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2009/1/31 S不動産が民事再生法申請。福山駅前再開発計画は慎重な見直しを。

章栄不動産 再生法申請 
 東桜町(旧福山繊維ビル)市街地再開発事業でマンション約140戸の販売を手がけるS不動産が1月21日に東京地裁に民事再生法の適応を申請しました。

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基礎工事が始まっている東桜町(旧繊維ビル)の再開発事業。

 負債総額は292億円にのぼっていました。同社は「事業を完遂したい」としていますが、継続は困難とみられています。予定地では「ローズタウン」の名称で基礎工事が進んでいます。報道によると、S不動産から事業主の福山駅前再開発への支払いは現段階では滞りはないものの、残債は20億円を超すといわれています。

市は地権者と話し合い慎重な見直しを
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申し入れ書を提出する日本共産党市議団=福山市役所、27日

 日本共産党福山市議団は1月27日、東桜町、伏見町の市街地再開発事業について、「高層マンションを核とする計画を白紙撤回し、一から地権者と話し合い、今後の経済動向や人口動向を見定めた慎重な見直し」を求める申し入れ書を羽田皓市長に提出しました。
 昨年には伏見町市街地再開発事業に参入していたアーバンコーポレーションが経営破たんし、事業からの撤退を表明。今回のS不動産の再生法申請により、高層マンションを核とした二つの再開発事業全体の見直しが迫られる事態となりました。
 日本共産党市議団はかねてより、このような事態におちいる恐れが多分にあると警鐘をならし、計画の見直しを求めて市議会で論戦してきました。

高層マンション計画は中止を

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S不動産が分譲を予定していたマンション(両図の左に立つ高層ビル)。5階~28階に約140戸(床面積12,800㎡)。

 市内では近年、福山駅周辺と周辺地域で高層マンション建設ラッシュが続き、住宅供給率は120%と過剰です。さらに、昨年からの世界金融危機による景気悪化がマンション需要の急激な落ち込みに拍車をかけており、駅前再開発による保留床処分(注)の行き詰まりは必至です。

(注)保留床 再開発時に従前の地権者が権利として保有している床を「権利床」と呼び、ビルの高層化などで地権者の保有する権利以上の床が生まれた場合の、余っている部分を「保留床」と呼びます。

 S不動産が参入している東桜町再開発事業の総事業費は 124億円で、そのうち国、県、市は2007年度末時点で約10億円の補助金をすでに支出しています。工事の進捗率は08年12月現在で3%です。日本共産党市議団は、「損失の少ない今、速やかに高層マンションの建設計画を中止し、事業全体を見直すこと」「計画を低層・低容積の再開発に変更するなど、リスクを避け、権利者の利益を守る方向で支援すること」を求めました。

地下駐車場は過剰投資
申し入れ書は、「地下駐車場建設は当初の計画には無かったもので、過剰投資となる当事業は撤回し、福山城遺跡を損傷しない平易な整備に改めること」としています。

「都市間競争」の考え改めよ
 村井あけみ団長は、応対した三宅崇裕都市部長に対し、「今後の方向をどう考えているのか」とただしたのに対し、三宅部長は「(当事業は)市の拠点性、求心性にとって非常に重要なもの」「事業者(伏見町市街地再開発準備組合)が事業を(現行どおり)すすめると表明されており、今のスタンスでひきつづき支援していきたい」と答えました。
 村井団長は、「福山市として組合等と話し合い、計画を見直すべき」「『道州制をみすえ福山市を州都に』と、都市間競争に走る都市開発計画は見直す時期にきている」と指摘しました。

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