心して暮らせるまちづくりを目指して、事業を行っていました。
地域や近所の人が、お年寄りや、障害を持つ人の様子が「何かおかしいぞ」と気がついた場合、市の窓口に連絡をすれば、匿名でも、全て庁内で連携をとり、問題の解決をしようという事業です。例えば、生活保護や、介護、警察や消防に関わる問題でも一括で問題を解決する仕組みがつくられています。
担当職員は「現在の介護保険制度は、高齢者の介護と福祉が解決していない」と話し、「介護制度を利用できない対象者を出来るだけ見つけ、利用してもらう事が課題になっていた」と説明しました。
背景には西東京での、お年寄りの孤独死事件があります。調布市でも悲惨な事件を起こさな
いよう、利用者の視点から、社会的弱者支援の仕組みを作る必要があった、と説明しました。
担当職員は、「在宅介護支援センターが、この事業を通じて、地域が見えるようになった」
「要介護者でない人が、支援センターを知るようになった」と、報告していました。
この事業は、市民生活のあらゆる相談をひとつの窓口が一手に受けるという、膨大な労力を必要とする事業ですが、調布市の職員は「福祉を充実させる上で、必要な労力は惜しまない。必要なところには金をかける方針です」、ときっぱり。誇りをもって仕事をしている様子がうかがえました。
将来は市内八箇所の、
在宅介護支援センターを、十箇所に増設するそうです。
今後はさらに、ネットワークを充実させたい、と報告していました。
調布市 家庭ごみの有料化・戸別収集について
調布市の家庭ごみの収集は、低所得者などをのぞいて、有料です。
指定有料ゴミ袋を使い、一戸建住宅なら、玄関付近、集合住宅なら、収集場所、というようにゴミの戸別回収がされています。日本共産党調布議団によれば、ごみ収集有料化は、前市長の政策、との事でした。
ごみ収集有料化の理由は?
ゴミが増え、最終処分場が、いっぱいになっていることが、有料化の理由で、有料化することで、ゴミの減量と、リサイクルを進める事が目的、と話していました。ゴミ有料化は、指定ゴミ袋を使い、その値段は、一般家庭でよく使われる45㍑袋が10枚入りで、八四〇円でした。