5月10・11日に内海町で学校統廃合計画についての初めての住民説明会が開催されましたが、賛成意見はまったくなく、多くの参加者から反対意見や反論が出されました。この計画について、6月議会本会議で質問した概要をお伝えします。
「小規模校はダメ」の根拠示さず
説明会では、参加者から「統廃合ありきはおかしい」「保護者も8割以上が学校を残してほしいと要望している」といった意見や「なぜ生徒数が少なくてはダメなのか説明が理解できない」などの多くの反論が出されました。
それに対し、市教育委員会は「主体的・対話的で深い学びを目指すため、一定規模の集団が必要だ」との説明を繰り返しています。
保護者・住民らは今の内海町の教育こそが「自ら考え、深い学びができる環境」と確信しています。
それにも関わらず、市教委が小規模校の廃止を強行しようとしているため、理解と納得は全く広がりません。
この現状の認識について質問しました。
教育長は「小規模校では、子どもたちが主体的に考え、意見を交わしながら理解を深める授業が展開しづらく、多様な価値観に触れることも難しい」と、これまでの説明を繰り返し、住民意見を聞かない答弁に終始しました。
また「小規模校が望ましくない」「学校は一定の集団が必要」とする教育学的な根拠を示すよう求めましたが、答弁しませんでした。
教育予算の削減を子どもにしわ寄せするな
市教委は「校舎の老朽化が進み、近い将来建て替え時期を迎える」「税収の落ち込みや教職員の確保が困難になり、教育環境を維持していくことは困難」と説明しました。
財政問題のツケを子どもにシワ寄せするのは許せません。
そもそも、子どもが安全に学べる環境を整え、教員を確保するのは教育委員会の最低限の義務です。
それすらしないのは行政責任の放棄だと追及しましたが、市教委は「教員確保は広島県だけでなく全国的にも厳しい」と言い訳のような答弁をしました。
浸水危険区域に校舎新設―東日本大震災の教訓に学ぶべき
統合後の新校舎の建設予定地は、津波などの浸水想定区域です。
文科省は、学校新設の留意事項として、第一に「安全な環境」を上げ、「洪水、高潮、津波、がけ崩れなど自然災害に対し安全なことが重要」と通知を出しています。
東日本大震災による津波で、多くの子どもの命が失われた教訓から深く学ぶべきです。
ところが市教委は、「通学に最も便利でまとまった敷地が確保できる」「南海トラフ巨大地震で想定される津波対応のため、地盤を高くする」「防災マニュアルや避難計画を作る」「子ども一人一人が災害発生時に、適切な行動ができるよう実効性ある避難訓練に取り組む」と答弁。傍聴席からは失笑が漏れていました。
↑小規模校を視察。積極的に発表し、学ぶ姿が見られました。