48事業所が休廃止 深刻な介護現場
24年度の介護保険事業所の休・廃止件数は48件にも上っています。
特に訪問介護事業所については24年度、新規2件に対し休廃止は6件で、23年度との合計では新規5件に対し休廃止は13件にもなり、減少傾向が顕著です。

決算委員会でのみよし市議による質疑では、全体の休廃止件数のうち、人手不足によるものが18件、経営困難によるもの5件だったことが明らかになりました。
また、24年度当初の特別養護老人ホームの待機者は1043人で、施設入所の要望に応えられない状況も明らかですが、居宅での介護を支える訪問介護事業所も何らかの理由で事業継続ができない状況です。
みよし市議は介護従事者の処遇改善や事業所への継続支援など、市の支援を早急に講じるよう求めました。
ふるさと納税収入 自治体が奪い合い
ふるさと納税制度による各自治体への寄付額は年々全国的に増加する傾向にあり、23年度で1兆円を超える規模にまでなっています。
この寄付金の奪い合いが自治体間で行われており、泉佐野市などでは過度な返礼品を提供するなど、問題視されるケースも生じています。
福山市においても寄付額が増える傾向にありますが、福山市民が他の自治体にふるさと納税の寄付を行った場合には、寄付額と同額の住民税が控除されるため、市へ入るはずの個人市民税の税収は減少してしまいます。
減収分については国が補填しますが、減収分の4分の3しか手当てされないため、制度が続く限り必ず税収への影響が生じる仕組みです。

収入上回る減収 実質赤字は1.7億
24年度の福山市の実績では、2億円の収入があったものの、他自治体へのふるさと納税による減収分は2億7千万円で、さらに返礼品の経費に1億円がかかっているため、実質で1億7千万円もの赤字となっています。また、こうした赤字の状況は4年連続です。
自治体の税の仕組みを壊しかねないふるさと納税制度は廃止するべきです。

財政は大幅黒字 市民には債権回収
2024年度の決算委員会が10月14日から24日にかけて行われました。
一般会計の歳入では、個人市民税は定額減税による影響を除けば約3億円の増収となり、収支は約47億円の大幅な黒字です。
税収は増えているものの、依然として市民生活や地域経済は厳しい状況が続いていますが、市は税の滞納整理のため、滞納者の財産調査を年間15万件以上行い、差し押さえが約3000件行われていました。
機械的な滞納処分ではなく、暮らしの状況を把握し、丁寧な納税相談の取組こそ強化すべきです。

一般会計への繰入が前年度より約43億円増加しましたが、それらの財源は、借金の発行の抑制や、大型開発、こども未来館の莫大な整備費用に備えるための基金に積み立てられました。また、年間の黒字分を積み立てる財政調整基金は依然として200億円を超えています。


財政調整基金の原資は元々市民が収めた税金であり、市民の暮らしを支える施策に使うべきものです。
しかし、将来の大型の施設整備や開発事業のために使われようとしていることには市民理解が得られません。
みよし剛史市議は、人口減や高齢化への備えや、当面の暮らしの支援のために有効活用するよう求めました。
市教委は学校教育環境の在り方についての新たな基本方針策定に向け、学校教育環境検討委員会で検討を進めていましたが、9月の検討委員会で「福山市がめざす学びを実現する学校教育環境の在り方について」の答申案が示されました。
答申案では、今後の学校再編の在り方について、これまでの学校再編を「成果」と評価した上で、学校教育には一定の集団規模が必要であるとし、複式学級や1学級19人以下となった中学校の存在は認めず、適正規模の義務教育学校の整備を中学校区単位で強力に進める方針を定めています。
市教委は現行の中学校区ごとに義務教育学校を整備した場合の学校規模についてシミュレーションを行い、適正規模の校区を示していますが、同一の校区で再編を繰り返さないよう、適正規模に満たない校区では他校区と広域再編の検討を行い、適正規模を超過する場合は校区を分割した上で整備を検討するとしており、学校再編のみならず校区も再編する方針で、あらゆる校区が対象となり得ます。

福山市がめざす学びを実現する学校教育環境の在り方について(答申)概要版.pdfをダウンロード
1600名の陳情 学校は地域の「核」
学校再編の検討は市民に動揺を生じさせており、7月に熊野町の将来を考える会から「熊野小学校の存続を求める陳情書」が議長・教育長あてに1600名以上の署名とともに提出されました。陳情では、学校再編の検討で熊野小学校が統廃合の対象校となれば、地域住民の活力やつながりが消失しかねないとの懸念の思いが述べられています。

定例会の一般質問でみよし市議は、学校再編が地域の在り方にまで及ぶ方針であることを指摘し、陳情に対する教育長の認識を質しました。
教育長は、「陳情は、少人数教育や地域とのつながりが失われるため学校を残してほしいという思いであると受け止めてい」るとしつつ、「学校再編は避けては通れ」ないと、あくまで再編を続ける考えです。
一施設の整備に多額の税を集中
市は9月定例会での補正予算において、旧市民体育館の跡地に計画している(仮称)子ども未来館の整備にかかる、整備費約80億円、10年間の運営費25億円の計105億円の財源を確保する債務負担行為、資材高騰に備えた14億円の基金積み立てを盛り込みました。
財源については国の補助金や交付税で賄われる市債も見込まれますが、少なくとも52億円程度は市の財源で賄うことになります。

整備内容には、(仮称)子ども未来館と道路を挟んで立地しているエフピコアリーナとの一体的な利用を目的として、敷地同士をつなぐ整備費9億円ものブリッジも含まれます。

みよし剛史市議は24日に行われた予算特別委員会において、夏場のこどもの居場所整備など、子育て環境改善を求める声が高まっており、一施設の整備に多額の税を投じるのではなく、まずは市民の身近な暮らしを改善する税の使い方に改めるべきだと指摘しました。
「クラゲ館」の移設費用は5億円⁉
また、市は大阪・関西万博で展示された「いのちの遊び場クラゲ館」の膜屋根などを移設させる万博協会の事業に応募しており、移設先は(仮称)子ども未来館に隣接する五本松公園内とし、決定すれば約5億円の費用が見込まれると説明しています。

万博のパビリオン移設は、子ども未来館の検討委員会で決められましたが、「クラゲ館」をプロデュースした人物は検討委員会のメンバーであり、検討経過や判断が適切であったのか不透明です。


市は今年4月付けで南部保育所を花園こども園を運営する法人へ移管しました。
南部保育所の施設については、移管後、法人により定員90人規模の施設を同敷地内に新設する予定であることを説明していました。
しかし、今年7月に行われた法人による南部保育所の保護者説明会では、今年度をもって南部保育所を解体・廃止し、新年度から南部保育所の在園児を花園こども園で保育を引き受け、新施設は花園こども園との統合施設とする考えを明らかにしました。

保育内容が激変 配慮を欠く統廃合
これまでの法人移管では、公立保育所で行われていた保育内容を、概ね移管時の在園児が卒園するまで踏襲することを要件としていましたが、保護者は7月になるまで統廃合の計画を知らされず、移管後わずか1年で施設環境と保育内容を大きく変えることは、保護者心情や児童の発育環境に対しての配慮を欠いています。
みよし市議は、平成21年の最高裁判決で、継続して希望する保育を受ける権利は保護者と児童にあるとの法解釈が認められていることを示し、市として統廃合についての保護者への意向調査を行い、花園こども園への移行を望まない保護者にたいしては南部保育所での保育を継続するよう求めました。

平成21年横浜市立保育園廃止処分取消請求事件の最高裁判決主文(一部抜粋)
施設の在り方は、移管先の法人次第?
市は、「移管に際しては、可能な限り公立保育所の保育内容を引き継ぐよう条件を付して」いるとしつつも、「移管後の施設の在り方については、施設の運営状況や経営方針などにより、法人の理事会で決定」するものと答えました。
移管先に保育内容の継続を求めながら、法人によって施設の廃止も判断が可能であると説明していますが、施設環境と保育内容は不可分であり、これまでの移管方針とも矛盾しています。
保育の継続は権利 行政の責任果たせ
保護者・児童の希望する保育を受ける権利は公立でも民間でも変わりはありません。また、その権利は自治体の保育実施責任に由来しており、行政こそが保護者・児童の権利保障を第一に考える立場のはずです。
国が示す放課後児童クラブ運営指針では、こども集団の規模は「おおむね40人以下」とされていますが、市議団の夏休み中の利用実態の視察では、50人を超える子どもが1教室で過ごしている状況が見られました。
1つの教室に61人も!?
塩沢みつえ市議の一般質問では、今年5月時点の在籍児童数6850人が、夏休み中は8119人に増加し、1教室の最高利用児童数が61人となる日もあったことが明らかになりました。
塩沢市議は、運営指針による集団規模の規定は、子どもや支援員が信頼関係を築くことができる適切な規模であることを指摘し、過密状態の解消のために教室を増やすなどの対応により、環境改善を求めました。
安心・安全の規模に 「特別教室含め対応」
これに対し市は、「こども集団の規模に関する規定は、児童の安心·安全を守り、発達に応じた支援を行うためのもの」との認識を示し、「今後は、空調設備のある利用可能な特別教室なども含め、対応」すると応じました。
独自の調査で明らかになった過密状態の指摘により、改善の取り組み方針の答弁が引き出されました。
配慮必要な児童増加 現場の実態調査を
放課後児童クラブの利用ニーズが高まる中、配慮が必要な児童も増加傾向であり、現場の負担は増加しています。塩沢市議は、配慮の必要な児童への適切な人員配置が行われているのかを質すとともに、現場の負担感や課題を把握するため、無記名のアンケート調査を行い、職場環境の改善につなげる取り組みを求めました。
市は、「放課後児童クラブ学校連携推進員が現場の困りごとを聞き、助言等を行っている」、民間委託先にも「加配職員が必要な場合は、委託金額を変更できる」と答えました。しかし、民間への委託費には加算の仕組みが無いため十分とは言えず、現場は逼迫しており、連携推進員の助言だけでは具体的な負担軽減にはなりません。
塩沢市議は改めて直営を堅持し、市の責任で人員体制を拡充するよう求めました。

