こども発達支援センターの職員体制の充実を(2017年度福山市決算)
こども発達支援センターは、福山市、尾道市、三原市、府中市、神石高原町、世羅町と笠岡市、井原市の6市2町の共同で運営しています。
子どもの発達障害の支援拠点に―6年で2万件の実績
開業から6年余りで、のべ利用者数は2万人を超えました。文字通り、発達障害のある子どもの相談・支援拠点として内外から認知されています。
しかし、診断までの待ち時間は平均1か月~1か月半と長い上、就学児童への対応は全くできていません。
市民からは「小学生の発達障害の相談に乗って欲しい」など、要望が殺到しています。
職員不足が顕著
センター内に「就学支援室」を開設し、教育委員会との連携を強化するなど、改善はしてきています。
それでも、市内の小児科医や、就学児童専門窓口の県立若草園も対応が手一杯で、大きな不安材料です。
市は、「就学後も対応してほしいとの要望は多く聞く」「就学前の支援でさえ『いっぱいいっぱい』」と、悲鳴の答弁でした。
そして、「医師が少なく人材育成にも課題がある。心理療法士や言語聴覚士、保健師など専門人材の確保が課題」と限界状態でした。
就学児童も対象に、専門職の正規雇用で解決を
専門力量を備えた職員を正規雇用し、就学児童も対応できるようにすべきです。
2010年度に策定された「療育センター基本構想」にも「就学後の発達障害児への支援の解決に向けた取り組みが必要」とすでに明記されており、人員体制の充実を強く要望しました。
利用件数のかたよりと他市の取り組み
こども発達支援センターの利用状況は、福山市にかたよりが大きく、三原・笠岡・井原市の相談数は0件でした(2017年度)。
その理由について、市は、「三原市は県立広島大学の付属診療センターがあり、市の保健事業との連携がある。笠岡市は市に発達支援コーディネーターが配置されている。井原市は岡山大から医師の派遣がある」との説明をしました。また、「尾道市は市内での小児科医による診療体制が整っている」とのことでした。