福山市内の大型道路に関わる公聴会が開かれます。
建設用地の買収に反対する地権者から強制的に土地を取り上げる「土地収用」に対し、住民などが意見を述べる場です。
国道2号バイパス「福山道路」赤坂~瀬戸町3.3㎞区間の公聴会が12月18日(13時30分~17時30分)、19日(10時15分~18時)、県道「福山沼隈道路」の公聴会が同20日(13時30分~20時15分)で、場所は広島県民文化センターふくやまです。
住宅密集地をつらぬく非現実的な計画
「福山道路」は、赤坂町から岡山県笠岡市までの全長16.5㎞の国道2号バイパスとして計画された高規格道路(時速80㎞)です。
巨大な高架道路が住宅密集地の多治米町や川口町を貫くもので、膨大な立ち退きや地域の分断、公害などが懸念され、住民の根強い反対運動が続いています。
現実的なルートとは言えず、四半世紀近くも計画は進んできませんでした。
↓住宅や学校が立ち並んでいます。

ところが、枝廣直幹市長は強力に建設を推進し、国は一部の3.3㎞区間の着工を2019年に強行しました。
「福山沼隈道路」は、草戸~熊野町の4.5㎞区間で、「福山道路」に接続されますが、大量の車両が市街地に流入し、新たな渋滞が生じる恐れがあります。
工事の進め方についても、住民団体から抗議の声が上がっています。
住民軽視は許されない
市は「福山道路」のアクセス道路に着工しましたが、コロナ禍を理由に住民への工事説明会を開きませんでした。一方、感染が急増するなかでも公聴会を中止せず、土地収用の手続きは着々と進めようとしています。
住民合意を軽視して、土地収用や道路建設を進めることは許されません。
↑市のホームページより転載
大型道路よりコロナ・防災対策を
福山道路3.3㎞区間の費用は356億円で、市も今年度だけで関連経費3億7500万円の予算を投じます。
不要不急の大型道路より、コロナ対策や頻発する災害対策にこそ税金を使うべきです。
また、既存の道路を改良して渋滞を改善し、公共交通を充実させて生活しやすい街づくりが求められます。