30日、日本共産党福山市議団は、福島原発事故による放射能汚染から市民の健康を守る対策を求める要望書を市長あてに提出しました。これは、福島原発事故が収束する気配を見せない中、福山市として、大気環境の綿密な測定や、食品の安心を確保して欲しいとの、市民の声にこたえたもので、7項目の要望にまとめたものです。
市側は、環境経済部長、環境保全課長が出席し、申し入れを受け取りました。
環境部長は、「福山市はいち早く大気、水道の放射能汚染検査を行っている。何か異常があればすぐに対応するし、大気汚染状況はホームページでも掲載する」と話しました。また食品の安全検査については、「100%の安全を確保しようとすると、多額の金が必要となる」として、明確な答えを避けました。
要望書を提出する福山市議団=左から河村ひろ子事務局員、高木、式部、村井、土屋福山市議=30日、市役所にて
申し入れ全文は以下の通りです。
福島原発事故による放射能汚染から市民の健康を守る対策を求める要望書
福山市長 羽田皓 様
東京電力福島原発事故によって、大量かつ広範囲に放射性物質が放出され、市民の不安が広がっています。とりわけ、放射能への感受性が高い子どもの健康を守ることは、福山市のみならず、日本社会の大問題です。本市はいち早く、大気と水道水の放射能汚染の実態調査を行っていますが、食品の安全についても、継続した取り組みが求められます。
放射能による健康被害は、急性障害だけでなく、晩発性障害があり、放射線被爆は、少量であっても、将来、発がんなどの健康被害が起きる危険性があります。
被曝の健康への影響は、「これ以下なら安全」という「しきい値」はなく、被曝しないに越したことはありません。きめ細かく、系統的に放射線量を測定し、汚染物質をできる限り生活環境から切り離すなどの措置をとることで、人があびる放射線量を下げることができます。そのためにも、実態を正確かつ系統的に調査することが求められます。
以上の事を踏まえ、次のことを要望します。
【要望項目】
一.国に対し、食品の安全基準を1ミリシーベルト以下とするよう要請すること。
二.国に対し、生涯累積線量の測定について、外部被曝と内部被曝の双方を考慮するよう申し入れること。
三.市内の学校給食、保育所給食の食材について、市独自で放射線測定を行い、危険な食材を回避すること。そのための、食品専用のGe半導体検出器を整備する等、必要な機器を導入し、随時検査できる体制を整えること。
四.市内の放射線測定について、希望に応じ、出張測定ができる体制を整えること。
五.全ての大気環境調査地点で、放射線測定を行うこと。
六.安全・安心の食品を提供するため、学校給食の地産地消をいっそう進めること。また、給食献立表に、産地を記載し、父母の安心を確保すること。
七.放射能に汚染されていることが懸念される震災ガレキの処分は、一切引き受けないこと。
以上
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